フェイクニュースの世界的状況を示す5つのチャート

2017年は、ドナルド・トランプ氏の大統領就任に伴って、フェイクニュースの拡散が広く議論されるようになった。

人々が(トランプ氏自身も含め)、自分と意見の異なる人物を侮辱する言葉として「フェイクニュース」という言葉を使うようになってから、その言葉の正確な定義はひどく歪められてしまった。しかし、これが世界的にも需要の多いトピックであることがデータからわかる。

米大統領選以降、フェイクニュースにまつわる報道が増えているのは、主にソーシャルプラットフォームを通じてニュースを手に入れている人々が、でっち上げの記事をシェアしていることに気付かないことや、自動化された広告購入がフェイクニュースのエコシステムをいかにして成立させているかを、記者たちが説明しようとしているからだ。

「多くのフェイクニュースの出所を記者たちが明らかにするにつれ、プログラマティック広告売買の全体的な本質が明るみに出るようになった」と、フォレスター・リサーチ(Forrester Research)のアナリスト、スーザン・バイデル氏はいう。

メディア報道

ここ数カ月、報道機関は集中的にフェイクニュースを取り上げきた。ブランドウォッチ(Brandwatch)は、2016年10月はじめ以降、ヘッドラインに「フェイクニュース」というワードを含んだ記事を5万4000本も見つけている。下図が示すとおり、こうした記事は大統領選後に次々と現れはじめた。

アドテク企業メディアマス(MediaMath)の広報担当者は、フェイクニュースの認知度は大統領選の前後から上昇しはじめたという。それまで、フェイクニュースはメジャーでないWebサイトしか取り上げず、実際にフェイクニュースが配信される量も少なかったが、大統領選挙を機にフェイクニュースが大量に出回り、有権者を混乱させ、選挙の結果に影響を及ぼす事態になったからだ。

ヘッドラインに「フェイクニュース」というワードを含んだ記事量の推移 Source: Brandwatch

世界での報道

フェイクニュースについての報道は米国外へも広がっていった。ブランドウォッチのデータは、英語でのアクティビティーのみを追跡している。だが米国外では昨年10月以来、ヘッドラインに「フェイクニュース」というワードを含む記事がおよそ1万本あった。なかでも英国がもっとも多く、2000本あったという。

「これは世界的な問題だ」とバイデル氏。「フェイクニュースを作成する者が金儲けできる場所なら、どこででも問題になることだ」。

ヘッドラインに「フェイクニュース」というワードを含んだ記事量の推移(北米を除外) Source: Brandwatch

ユーザーの自信

虚偽の記事に騙されている人々のことがあらゆる報道で伝えられているにもかかわらず、ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)による最新調査報告からは、回答者の過半数が、自分にはフェイクニュースを見抜く力があると自信をもっていることがわかる。だがこの自信は見当違いであることが多い。

フェイクニュースを見抜く力があるか? Source: Pew

ソーシャルプラットフォーム

人を惑わすコンテンツの出所として、責められるべきものは多数ある。だが、偽情報の拡散を容易にする点でソーシャルメディアの役割を見過ごすことはできない。BuzzFeedが伝えているとおり、Facebookがアルゴリズムを変更し、パブリッシャーの投稿より友だちの投稿を優先するようになってから、フェイクニュースのシェアがより頻繁に行われるようになった。

選挙関連記事TOP20におけるエンゲージメント総数 Source: BuzzFeed

 

もっとひどいのは、BuzzFeedと調査会社イプソス・パブリック・アフェアズ(Ipsos Public Affairs)が実施した調査からわかったことで、Facebookを主要なニュース源として利用している人が偽のヘッドラインを信じてしまう確率は83%にも上ることだ。Facebookは当初、この問題と自社の関わりを否定していたが、後に、事実確認プログラムの支援、メディア連絡担当者の雇用、詐欺的Webサイトの自社広告ネットワークからの締め出しによって、問題解決を図った。だが、それだけでは偽情報の拡散に歯止めをかけるには足りなかった。

「こうした企業がとったフェイクニュース防止対策はどれも賞賛に値するが、フェイクニュースの作成者が頑張れば金になる状態が続く限り、この問題はなくならないだろう」と、バイデル氏は指摘する。

ニュースソースはどこを使うか? Source: BuzzFeed

Ross Benes (原文 / 訳:ガリレオ)
Photo from Getty Images