ソーシャル上の「購入」ボタンは、なぜ流行らないのか?:TwitterもFacebookも廃止した背景

アドプロダクトがいかに有意義であっても、失敗することはある。

1月の第3週、Twitterは「Buy(購入)」ボタンを廃止した。Facebookはすでに「Buy」ボタンの設置を取りやめており、インスタグラムとPinterestも同様に「Buy」ボタンで苦戦している。ある情報筋が米DIGIDAYに語ったところによると、「Buy」ボタンのために、取引は魅力に欠け、在庫は誤って管理され、消費者の意図は正しく理解されなかったため、ソーシャルプラットフォーム上で苦戦を強いられているという。

「ソーシャルネットワーク上で、ユーザーはモノを購入しない」と、フォレスター(Forrester)のアナリスト、ジェシカ・リウ氏は語る。「ユーザーは、そこで買いものをするよりも、ブランド、製品、サービスを探したり、詳しく調べる場合の方が多いようだ」。

高エンゲージメントも影響なし?

Amazonなどeコマース企業の成功や、ソーシャルプラットフォームにおける高いレベルのリーチとエンゲージメントを背景に、「Buy」ボタンが数年前にリリースされたとき、マーケターたちはその可能性に期待した。しかし、時が過ぎ、多くのプラットフォームがその試用に踏み切っても、けっして流行することはなかった。

2016年12月に発表された、eメールマーケティングプラットフォームのキャンペイナー(Campaigner)の調査では、「Buy」ボタンの成果として、72%のマーケターが「まったく販売につながっていない」と回答した。また、40%のマーケターは、「2017年に『Buy』ボタンの使用を減らすことを計画している」という。

イーマーケター(eMarketer)のアナリストであるクリスタ・ガルシア氏は、依然として少数のユーザーは「Buy」ボタンに魅力を感じていると語る。その一方、いくつかの調査によると、多くの人が「ソーシャルプラットフォームのどこに『Buy』ボタンがあるのかわからない」と答えており、その存在すら知らない人もいたようだ。

「スクロールしているうちに、見失ってしまうのかもしれない。累積需要があるという見方もあるが、しかし、それはまだ確認できないない」と、ガルシア氏は語る。

複雑な購入プロセスも課題

ワンダーソース(Wondersauce)、ヒュージ(Huge)といったエージェンシーの担当者たちは、「Buy」ボタンの採用が遅れている理由のひとつとして、購入プロセスがeコマースサイトのようにシームレスではないことを挙げる。また、ムーブメントストラテジー(Movement Strategy)の共同設立者ジェーソン・ミッチェル氏は、「Buy」ボタンを通じた購入プロセスについてユーザーに慣れてもらうよう、プラットフォームは努力しなければならないという課題を感じている。

メディア・ストーム(Media Storm)のチーフデジタルオフィサー、チャーリー・フィオーダリ氏は、「Amazonはイノベーションによる、時間節約を実践しているから成功している。ソーシャルプラットフォームの『Buy』ボタンにはよくわからない購入プロセスがある。そのボタンの上にカーソルを合わせ、素晴らしい買い物をしようと考えている人たちがいることは想像できるし、このボタンは絶対に必要だが、購入プロセスにどれだけの時間がかかっているのかを見直さなければならない」と述べた。

決済プラットフォーム、スプリードリー(Spreedly)のジャスティン・ベンソンCEOは、不適切な在庫管理と消費者意図の誤った理解が「Buy」ボタンの問題になっていると述べた。「オンラインの買い物客は購買前に数回Webページを訪れる傾向があるため、『自然発生的な購入』を前提にしたこのサービスは、おそらく重大な間違いだったのだろう」と語る。

米エージェンシー、ザ・コミュニティ(The Community)のデジタル戦略担当ディレクター、アンディ・アメンドラ氏によると「Twitter、およびソーシャル全体の消費者は『購入モード』ではなく、むしろ『検索モード』にある。 ミレニアル世代のほとんどが『モノによっては、いまが良ければ、それで良い』という傾向にあるが、その彼らもいまはまだ『Buy』ボタンを押す準備はできていない」と語った。

Ross Benes(原文 / 訳:Conyac
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