GoogleとTwitter、新ニュースプラットフォームでの協業が発覚 〜激化するニュースサービス合戦

GoogleとTwitterが手を組んで、今秋ニュースプラットフォームを開始する。Googleの検索画面やTwitterのタイムライン画面からニュースプラットフォームに移る仕組みを検討しているという。ニュース流通で強い影響力を誇るFacebookが「Instant Article」で王手をかけたが、Apple、Snapchat(スナップチャット)、サムスン電子もそれぞれニュースプラットフォームを配備し、乱戦模様となりそうだ。一方で、パブリッシャーにはコンテンツ提供先の多様化というチャンスが訪れている。

GoogleとTwitterが協働

米テックメディア「Re/cord」によれば、GoogleとTwitterがニュースプラットフォームの創設で協働していることを複数の関係者が明らかにしたという。両者は2015年秋に協力パブリッシャーとともに発表を予定しており、このプラットフォームはFacebookの「Instant Article」と同様のフォーマットになると見られている。「TwitterのユーザーとGoogle検索ユーザーがリンクをクリックすると、スマホがポップアップの記事画面を瞬時のうちに映し出す仕組み」のようだ。

両者はオープンソースのパブリッシングツールをつくり、多様なテック系企業の参入を期待している。「世界はFacebookの『Instant Article』への答えを求めていた。その答えこそ、GoogleとTwitterが提供するものだ」と関係者は語った。

「Re/cord」は「ニューヨーク・タイムズ」と英日刊紙「ガーディアン」が、すでにこのニュースプラットフォームに参画していることを明らかにした。「ニューヨーク・タイムズ」は「Re/cord」の報道に回答する記事を配信。それによると、モバイルユーザーに対する、より快適なニュース閲覧を提供するためと書かれているが、GoogleやTwitterによる競業他社へ対する牽制の意味合いも少なからず込められているようだ。

Facebook、ニュースで広がる影響力

Facebookのニュース配信における影響力は強まるばかりだ。各種調査の結果によると、18歳以上のFacebookユーザーの63%が同サービスを通じてニュースを消費。世代を問わず閲覧は拡大傾向にあり、新聞よりもユーザーの信頼を勝ち得ているという。先述の記事で「ニューヨーク・タイムズ」が引用した「Parse.ly」のデータでは、パブリッシャーへのリファラートラフィックにおいてFacebook経由のものは、2年前の12%から急増して40%を達成。Google経由の38%を超えている。

影響力をさらに強める策が「Instant Article」だ。Webページのロード時間を軽減するため、ニュースフィードから、パブリッシャーサイトではなくFacebook内のコンテンツプラットフォームに遷移する仕組みをもつ。「Instant Article」はパブリッシャーのサイトよりもインフラの質が高いとの見方もある。

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「comScore」「Omniture」「BuzzFeed」「Google Analytics」などの解析ツールと互換性があり、動画、オートプレイビデオ、キャプションなどの機能でユーザー経験を最大化してくれるという。こちらには「ニューヨーク・タイムズ」「ナショナル・ジオグラフィック」などの大手9メディアが参画。ただ、米DIGIDAYによると、「Instant Article」はパブリッシャーにトラフィックをもたらさないことが、パブリッシャー側に不満の種になっている部分もあるそうだ。

Apple、Snapchatなども迫る

16日発表の「Apple News」、メールアプリ「Snapchat(スナップチャット)」、モバイル売上で世界最大シェアのサムスン電子もニュースプラットフォームのサービスを提供する。

米テック系メディア「CIO.com」によると、「Apple News」ではユーザーがニュース閲覧時、ウェブページに遷移せずアプリ内で読むことができる。このアプリはiOS9のブラウザに載る予定とされる、アドブロックと表裏一体だ。アドブロックはパブリッシャーの運営するウェブサイトにとって不利な機能だが、「Apple News」内では機能しないため、パブリッシャーにAppleと手を結ぶインセンティブを生じさせるという。「CNN」「Vox Media」「タイム」「WIRED」などが参加する考えだ。

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「Snapchat」はコンテンツ配信のディスカバー機能を提供している。加盟パブリッシャーはモバイル最適化されたタテ型画面で、動画や画像、文章で構成された記事を24時間ごとに更新している。「BuzzFeed」「コスモポリタン」「ピープル」「ナショナル・ジオグラフィック」など15の主要パブリッシャーが参加している。

モバイル世界シェア1位のサムスン電子も「UPDAY」というニュースアプリサービスの開始を2015年9月初めに発表した。ヨーロッパに拠点を置く大手デジタルパブリッシャー、アクセル・シュプリンガーと共同で開発を進めている。「UPDAY」はドイツとポーランドでベータ版をリリースする予定で、2016年初めに全面的なサービス見込んでいるという。最も売れている「ギャラクシー」シリーズにプリセットする。

パブリッシャーの選択肢が増えた

ニュースが巨大プラットフォームの競争の場になっている。

プラットフォームが並び立つ状況は、パブリッシャーもそれぞれにコンテンツを提供し、バランスを取るという戦略が好ましいかもしれない。1つのプラットフォームに利益を感じなければ、他のプラットフォームに飛び移ればいいからだ。

(吉田拓史)
photo by Thinkstock / Getty Images

【2015年9月17日 11:00 追記】本日未明にリリースされたiOS9では、「Apple News」の存在は確認されていない。2015年9月25日に発売される新モデルにおいての実装になるか確認が待たれる。詳細は改めて追っていきたい。(DIGIDAY[日本版]編集部)(新規追記あり↓)

【2015年9月17日 13:00 追記】「Apple News」とはアプリというより、機能という意味合いが強く、ホーム画面の左側にある「検索画面」に表示されるものであるがわかった(下図)。パブリッシャーにとっては、窓口が増えたことになり、オーディエンス獲得の機会が広がったのは間違いない。(DIGIDAY[日本版]編集部)(新規追記あり↓)

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【2015年9月17日 21:00 追記】「iPhone Mania」の伝えるところによると、iOS9の新アプリ「Apple News」は、アメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国対応。(DIGIDAY[日本版]編集部)
 
【2015年9月19日 15:57 追記】日本でも地域をアメリカ合衆国に変更するとプリセットアプリとして利用できる。編集部によって記述された、9月17日午前11:00、13:00の追記を取り下げる。「『Apple News』の存在は確認できない」、「『Apple News』とは〜『検索画面』に表示されるものであるがわかった」を取り消す。(DIGIDAY[日本版]編集部、編集者・吉田拓史)