「ポスト広告時代」に突入!:FB「Messenger」広告について知っておくべき4つのこと

Facebookは11月8日、今夏の時点で月間10億ユーザーを擁するメッセージングプラットフォーム「Messenger(メッセンジャー)」の広告利用を広く開放すると発表。すでに4月から、配車サービスのUber(ウーバー)やホテルグループのマリオット・インターナショナルなどと、テスト運用を行ってきたという。

おかげで企業は、自ら選択してコミュニケーションを取ってきたユーザー(たとえばチャットボットを利用して、ホテルの部屋を予約した人など)に、広告を送信できるようになった。Messengerを利用した広告の現状は以下のとおりだ。

1. まだデータは不十分

企業は、独自のボットを開発したいと騒いでいたが、これまでのところ、Messengerが広告であふれるような事態は起こっていない。Facebookサイドでは、広告の量と表示頻度を制限するシステムを開発中だ。Messengerには、確固たる広告ポリシーがあり、ユーザーの広告体験を良いものにすることに関心を注いでいる。

エージェンシーの幹部らによると、その広告ポリシーにおいて、ボットがリクエストに対応する速さや、おそらくユーザビリティおよびユーザーとの関わり方のような、ほかの特性も測定しており、検索エンジン最適化(SEO)戦略と原理的に同じようなランキングシステムにつながる可能性があるという。だがそれでも、アドターゲティングデータは一定の水準に達していないと思われる。

デジタルエージェンシー、デジタスLBi(DigitasLBi)のモバイル担当責任者であるイリコ・イライア氏は、次のように語る。「純粋なマーケティング媒体と見なすのではなく、そうした一対一の対話の世界に足を踏み入れることに対して、ブランドが慎重であればいいのだが。MessengerはユーザーのことをFacebookほど知らない。また、Facebookは、マーケティングとの関連においてユーザーのことを知らず、ましてやメッセージングとの関連においては、なおさら知らない。ユーザーは、自分向けではない、自分に似た誰かをターゲットにした広告を目にすることになるが、いまのところ、Facebookにできるのはそれが限界だ」。

2. ボットへのトラフィックは今後増える

ボット導入を検討している企業にとって最大のハードルは、人々をボットに誘導し、まだ低いユーザーのエンゲージメントを引き上げることだ。だが、ボットを見つけにくいのは、ユーザーが単にインターネットをぶらぶら見て回るだけでなく、自分の探しているものを正確に把握している必要があるからだ。企業は現在、Facebookのニュースフィードに表示される既存の広告を利用して、自社のFacebookページやホームページではなく、ボットに直接トラフィックを誘導できる。

エージェンシーのウィー・アー・ソーシャル(We Are Social)でシニアメディアマネージャーを務めるコナー・リンチ氏は、次のように述べている。「実に効率よくトラフィックをボットに誘導する新たなルートだ。こうした広告には最低支払額がない。Facebookのセルフサービス式広告モデルに基づき、インプレッション数に応じて料金を支払うことになる」。

その一方で、こうしたニュースフィード広告を使うと、企業は一般的な広告利用の機会を失うことになる、とリンチ氏は指摘する。だが、Facebookは、自社のプラットフォームに人々をつなぎとめることを目標としているのだ。

3. トラッキングが向上

サービスの進化の一環で、Facebookは分析機能をさらに追加しようとしている。ボットには、これまで分析機能がほとんどなかった。開発者は今後、ボットのリンクにコードを追加して、ボットへのトラフィックがどこから来たのかを特定できるようになる。これは役立つが、ベストプラクティスでもある、とリンチ氏は述べ、ほかの顧客もボットの開発を検討するようになるだろうと付け加えた。

4. 広告ははじまりにすぎない

Messengerの広告は、より強固なエコシステムの構築という面から見れば氷山の一角に過ぎず、もっと役に立つ行動につながるまで、あいだを置かず試行錯誤が繰り返されるだろう。

独立系メディアエージェンシー、VCCPメディア(VCCP Media)の設立者であるポール・ミード氏は、「『ポスト広告時代』に突入しようとしている。Messengerの広告は、メッセージングプラットフォームのマネタイズに向けた最初の一歩だ。WhatsApp(ワッツ アップ)はこれまでずっと広告を表示していないが、Facebookは自社が何をめざすべきかわかっている。このような試みを最初の内に何度も繰り返して、そのエコシステムにおけるブランドの役割について学んでいるのだ」と語る。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)