Facebook、またもや指標に計算ミス:不満を募らせるエージェンシー

虚偽ニュース騒動に指標の計算ミスと、最近のFacebookは相次ぐ炎上の対応に追われている。

Facebookは11月16日、投稿のオーガニックリーチ、動画の視聴完了数、インスタント記事の閲覧時間など、複数の指標の計算が間違っていたと発表。広告主をなだめるため、指標評議会の設置とサードパーティー認証の強化を表明した。こうした動きは単なるごまかしかもしれないが、第三者による測定を受け入れることは、Facebookが「宿題を自己採点している」という広告主の不満を和らげるだろう。

業界全体に大きな影響

デジタルエージェンシーのディープフォーカス(Deep Focus)でCEOを務めるイアン・シェイファー氏は、この混乱によりマーケターは、Facebookの広告データだけでなく、計算ミスが発覚していないオーディエンス分類やビジネス情報データに対しても懐疑的になる可能性があると話す。全体的に、一連のミスがFaccebookのレポートの信頼性をある程度損ねているのだと、同氏は指摘する。たびたびミスが発覚するうち、いずれどこかの時点で、広告主はFacebookが報告するデータの大部分を疑うようになる、というのだ。

「与えられた指標が、xを用いてyを求めているのに、xが間違っていたらyはどうなる?」と、シェイファー氏は問う。「指標のミスの連鎖反応が起こる」。

別のエージェンシーも、デジタル広告におけるFacebookの巨大な役割を考えるなら、「これほど大規模な失態」が判明したことで、デジタル業界全体に疑いの目を向けるクライアントも出てくると指摘する。なお、Facebookは本記事へのコメントを避けた。

深刻に受け止める代理店

Facebookは、今回のミスは広告関連の課金に影響しないとの声明を出している。とはいえ、同社が9月にも動画指標の過大測定を認めていることを考慮し、複数のエージェンシーが今回の失態を深刻に受け止めている。

「今回のミスが課金に影響しないという、Facebookの発表には驚いた」と、トラクション(Traction)CEO、アダム・クラインバーグ氏は語る。「課金に影響しないとしても、広告主の資金の使い方に影響が出るのは確実で、それこそが問題の本質だ」。

アイソバー(Isobar)の戦略担当ディレクター、ティム・ダン氏によると、オーガニックリーチの過大推定など、ミスのいくつかは「信じられないほど初歩的」だが、きわめて微妙なものもあるという。たとえば、Facebookが動画の視聴完了の定義を、音声と動画の長さの一致を重視する形に変更したのは、ごく些細な変化だというのだ。同様に、デジタルエージェンシー360iのソーシャルマーケター、オーリ・ルウィンター氏も、今回の計算ミスは同社の支出に影響しないと話す。ミスがあったのはFacebookのダッシュボード上だけで、360iはより正確なエクスポートデータを使用していたためだ。

どのエージェンシーも、サードパーティーによる測定の導入に関心を抱いている。ただし、Facebookが本格的に実施すればの話だ。22スクエアード(22squared)のペイドソーシャル担当ディレクター、アン・ディナポリ氏は、サードパーティーによる検証を強化するとの発表は、Facebookがエージェンシーからのフィードバックに耳を傾けていることを示すと指摘する。

危険にさらされているもの

しかし、計算ミスにより、外部監査を求める声はおそらく強まるだろうと、ディナポリ氏は予想する。9月にFacebookが動画閲覧数の過大報告を認めた際、全米広告主協会(Association of National Advertisers)は、メディア評価審議会(Media Rating Council)の監査を求めていた

9月以降で計算ミスが2度発覚したにもかかわらず、広告プラットフォームとしてのFacebookの有効性に対する信頼は変わらない、とするエージェンシーも複数存在する。

「危険にさらされているのは、プラットフォームへの信頼性ではない」と、シェイファー氏は語る。「マーケターに広告費の使い道の基準を示すことにおける、Facebookの権威ある役割こそが、危険にさらされているのだ」。

Ross Benes(原文 / 訳:ガリレオ)