Amazonの広告事業、いまや 1200億円 規模に拡大

eコマース最大手のAmazonが、公言どおりに広告ビジネスを拡大している。

Amazonは10月26日(米国時間)、2017年度第3四半期決算(9月末締め)を発表した。広告売上がほとんどを占める「その他」の売り上げが前年同期比で58%増え、11億2000万ドル(約1276億円)に達したという(「その他」の売り上げのうち、広告売上を除いた残りのごくわずかは、クレジットカード事業などが占めている)。第2四半期は前年同期比で53%の増加であったため、増加率はわずかに増えたことになる。

比較のためにいえば、Googleの親会社であるアルファベット(Alphabet)が同じ日に発表した第3四半期決算によれば、同社の広告売上は240億ドル(約2.7兆円)だった。また、Facebookは7月26日、第2四半期の広告売上が90億ドル(約1兆円)であったことを明らかにしている。

「おおむね満足できる状態」

Amazonで投資家関係担当責任者を務めるデーブ・フィルズ氏は、「広告の売り上げは急増を続けている」と述べる。「広告事業はおおむね満足できる状態だ。当社の目的は、消費者の役に立ち、消費者がより適切な購入判断を下せるようにすること。(中略)それと同時に、適切なお勧め商品を提示し、消費者にとって押しつけがましい存在ではなく、役に立つ存在になることだ」。

同氏はまた、広告はAmazonの「フライホイール」戦略の重要な要素だと述べている。「サイトに来るトラフィック、一般の顧客、それに『Amazonプライム(Prime)』の顧客に対して、我々は商品の選択を支援できる。また、広告を利用することで、購入する商品をより簡単に決められるようにしたり、より適切な情報を与えたりできるのだ」。

Amazonの従業員数は、大手スーパーマーケットであるホールフーズ(Whole Foods)の買収によって、54万1900人にまで膨れ上がった。この数は、第2四半期には38万2400人、1年前には30万6800人だった。

また、第3四半期には、リアル店舗の純売上高が12億ドル(約1368億円)となった。この売上高が公開されるのは、今回がはじめてのことだ。

「非エンデミック」の獲得が肝

広告事業については、すべての広告フォーマットで四半期ごとに投資を大幅に増やしている。ニューヨーク市で広告製品を中心に2000人のスタッフを募集するなど、人材の獲得にも多額の投資を行っているほか、米DIGIDAYはブランドやバイヤーから、Amazonに関してさらに多くの話を耳にしている。

データマーケティング会社のマークル(Merkle)が最近行った調査によれば、Amazonがもっとも力を入れている広告フォーマットは「スポンサードプロダクト広告」で、広告投資全体の82%を占めているという。ただし、対前期比でいえば、「ヘッドライン検索広告」と「商品ディスプレイ広告」の金額がもっとも急激に伸びているようだ。

Amazonは、プログラマティック広告にも力を入れている。セルフサービス型製品を拡大するとともに、「非エンデミック」と呼ばれる、Amazonで販売していないブランドに自社の広告プラットフォームを売り込む活動を強化して、小売事業への依存度を減らそうとしているのだ。こうした広告製品の売り込み先には、自動車メーカーや無線・有線の通信事業者など、Amazonで商品を売っていないブランドの広告主が含まれている。

Amazonの売り文句

Amazonの売り文句は、広告主に対して、顧客の「購買行動全体」に関する情報を提供できることだ。つまり、人々が検索している商品の情報を、オンラインで購入できる商品の情報と結びつけることができる。そればかりか、増えつつあるAmazonのリアル店舗の情報や、人々が個人で売買した商品の情報とも関連付けられるのだ。

第3四半期決算報告によれば、現在Amazonは米国でリアル書店を12店構えており、さらに店舗を増やす計画だ。また、ホールフーズの買収にともない、同ブランドの店舗を米国で460店以上経営している。

Amazonの第3四半期の純売上高は、前年同期比で34%の増加となる437億ドル(約5兆円)だった。

Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)