Facebook「ミッドロール広告」報道、媒体社からは喜びの声:「我々にとっては絶好のチャンスだ」

プラットフォームの規模が大きければ大きいほど、広告への期待も高まる。

2017年1月9日(アメリカ時間)の月曜日、「リコード(Recode)」は、Facebookが動画にミッドロール広告を挿入可能にし、パブリッシャーは広告収入の55%を還元されることになると報道した。これは、YouTubeの広告収入の還元率と同じだ。米DIGIDAYの取材に応じたパブリッシャーたちは、Facebook動画で確実に収益を生みだすことができる、この新しい動画広告メニューの登場に対して、総じて好意的な期待を寄せている。

好意的なパブリッシャー

「パーチ(Purch)」のイールド&レベニューマネジメントのバイズプレジデントであるマイケル・ハノン氏は、次のように語る。「我々はこのメニューによって、Facebook上でより多くのコンテンツを制作する機会を得た。この広告が実際に利益を生みだすことが証明されれば、パブリッシャーはFacebook動画コンテンツの制作に、より意欲的になるだろう」。

Facebookはこれまでにもパブリッシャーの動画コンテンツをフィード上で推し進めてきたが、動画においての広告収入は期待するほど生み出されてはいなかった。そのため、広範囲のオーディエンスへのリーチを獲得できたとしても、直接マネタイズに結びつかないというパブリッシャーの不安を取り除けなかった。

しかし、2016年からスポンサードの動画広告の投稿を認めたり、ライブ動画のためのリアルタイム広告を導入してきたことで、新しいマネタイズの道が拓かれてきた。「リトル・シングス(Little Things)」のCEO、ジョー・スペイサー氏は、第1四半期までにミッドロール広告が広く浸透するだろうと予測している。

Facebookはノーコメント

なお、Facebookはこのニュースに関してコメントを控えているが、昨年9月、Facebookのパートナシップ事業のバイズプレジデント、ダン・ローズ氏は、「ポインター(Poynter)」に対して、ミッドロール広告の実装を、2017年には通常投稿のFacebook動画にも実装していく予定だとし、今後数カ月において、ライブ動画の広告展開を行っていくと語っている。

「マーケティング・ランド(Marketing Land)」によれば、ミッドロール広告の長さは、最長で15秒。また、「リコード(Recode)」によると、20秒間視聴されており、動画全体の尺が90秒以上のライブ動画に限り、ミッドロール広告が表示される仕組みになっているという。ショート動画を量産して投稿しているパブリッシャーにとって、この広告メニューはその効果を損なうものとなってしまうだろうが、米DIGIDAYが取材したパブリッシャーたちはミッドロール広告がマネタイズの可能性を狭めるとは考えていないようだ。

「PopSugar Studio(ポップシュガー・スタジオ)」のプレジデント、デイビッド・グラント氏は、「20秒後に広告が挿入されることは、我々にとっては絶好のチャンスだ」とコメントしている。

最重要はエンゲージメント

このように、パブリッシャーは好意的にミッドロール広告を受け入れる体制ではあるが、実際に広告が挿入されるとエンゲージメントの低下に繋がるのではという懸念もある。だが、メディアアナリストのレベッカ・リーブ氏は、視聴者が20秒間動画を視聴しているのであれば、その後に広告が挿入されたとしても、最後まで視聴を完了するだろう、と推測している。

ある匿名のソースは、広告挿入の条件となるライブ動画の長さが最小で90秒間というのは、パブリッシャーにより長尺のライブ動画コンテンツの投稿を促すことになるだろうという。USAトゥデイ・ネットワーク(USA Today Network)のデジタル収益事業のシニアバイス・プレジデントのマイケル・カンツ氏は、ミッドロール広告はコンテンツのタイプを変え、多くのパブリッシャーは対応した動画を投稿するようになると考えている。

webinar platform ON24のCMOであるジョー・ハイランド氏は、「Facebookはパブリッシャーに対して、エンゲージメントの高いコンテンツを作らない限り広告は見られないという、非常に明確なメッセージを提示している」と言及し、「クリックよりもエンゲージメントのほうが動画においては重要であるということをFacebookは理解した。エンゲージメントの高い動画コンテンツを作れるパブリッシャーにのみ、利益が生み出されるという、抜かりない広告戦略だ」と話した。

Ross Benes (原文 / 訳:中島未知代)