【一問一答】「アトリビューションモデル」とは?:各マーケチャネルの売上貢献度を見極める方法

アトリビューションが注目を集めています。ROI(投資利益率)をいつも気にしているブランドマーケターにとって、自身が手がけるキャンペーンの有効性の測定――つまり、キャンペーンが実際に売上へ貢献しているかどうかを見分けること――は、常に悩みの種だからです。

でも、世に存在するマーケティングチャンネルの数が急増している昨今、売上の功績を個々のマーケティング手法に落とし込むにはどうすればいいでしょうか? それを分析する「アトリビューションモデル」はいくつも存在します。しかし、それぞれ、一長一短あるようです。

デジタルマーケティングの未来に示唆を与える用語をわかりやすく説明する、「一問一答」シリーズ。今回のテーマは「アトリビューションモデル」です。

――アトリビューションを気にすべきであることは知っていますが、その理由がよくわかりません。

突き詰めると、アトリビューションは、今後リソースをどこに投じるべきかを見極めるうえで有用だからです。アトリビューションの基本は、顧客の購入につながった特定のチャンネルを示すことです。したがって、あるチャンネルがその役目を果たしているのであれば、来年はそのチャンネルにあてる予算を増やす必要があるかもしれません。

――なるほど、それは素晴らしい。これなら、私が抱えている問題をすべて解決してくれそうです。

まあ、ある程度は。たしかにアトリビューションは問題解決のための答えですが、どのモデルが実際に効果を発揮するのかは誰にもわかりません。アトリビューションにはいくつかモデルがあるのです。では、それらを順番に見ていきましょう。

「シングルソース・アトリビューション」はもっとも一般的なモデルですが、同時にもっとも大きな欠陥を持つモデルでもあります。「ラストクリック」や「ラストタッチ」あるいは「ファーストクリック」などとも呼ばれています。基本的にシングルソースでは、コンバージョンに至った顧客が最後(あるいは最初)に広告を見たチャンネルに評価を与えます。

――シングルソースに頼るのは問題がありそうですね。

ええ。でも、ほかのモデルにも問題はあります。「マルチタッチ・アトリビューション」では、コンバージョン経路上には多くのタッチポイント(接点)があると考えます。ですから、購入の決定には、顧客が最後にクリックした検索広告や、Facebookで見たけれどもクリックしなかった広告など、多くの要因が影響する可能性があります。

位置情報SNSアプリの開発を手がけるフォースクウェア(Foursquare)とマーケティングリサーチ会社のニールセン(Nielsen)は先日、スマホの位置情報を活用した新たなアトリビューション指標の確立をめざして業務提携し、実店舗へのフットトラフィックを追跡する方法を探ると発表しました。

結局のところマルチタッチポイントでは、「バイイングジャーニー」とも呼ばれる、コンバージョンに関連するすべての事象が収集されます。このモデルでは、これらインプットの順序がより重要視されます。したがってマーケターは、たとえば、顧客が複数の検索広告を与えられてからでないと、その顧客を動画広告のターゲットにする決断が下せないかもしれません。

このモデルは「リニア(線形)・アトリビューション」の名前で知られている場合もあり、一部のマーケターから「パティシペーション・セティフィケート(参加証券)」と呼ばれています。このモデルでは、プロセスの全要素が均等に評価されます。また「タイムディケイ(時間的価値の減少)」モデルもあり、多くのマーケターに好まれています。このモデルは非常に理にかなっています。というのもタイムディケイでは、時間を遡れば遡るほど、チャンネルに与えられる評価は低くなるのです。

――ほかにもモデルはあると言いましたね。

はい。最後にご紹介するのは、もっとも複雑なモデルです。「フラクショナル(分割)」モデルは多くのタッチポイントが存在することを示し、これらの要因をすべて評価。最終的にこのモデルでは、ほかの手法にある「バイアス」が取り除かれます。完璧とは言えませんが。

「プロバブリスティック(確率的)」モデルは、フラクショナルと同じく、さまざまなタッチポイントを比較します。ただし――これはIAB(インタラクティブ広告協議会)の定義でもそうですが――各事象の価値は、ほかのすべての事象との関連で決定されます。そして価値計算は、たとえコンバージョンが発生しなかったとしても、ほかのすべての事象を考慮に入れます(たとえばある動画広告が、ブーツの販促につながらなくても、膨大な数のFacebookコメントを獲得した場合には、その動画広告の価値は高く評価されるのです)。

――しかし、なぜこれらのモデルが重要なのでしょう?

マーケターがチャンネルの垣根を越えて活動する傾向は強まっており、彼らは何が効果を発揮しているのかを知りたがっています。ブランドの社内で働くマーケターにとって、それはなおさらです。

あるデジタルマーケティングの経営幹部は、米DIGIDAYに対して、「自社サイトで平均以下のROIしか達成していないデジタル活動も、実際には小売にプラスの影響を及ぼしているのだと経営陣を納得させるのに苦労している」と、述べています。つまり、オフラインの売上をデジタルマーケティングによるものと証明することに苦労しているのです。「我々は小売の上昇に関する適合市場調査を行うとともに、デジタル購入前後のブランデッド検索(ブランドネームを含むキーワードによるオーガニック検索)の上昇を示して、動きを明らかにする一助にしている。たとえそれが自社サイトの分析に表れていなくても」。

誰もが証拠をほしがっています。つまりチームは、心のなかで自身の活動に対する評価を求めているのです。

――つまり、大切なのは透明性だと。

ある意味では。しかし、社内の再編も大切です。何が効果を上げているのかを誰もが知る必要があります。そして、正しい行動を取っている人たちは、正当な評価を求めています。コミュニケーションマーケティング会社、エデルマン(Edelman)のレポートに述べられているように、いまブランドは、デジタルに効率と説明責任の両方を求める新たな立ち位置にいます。ただし、それらには従来型メディアの透明性が必要なのです。

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Shareen Pathak (原文 / 訳:ガリレオ)