「デジタルは期待ほど説明責任を果たしてくれない」:VISAの幹部 シブ・シン氏

オンラインマーケティングは、ほかのマーケティング・チャネルとは異なり、説明責任を完全に果たすことができるという大前提があった。追跡データが豊富にあるということは、理論上、何が機能し、何が機能しないかをマーケターたちが知ることができることを意味する。だが問題は、単純にそう言い切れないことだと、VISAのデジタル・マーケティング・トランスフォーメーション担当であるシブ・シン氏は言う。

米DIGIDAYの今週のポッドキャストで、シン氏は次のように語った。「デジタルはそこまで説明責任を果たしてはくれない。我が社の最高財務責任者(CFO)や最高経営責任者(CEO)と腹を割って話し合う場合、デジタルメディア・エコシステムの全体が曖昧でぼやけたものなので、私はバツの悪い思いをする。我々の業界で行われている、広告のビューアビリティー(可視性)やフラウド(詐欺)、異なるプラットフォームにそれ自身のネットワークがあることなどについての会話は、より一層混乱を生じさせた。掛けた費用に対して、どんな見返りがあったかを知ることが一層難しくなっているのだ」。

以下の文章は、ポッドキャストでの会話を少し編集して凝縮したものだ。

デジタルシフトはイノベーションではない

マーケターにとってはここ数年、マーケティング予算のうちどれだけをアナログチャネルからデジタルチャネルに振り替えたかを吹聴することが、自身の革新性を示すひとつの手立てだった。だがシン氏は、それは無意味だという。

「そんなことはまったく重要ではない。マーケティングはパフォーマンス主導でなければならない。そしてマーケターは、自分が使っているすべてのチャネルやプラットフォームを公平な競争の場で見られるようにしなければならない」と、シン氏は指摘する。「デジタルへのシフトは、ちょっとした気分転換に過ぎない。2016年には、主立ったマーケターはすべて、最高の結果をもたらす最適な組み合わせが何かを、すでにキチンと認識し終わっているべきだ」。

アドテクでは「真実を知るのは難しい」

プログラマティック広告へのシフトは、デジタルメディアの世界に途方もない混乱を生み出した。その複雑さとともに、どの費用が誰によって査定されているかや、ほかとの比較でどのチャネルが機能しているかなど、いくつかの側面で透明性の欠如という事態を招いてしまった。

「我々はかなり基本的な課題に直面している。Facebookでの支出、Twitterでの支出、大手パブリッシャーでの支出を、プログラマティックな購入と並べて見比べることはとても難しい。すべてを公平な競争の場で見ていくことは困難を極める」と、シン氏は話す。

だまされることを心配するブランド

デジタルメディアにおける透明性の欠如により、信頼性の問題が生まれている。シン氏は、たちの悪いセールスマンから自動車を買っているような気分になることがよくある、と言う。

「自社のCFOやCEOに対して、広告エコシステムがどんなに透明であるかを説明しようとしたら、彼らは私のことをバカだと思うだろう」と、シン氏は言う。「我々の業界にそれほどの透明性はない。使われた費用がどこに行ったかを知ることは簡単ではない。メディアプラン上で、何を買い、そのうちのどれだけが消費者のところに届いているか、バックエンドでどんな費用が発生しているか、誰がお金を手にするのかを正確に認識することはとても難しい」。

Facebookには計測上の問題がある

Facebookでの広告ビジネスが花盛りだ。Facebookには16億人のユーザーがいるのだから、それも当然だ。だがブランド構築のためには、Facebookの独占的アプローチから生じる問題がいくつかあるとシン氏は見ている。

「壁に囲まれた庭園があるときにはいつでも、独特の計測法が使われるものだ」と、シン氏は指摘した。「それがさらなる混乱を生んでいる」。

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Brian Morrissey(原文 / 訳:ガリレオ)