競合も真似する「ティファニー」のTwitterブランディング術

「我々はTwitterで自分たちのやり方を見つけた」。

高級ブランド、ティファニーのバイスプレジデント(グローバルデジタルマーケティング担当ディレクター)のダイアナ・ホン氏は誇る。「我々にとって面白いプラットフォームだ。ティファニーブランドは、これまでにも言語に関係するカルチャーを作り上げてきたが、我々はTwitterに着目したのだ」。

2016年1月7日現在、ティファニーには約140万人のTwitterフォロワーがいる。前年同期の110万人と比較して30%伸びた。この数は「美しい編集写真」が配信されている同社のインスタグラムアカウントや、オーガニックではなくペイドなソーシャルプラットフォームになったとホン氏が認識しているFacebookページのフォロワー数ほどではない。

ちなみに同社は、eコマースサイトへのトラフィックのほとんどを誘発しているFacebookで、大半の製品のプロモーションを行っている。一方、ライバルのカルティエは、リーチのおよそ3分の1が、31万9000人のフォロワーを抱えるTwitterからだ。

しかし、ティファニーにとってTwitterは価値がある。ブランドニュースをタイムリーに提供し、カスタマーの言葉に反応し、リアルタイムのイベントや文化的瞬間をインタラクティブに紡ぎだす。Twitterは「才気煥発でクレバーなブランドの個性」を描きだす場なのだ。

愛着が強く、反応が早い

マーケティングコンサルティングのエンゲージメント・ラブズ(Engagement Labs)が2015年12月にまとめたランキングによると、ティファニーはラグジュアリーブランドとして、Twitter上でトップに君臨している。

エンゲージメント・ラブズの「eバリューソーシャルメトリックスシステム(ソーシャルメディア価値測定システム)」を用いたライバルとの比較では、Twitter上のティファニーはフォロワーからのエンゲージメントが高く、カスタマーの質問や苦情への反応がもっとも早いアカウントであることがわかった。

また、ティファニーの「#WillYou」というハッシュタグが婚約指輪を選ぶ際に参照として使われており、同社でもっとも反響の多いツイートの代表格になっていることもランキングから判明している。

セレブのツイートは大きな助け

「ティファニーは、自社のオーディエンスと、オーディエンスにとって何がユニークなのかを理解している」と、エンゲージメント・ラブズのブライアン・シーガルCEO。

「ほかのブランドもティファニーを参考にしており、同じような成果を上げているが、ティファニーの方がうまくやっているようだ。ティファニーはリーチと頻度が適切で、クリエイティブなコンテンツを有しているからだ」。

シーガル氏のレポートは、最近、俳優のリーブ・シュレイバーがニューヨーク旗艦店を青いバッグを持って出た写真なども含め、セレブがティファニーのTwitterフィードに高い頻度で現れることも指摘している。セレブがブランドをツイートしてくれるのは「大きな助け」であり、その賞賛がフィードで話題になるとホン氏は話している。

 

ニューヨーク五番街の旗艦店で、この週末、@LievSchreiberが特別なお買い物。

理知的な言い回しでブランディング

ホン氏によると、ティファニーのプロダクトと関係がないツイートが、Twitter上で最高の反響を呼ぶ場合がよくあるという。ウィットに富んだ言い回しを用いたテキストだけのツイートが、もっとも簡単にシェアされる。

実際、過去1カ月で好反応だったツイートの5本中4本までが、そうしたツイートだったとホン氏は語っている。もっともエンゲージメントが高かったツイートは、1月1日に発せられた新年メッセージだった。

 

まばゆい夕暮れの後、2016年最初の日を迎えました。愛と光と祝福に満ちた輝く1年になることを我々は祈っています。

 

月曜を軽んじて、金曜をもてはやすツイートが、似たような反響を生んだ。

 

月曜の「ブルー」は、ティファニーのブルーボックス(買い物袋)だけ許される(休日明けの鬱屈とした月曜日のことをブルーマンデーと呼ぶ)。

 

金曜よ、君は本物の宝石だ。

 

「ブランドとしてのティファニーの意見が、機知に富んでいた時代があった」とホン氏。「Twitterは、そうした時代に我々を引き戻してくれるのだ」。

「今日と明日の戦略は異なる」

これらのタイムリーなツイートは、同社チームが2カ月前から策定しているソーシャルメディアの計画の一部にすぎない。ホン氏は、アートディレクターやプロデューサー、コピーライターやコミュニティマネジャーなどからなる小規模なチームを率いている。

過去1年で、ソーシャル投稿とブランデッド・コンテンツについての意見を一致させるため、同社はコンテンツチームとソーシャルチームが協働する制作戦略に変えた。ホン氏は、オーディエンス増大を目標とし、絶えず反響を計測しているとしている。

「今日の戦略が、明日の戦略にならないと理解しておくことこそが、最高の戦略だ」とシーゲル氏は語っている。

Hilary Milnes(原文 / 訳:南如水)
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