バドワイザー、3億円のコメントへ1200本のビールで謝礼:「スーパーボウル」の広告こぼれ話

デンバー・ブロンコスがカロライナ・パンサーズに24対10で勝利した、2016年のスーパーボウル。第50回を迎えたこの記念すべきゲームで、デンバーのペイトン・マニング選手の勝利コメントが、マーケティング業界で話題になっている。

一度ならず二度までも、スーパーボウルのスポンサーのひとつ「バドワイザー」について触れ、自らの喜びを表現していたのだ。このコメントの効果が、通常どおりにテレビCMを出稿するよりも、ずっと大きなものだったという。

毎年、テレビCMの放映料が高騰することで知られる、この米最大のスポーツイベント。2016年の試合中における30秒CMの相場は、500万ドル(約5億6000万円)にまで跳ね上がったといわれている。

それだけ、スーパーボウルがもつオーディエンスへのリーチ力は凄まじいのだが、試合終了後にインタビュアーから「今後の去就について」の質問を受けた、デンバーのペイトン・マニング選手。次のようなコメントを残した

それについては、ゆっくり考えるよ。まず、やるべきことは、妻にキスすることだね。もちろん、子どもたちにも。家族と喜びを分かち合ってから、浴びるようにバドワイザーを飲むさ。

その後もマニング選手は、演壇上のインタビューでも再度バドワイザーについて言及。「とにかく浴びるようにバドワイザーを飲むよ」と強調した。

この思いもかけない言葉に、驚きながらも歓喜したのが、バドワイザーを生産しているビールシェア世界一のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社(Anheuser-Busch InBev)。同社マーケティングコミュニケーションのヘッド、リサ・ウィザー氏は、以下のようなツイートを行っている。


こんにちは、ネットユーザーのみなさん。念を押しておきますが、バドワイザーはペイトン・マニング選手に、プロモーション費用をお支払いしているわけではありません。我々は彼の行動にとても驚き、多いに喜んでいます。

あくまでウィザー氏は、勝利コメントはマニング選手自身の言葉であることを強調し、感謝の念を表明。また、このお礼として同社は、チームのアフターパーティに50ケース(1200本)のビール(もちろんバドワイザー)を贈ったと明かしている。

エイペックス・マーケティング・グループ(Apex MG)の分析によると、マニング氏のそれぞれのコメントによる広告利益は、160万ドル(約1億8000万円)。2回の言及をあわせて、320万ドル(約3.6億円)となるという。

Text by 中島 未知代