モバイルプログラマティックの現状を示す5つのデータ

モバイルは、デスクトップが担っていた役割をどんどん奪っている。しかし一方で、モバイルに人々が費やす時間と同じ程度、広告支出が増えているかというと、そうではないのが現実だ。だが、これは変わりつつある。

ゼニス(Zenith)の最新広告予測によると、2019年までにモバイル広告はオンライン支出の63%、メディア支出全体の26%を占めるようになるという。これはテレビ以外のレガシーメディアすべてを組み合わせた数字よりも大きい。この数字にはスマートフォンやタブレットで表示されるディスプレイ広告もすべて含まれる。これらの多くはプログラマティック広告だ。さらにモバイル検索、アプリ内支出も含まれる。

モバイルにおけるプログラマティックの伸びは、次のようになっている。

広告支出におけるモバイル対デスクトップ比率

ゼニスのグローバル広告支出レポートによると世界規模での2016年モバイル広告支出は790億ドル(約8.5兆円)と推定された。これはインターネット全体の支出の45%、広告支出全体の15%を占める。2019年までにこの数字は1550億ドル(約16.8兆円)まで伸び、2019年のインターネット全体の支出の64%、全メディア支出の26%を占めるだろうとの推測だ。

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Source: Zenith Global Ad Expenditure Forecasts

 

イギリスではモバイルディスプレイ広告支出は、デスクトップを大きく引き離しつつある。ゼニスによると、2019年モバイルディスプレイ広告の支出は450万ドル(約4.9億円)と、今年の推定360万ドル(約3.9億円)を大きく上回る予定だ。一方でデスクトップのディスプレイ広告支出は今年の推定140万ドル(約1.5億円)から110万ドル(約1.2億円)へと減少が予測されている。

モバイルにおけるヘッダー入札の増加

ヘッダー入札は、もともとデスクトップにおける課題を解決するために作られたものだったが、いまではモバイルにも食い込んできた。モバイルのインプレッションのうちマネタイズされている量は増え続けている。

3月から6月のあいだの増加率を年比較すると、モバイルはデスクトップの2倍の速度で増加していることが分かる。これはパブマティック(PubMatic)の最新四半期レポートによるものだ。このレポートではパブマティックのネットワークにおける何十億ものインプレッションを分析している。同じ時期でモバイルCPMは150%近くも向上している。

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Source: PubMatic

 

「在庫管理を自分のコントロール下に取り戻せるという点で、全体的なヘッダー入札ソリューションがますますパブリッシャーにとって重要になってきている。これはモバイルのビジネスが拡大しているなか、一層顕著になっている動きだ」と、パブマティックのCEOであるラジーヴ・ゴエル氏は言う。

モバイルの成長を促進しているEMEA

パブマティックのレポートによると、マネタイズされているモバイルインプレッションの量はグローバルで見ると、3倍にもなっている。しかし、成長が著しいのは、特にヨーロッパ、中東、そしてアフリカ地域(EMEA)だ。

2017年の最初の3カ月、マネタイズされているモバイルインプレッションは35%も伸びた。これは同時期の昨年度の13%と比べると、その大きさが分かる。アメリカ地域、アジア太平洋マーケットでは同時期の成長は鈍っている。

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Source: PubMatic

人気を高めるネイティブ広告

プログラマティックアドバイザリー(The Programattic Advisory)のレポートによると、英国ではスマートフォン経由のプログラマティック取引においてネイティブ広告インプレッションがもっとも人気の広告フォーマットになりつつある。

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Source: The Programmatic Advisory

 

6月の30日間に行われたオープン取引から在庫を分析した同レポートによると、プログラマティックとして提供されたネイティブ広告インプレッションのうち84%がスマートフォン上だった。スタンダードディスプレイとビデオ形式は、それぞれ48%と51%がスマートフォンとなっている。

根強く存在するモバイル広告詐欺

アプリストアは詐欺アプリがマーケットプレイスに参入するのを防いでいるが、ボットのなかにはそれをすり抜けるものが、まだまだ存在している。広告詐欺はアプリストアに認証されたアプリのなかにも8%の割合で存在しており、認証されていないものでは52%にもなる。これは昨年200億インプレッションをトラッキングしたサイズミックリサーチ(Sizmek Research)のデータによる。

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Source: Sizmek Research

 

詐欺が多いのはiOSよりもアンドロイドだ。サイズミックによると、広告トラフィックの10%は認証されていないアプリから来ている。そのうちの60%はアンドロイド、そして40%はiOSからだ。

Jessica Davies(原文 / 訳:塚本 紺)