GDPR 、広告業界の準備状況を示す4つのチャート

欧州における「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:以下、GDPR)」の施行までわずか半年あまりとなった。広範囲に影響を及ぼすこのデータプライバシー法に備えて、企業はデータの処理や保管の方法の大幅な見直しを実施し、いまは最後の準備に取り組んでいる。データを共有することの価値を顧客に伝え、データの共有は合理的で意味があると思ってもらえるようにするのはマーケターの役割だ。

この記事では、広告業界のGDPRへの準備状況を4つのチャートでみてみよう。

ほとんどのマーケターがGDPRに備えて準備している

米ダイレクトマーケティング協会(Direct Marketing Association:以下、DMA)が9月に197名のマーケターを対象に行った調査によれば、10人に8人以上(85%)のマーケターが、GDPRに向けた計画を実施しているという。ただし、残りのマーケター(15%)はまだ準備をはじめていないようだ。

一方で、差し迫るGDPRへの対応に自信を示すマーケターもいる。とはいえ、その対応がどれほど効果を発揮するのか、もちろん確信を持っているわけではない。同じDMAの調査によると、10人に4人のマーケターが、GDRPの施行後に顧客ニーズへの対応を改善させられると考えている。さらに、回答者の65%が、プライバシー関連法がマーケティング活動の障害になると考えているようだ。

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GDPRに向けた計画を、すでに実施しているマーケターは85%(緑)、実施していないマーケターは15%(赤)

マーケターはGDPRを創造的な機会と捉えている

GDPRの施行に向けてさまざまな調整作業が必要になることから、GDPRはマーケターにとって創造的な機会となる可能性がある。DMAが294人のシニアマーケターを対象に行った別の調査によると、この新しいデータ関連法をキッカケとして、これから5年以内にクリエイティブなキャンペーンが拡大するという考えに、71%の回答者が同意した。

世界の大手広告主はそのようなキャンペーンの拡大に向けて準備を進めていると、世界広告主連盟(World Federation of Advertisers)のCEO、ステファン・レールケ氏は述べている。シニアマーケターたちはいま、世界広告主連盟と協力しながら、人々にデータの共有するよう働きかける説得力のある方法を見つけ出そうとしており、そのためには人々の関心を考慮する必要があると、同氏は語っている。

「いままでと似たような、プライバシーの保護について確認してもらうチェックリストではいけない。データを共有したいと思ってもらえるようなインターフェースを設計する必要があるのだ」と、同氏は言う。

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「新しいデータ関連法は、顧客獲得のためのよりクリエイティブなキャンペーンのキッカケになるかどうか」の意識調査。左の「まったくそう思わない」から右の「強くそう思う」までのなかで、「ややそう思う」(右から2番目)の45.07%が一番多い。

英国の消費者はGDPRで保護される自分の権利を知っている

データソフトウェアビジネスを手がけるユニコム・グローバル(UNICOM Global)の子会社であるマクロ4(Macro 4)が1000人の消費者を対象に実施した調査によれば、企業が個人情報を同意なしに保管していると疑われる場合にデータの返却を求めると答えた人は、回答者の半数以上(52%)に上った。また、39%の回答者が、企業がどのような情報を保管しているのかを知るために、データの引き渡しを求めることを考えると答えている。一方で、4分の1の回答者は、賠償金が得られると思える場合に依頼すると回答した。企業がGDPRに準拠していない場合や、顧客のプライバシーを侵害している場合には、賠償金を科される可能性がある。なお、不快な思いをさせた企業に「仕返し」する目的でデータの引き渡しを求めると答えた人は、5分の1以下(17%)だった。

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英国の消費者はGDPRの施行に先立って、データ共有の規則の厳格化を求めているようだ。一番上から、「企業が同意なしにデータを保管していると疑われる場合に、データの返却を求めると答えた人の割合」は53%。「どのようなデータが保管されているかを確認する目的で、データの引き渡しを求めると答えた人の割合」は39%。「賠償金が得られると思われる場合に、データの引き渡しを求めると答えた人の割合」は26%。「不快な思いをさせた企業に、データの引き渡しを求めると答えた人の割合」は17%。

米国ではGDPRへの準備が進んでいると考えている企業が英国より多い

国際プライバシー実務者協会(International Association of Privacy Professionals:IAPP)とテクノロジーコンプライアンス企業のトラストアーク(TrustArc)が共同で実施した調査によれば、米国では欧州連合(EU)の厳格なデータ関連法への準備が進んでいると考える企業の数が、欧州より多かった。およそ500人のプライバシー実務担当者(欧州と米国の人がほぼ同数含まれる)を対象としたこの調査で、GDPRが2018年5月に施行された時点で準備が整っていると予想した人の割合は、欧州の回答者が72%であったのに対し、米国の回答者は84%だった。欧州の回答者は、予算不足が施行日に間に合わせるうえで最も大きな障害となっていると回答。一方、米国の回答者は、GDPRの法的な複雑さがコンプライアンスの妨げになるとの見通しを示した。

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「GDPRのコンプライアンス要件を満たすうえで最大の障害はなにか?」に関する回答。左の米国は、法的な複雑さ/有能なスタッフの不足/時間のなさ/予算不足/テクノロジーツールの不足 の順で挙げられている。右の欧州連合(EU)は、予算不足/法的な複雑さ/時間のなさ/有能なスタッフの不足/テクノロジーツールの不足 の順だ。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)