「サブリミナル効果」から着想を得た、ソニーの動画広告 〜隠しメッセージでユーザーコミュニケーション

一見したところ普通の動画広告……。しかし一部のユーザーは、ソニーモバイル製のスマートフォン「Xperia Z5」のビデオに、秘密のメッセージが隠されていることに気がついた。

同社のフラッグシップ機となる、この最新モデルにおけるセールスポイントのひとつは、0.03秒という高速オートフォーカスを実現したことだ。そこで、同製品の動画広告を手がけたクリエイティブエージェンシー、CP+B スカンジナビアは、動画の1フレームにメッセージを潜ませることで、この特徴を強調することにしたという。

そして、メッセージを最初に発見した視聴者は、記載されたアドレスにメールを送ると「Xperia Z5」の無料プレゼントを獲得するチャンスを得られるのだ。これが、このプロモーションの全容である。

人々の反応は非常に速かった

ソニーモバイルで北欧エリアのブランドコミュニケーションを担当する、マルティナ・ヨハンソン氏は、「我々の顧客には、創造的で好奇心旺盛な人々が含まれている。だから、なるべく彼らを刺激する方法で新機能を紹介したかった」と、米DIGIDAYに語った。

ビデオが公開されたのは11月18日。ソニーからは本件について、ヒントが提供されることはなかったものの、人々の反応は非常に速かった。一番最初にソニーへメールを送り、見事「Xperia Z5」を獲得したのは、ティナ・モーエン・エングさんという女性だったという。

英国では新しいジェームズ・ボンド映画『007 スペクター』を題材とした「メイド・フォー・ボンド」キャンペーンを展開。それと同様に『0.03秒メッセージ』も、ソニー「Xperia Z5」のグローバルキャンペーンの一環と位置付けられている。オーディエンスはメッセージ探しを楽しみながら、このスマホのオートフォーカスの速さを知ることができるのだ。

サブリミナル効果とは狙いが異なる

CP+Bによれば、この隠しメッセージは、1950年代にマーケットリサーチャーのジェームズ・ヴィカリ氏によって実施された、悪名高い「サブリミナル効果」実験に着想を得たという。これは「コカ・コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」といったメッセージを映像の1フレームに紛れ込ませ、視聴者の潜在意識を刺激する手法として、よく知られている。

CP+Bのアートディレクターであるマックス・ハルトベルグ氏は、「我々はここからインスパイアを得たが、人々の無意識に訴えるためではなく、『Xperia Z5』の機能を見せるために、オートフォーカスの速さと同じくらいほんの一瞬のフレームを追加したのだ」と述べた。

ソニーはこの動画の反応に気を良くし、より多くの動画で同様のキャンペーンを実施することを計画しているという。それらには同様にイースターエッグが仕込まれ、ソーシャルプラットフォームで注目を集めることが期待されている。ソニーモバイルのヨハンソン氏は、「消費者に対するブランドコミュニケーションは、楽しく、そして興味深いものでなければならない。我々はそれを理解している」と語った。

written by ワタナベダイスケ(参照記事