マーケターへ推奨する「アドテック東京2016」の歩き方:今年の傾向&見どころ

デジタル人材の不足は、いままで以上に深刻度を増している。

企業のマーケティング担当者と話をしていても、課題として上がるのは「デジタル分野の人材育成」についての話題が多い。外部採用や社内での教育などに力を入れたいとしながらも「3〜4年で部署異動がある」ことがネックとなる企業も少なくないという。

また、日本の人口減少に伴って、海外に進出する企業がますます増加するなか、マーケティング部門もそれに積極的に関わり、グローバルな対応が求められてきた。それとは逆に、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向け、インバウンドな注目が高まるこの機会を、どうビジネスに活かしていくのかという課題もよく聞こえてくる。

9月20日(火)・21日(水)の2日間に渡って、東京国際フォーラムで開催される「ad:tech tokyo2016(アドテック東京2016)」は、「Still there?(まだそこにいるの?)」がテーマだ。前述したような課題を抱き、大きな転換期に差し掛かっているマーケティング業界にとって、どのようなヒントを見つけられるだろうか。

注目したいセッションを4つのカテゴリーに区切って紹介する。

1.コンテンツの重要性とその制作プロセスを知る

北米コカ・コーラは、デジタル、スポーツといったコンテンツを活かしたマーケティング施策を数多く手がけてきた。その担当者だったエマニュエル・セウジ氏は、顧客にとって価値あるコンテンツを届け、ブランドとの結び付きを強くすることに長けている。同氏はつい先日、それらの経験を活かして起業。まさに「一箇所にとどまらず進化し続ける」ことを自ら実践してきた。コンテツの活かし方のみならず、そうして培ったスキル・経験を踏まえて次にチャレンジしていくためのマインドについて言及されると思われるキーノートは抑えておきたい。

ユーザーから支持されるコンテンツにも、さまざまな形がある。それらを作るための企画・アイデア、発想に関する現場を垣間見ることは少ない。今回のアドテックでは、コンテンツ企画について、制作者の発想・思考回路を知る機会が設けられている。広告主側であり、クリエイティブディレクターでもあるエステーの鹿毛康司氏によるモデレートのもと、ライター8人がその場で「お題」に応えて企画を考える「大喜利」形式のセッションだ。新しい試みとして、注目といえるだろう。

2.海外に向けたマーケティング施策のヒント

訪日外国人観光客による国内消費が活性化しているが、それを「一過性」に終わらせないための取り組みについても企業の関心が高まってきた。彼らの来日前、来日中に、商品・サービスに対する興味関心を高める情報接触方法についてのインフォメーションが求められている。

その意味で、中国を中心に、月間ユニークアカウント数が7億以上といわれるメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」を手掛けるテンセントのVP、スティーブン・チャン氏のキーノートは要注目だ。同社はつい先日、日本企業向けに、訪日中国人旅行者に対して、旅行前に情報発信ができるサービスを発表したばかりだ。最新の情報を得るには最適のタイミングといえる。

公式セッションのD-4のタイトルは『「爆買い」から「リピート」へ! これからのインバウンド施策と越境EC』。インバウンド施策はもちろん、そこで商品・サービスに触れた観光客へ帰国後にどうアプローチするのかについてもディスカッションされる。特に目を引くのは、中国、東南アジアのEC施策を支援している企業に加え、そうした国をまたいだブランド施策に取り組みはじめた資生堂ジャパンが登壇することだ。越境ECに取り組みはじめたばかりの企業や、これから取り組もうとする企業にとって、数年後に目指すべき姿を垣間見れるはず。

「日本が世界に出ていく」ための心構えについては、自ら世界各国をまわり、日本の伝統文化を海外に紹介する活動を行っている、中田英寿氏のセッションも見応えがありそうだ。インターネット業界を黎明期から支え続けているGMOグループの熊谷正寿氏と、企業がブランドの強みを深く理解し、その魅力を海外へ効果的に発信することについて対談する。

3.最新のテクノロジーの可能性と信頼性

研究段階から実用段階へと、ものすごいスピードで発展しているテクノロジー。それをより効果的なマーケティングへいかに活用するかは、先を見据えて企業戦略を立案するうえで欠かせない。CMOをはじめマネジメント層からは、そのような課題がよく聞かれる。今回、そうしたテクノロジーの『可能性』だけでなく、いちはやく具体的な取り組みを行っている企業が登壇。シャープで、世界初のモバイル型ロボット電話「RoBoHoN(ロボホン)」の企画を手掛ける景井美帆氏、歯みがき×IoTの「G•U•M PLAY(ガムプレイ)」の企画開発や事業開発を行うサンスターの松富信治氏が、事例に基づいて、テクノロジーがマーケティングにもたらすものについて語るという。

テクノロジーが進み、位置情報、購買データ、サイト閲覧データなど、さまざまなデータを使ってユーザーにアプローチできるようになってきた昨今。その反面、過度なターゲティングによって、コンテンツなのか広告なのか判別しにくいといった課題も出ている。それらを解決し、ユーザーの信頼を得ることの重要性も高まってきた。業界を牽引する企業、LINE、ヤフー、DAC、そしてJIAA(日本インタラクティブ広告協会)のキーパーソンが登壇する、ネット広告業界が健全に発展し続けるために必要なことについてのディスカッションは見逃せない。

4.セッションテーマ・来場者も多彩、現役マーケター180人が登壇

カンファレンスのテーマはテクノロジーにとどまらない。昨今、行政や企業の対応が注目を集めるLGBT市場について、その特徴とこの先のポテンシャルについて話し合うセッションや、スポーツやエンターテインメントの分野から、ファンとの「絆づくり」のヒントを得るといったものまで、多岐にわたっている。 

また今回のアドテックでは、最新情報に触れつつ基礎も学べる場となる「Basic Track(ベーシックトラック)」が設けられていることも特徴だ。数年単位で部署異動のあるクライアント企業担当者には、役に立つ内容となりそうだ。

展示会場にも100を超える企業がブースを出展。「いま解決したい課題に関するヒント・企業」が見つかりそうだ。新しい企業では、先ごろ上場を果たしたLINEが、会場内に2カ所ある「プレゼンテーションステージ」のうちの1つを2日間使って、セミナー・プレゼンを行うという。また、もうひとつのプレゼンステージでは、20日(火)に1日中Facebookのセミナーが行われる。出展企業では、10~20代女性に向けたメディアとして急成長しているキュレーションメディア『MERY』を展開している株式会社ペロリが初出展するようだ。

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Text by DIGIDAY[日本版]編集部
Photo by Haya_BS(Creative Commons)

※DIGIDAY[日本版]は、「ad:tech tokyo2016(アドテック東京2016)」のメディアパートナーです。