吹雪を狙い撃て! ペルノ・リカールの柔軟なメディアプラン

3月中旬、アメリカ東海岸を吹雪が襲うという予報が報道され、人々は食料品や水の買いだめに駆け回った。酒造メーカー、ペルノ・リカール(Perno Ricard)はその機会に、吹雪で自宅にこもっているあいだはアルコールも必要であることを消費者に認知させようとした。

彼らは吹雪の直前の3月13日に、カスタマイズのメディアバイイングを設定した。ニューヨークやワシントンD.C.といった10のローカル市場が悪天候に見舞われるのに合わせて、消費者に商品のセールやカクテルのレシピ広告をターゲット配信したのだ。

このプログラムには彼らの4つのブランド、アブソルート(Absolut)、ジェイムソン(Jameson)、グレンリヴェット(The Glenlivet)、そしてカルーア(Kahlua)が使われた。Facebookとインスタグラム上でのペイドコンテンツ、またGoogleでの有料検索を使って消費者にターゲットを絞ってリーチ。コンテンツはアルコール配達サービス・ミニバー(Minibar)の利用を促すものでもあった。これによって吹雪の前に消費者がアルコールの配達を注文するように誘導したのだ。

「私達の商品カテゴリーは非常に規制の多い分野だ。そのためデータを使ってマーケティングを行うことはまだ新しい試みでもある。狙いはデータを使って購入までの消費者のエンゲージメントをより良い形にもっていくこと、そして我々の商品を買う新しいチャンスを提供すること」と語るのは顧客計画・スピリッツマーケティングのバイス・プレジデントであるティム・マーフィー氏だ。

メディアプランの具体内容

今回のメディアプランの元となった分析は実にシンプルだ。悪天候になると消費者はアルコール商品を買い込む傾向にある、というものだ。これは360iの社長のジャレッド・ベルスキー氏が述べている。360iはペルノ・リカールの今回のメディア策略を開発した。360iによるリサーチだけでなく、ミニバーが以前行ったキャンペーンでも同様の分析結果が見られている。悪天候のあいだはスピリッツの売上が上昇するのだ。

このバイイングは21歳以上の消費者をターゲットに行われ、ブランド名だけでなく何百もの関連キーワードによって発動するように設定された。「大雪」や「極寒の雨」「みぞれ」「暴風」そして「嵐」といったものがキーワードに並び、たとえば、誰かが「ウィスキー配達」や「冬のカクテル」とGoogle検索すれば彼らの広告が現れたという。

第1の目的はペルノの商品売上を伸ばすこと。しかし、このキャンペーンにおけるクリエイティブは天候を意識して制作された。たとえば、Facebook上でのカルーアの広告コピーは「雪の日は誰だってホワイト・ルシアンを飲むだろ。そうだよね?」。

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「オンラインでアルコールを購入することは比較的新しい消費者行動だ。そのため、我々は個々の状況を中心に据えたエンゲージメントで購入を促すことにフォーカスしたかった。従来的なブランド中心のエンゲージメントではなく。カクテルの画像はファッション写真と同様、見せることが大事だけれど正しい文脈で見せないといけない」と、マーフィー氏はいう。

購入を促す最適なチャンス

ペルノは消費者のエンゲージメント向上だけを狙ったわけではない。ミニバーを通じての売上増加も当然狙った。エンゲージメントの指数をレポートするにはまだ早すぎるとしながらも、3月13日の月曜日におけるミニバー上での売上は、平均的な月曜日と比べて126%も増加したと、マーフィー氏は語る。2月にも同様のプログラムを実施。2月10日からの吹雪の2日間、それぞれ37%と32%の増加という結果になったという。

今回の成功を受けて、ペルノ・リカールはシカゴ、デンバー、インディアナポリス、ミネアポリス、ニューヨーク、ワシントンD.C.において今後数カ月のあいだ、天候をベースにしたメディアプランを継続することにした。

ベルスキー氏は「オンラインでのスピリッツの購入(行動)を促す最適なチャンスを悪天候は提供してくれる。アルコールも含めて、誰もが買いだめをしようとする。そして、誰も家を出ようとしない」と、話した。

TANYA DUA (原文 / 訳:塚本 紺)