「重要なのは、支出分の対価を得ること」:デジタル広告費を節約したユニリーバの考え方

2014年、世界でもっとも大きなマーケターのひとつでもあるユニリーバは、広告のビューアビリティに関するルールの見直しを発表した。

市場で最新のプログラマティック広告戦略を実施している、大手家庭用品メーカーのユニリーバ。広告キャンペーンの設定やサポートをするトレーディングデスクの管理を行っているのは、ユニリーバが契約しているエージェンシー、マインドシェア(Mindshare)だ。

イギリスとアイルランド市場のメディアディレクターだったサラ・マンズフィールド氏は、2015年のはじめにヨーロッパとアメリカ大陸のグローバルメディア部長に昇進。現在、ロッテルダムに拠点を構え、ヨーロッパとアメリカの行き来に忙しい毎日を送っている。

米DIGIDAYは、そんな同氏の移動中に取材することができた。

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仕事における一番のチャンレンジは?

このグローバルな世界で、メディアやデジタルまでもがローカライズされているのには驚いている。ラテンアメリカやほかの途上国のマーケットは、いわゆる先進国のそれと比べて異なった特徴をもっているが、我々、先進国のマーケットのノウハウを途上国に反映することは可能だし、その逆も起こり得る。

なぜユニリーバは、ビューアビリティに対して強いスタンスを保つのか?

デジタルで私たちが重要視していることは、支払った分だけの対価を得るということ。画面に広告の全体が映しだされなければ、広告の可視性が高いとは私たちは思えない。私たちがこの発言をしたことによって、業界のサポートを得ることもできたし、この問題は勢いづいている。メディアを所有する多くの企業が討論の場をもっているので、道のりはまだ長いが正しい方向に向かっていると思う。私たちはIAB(インタラクティブ広告協議会)が基準を見直してくれることを望んでいるのだ。

ビューアビリティー見直しで、どれくらいの支出を抑えられたか?

最近は際立って出資を抑えられている。支払うすべてのお金が、最適に使われているかを確かめるのが私の責任だ。インプレッションのかさ増しは詐欺と同じだと思う。誰にも見られていない広告インプレッションへお金を支払いたくはない。支払った金額の対価を得るのは当たり前だからだ。

ユニリーバは企業が所有するトレーディングデスクを取り入れた初の企業だ。どのような経緯があったのか?

プログラマティックは、リアルタイムに関連性の高いメッセージを顧客へ配信する大変良い機会となっている。そのようなことができるのも、サードパーティーデータと我が社のデータの両方を活用しているからだ。そして、社内のデータ管理システムを通してターゲティングが可能となり、インプレッションに支払った金額の妥当性も確保できるようになった。

こうしてインプレッションの固定価格から逃れられるようになったことで、それぞれの広告のインプレッションごとに、独自の価格を設定することができる。それが、私たちがプログラマティックで行いたいことなのだ。価値のあるオーディエンスに、正しい価格で正しいコンテンツを届けたいと思っている。

ほかに重要視している分野は?

コンテンツも私たちは重要視している。ブランド企業はよりパブリッシャー化しているからだ。今後は、ユーザーの行動を中断させるだけの広告ではなく、ユーザーに行動を働きかけるような、エンゲージメントを求める広告を制作していくことがカギだ。

アドブロックの問題もあり、それは危険なようにも思えるが、心配はしていないのか?

私たちもアドブロックの問題は注視している。アドブロック問題による直接的な影響はまだ受けていないが、ブランド企業はカスタマーエクスペリエンスを改善する良い機会として見るべきだ。これによって業界にも変化が起きるが、良い変化になることを期待する。

Jessica Davies(原文 / 訳:BIG ROMAN)
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