インフルエンサーマーケティングの現状:要点まとめ

インフルエンサーの存在感が、ますます増している。

そんなふうに、インフルエンサーマーケティングに流れ込む資金が増える一方、業界には多くの混乱とともに疑問も生じてきた。「ソーシャル界のスターはどうやって報酬を得るのか?」「ブランドは投資対効果(ROI)をどの程度測定できているのか?」といった疑問だ。

さまざまな情報源によると、どちらの疑問も現在のインフルエンサーマーケティング業界においてホットなトピックだ。主要な関連資料から、現状を把握できる要点をまとめてみた。

現状の要点

  • フォロワー数は依然として、ソーシャル界のスターの「インフルエンス(影響力)」を測定する基準として信頼されているが、フォロワー数が比較的少ないインフルエンサーがより多くの報酬を得ていることもある。
  • インフルエンサーマーケティングに使われるプラットフォームの第1位はインスタグラムだ。ソーシャル界のスターたちは、活動の場をSnapchat(スナップチャット)やTwitterからインスタグラムに移している。
  • インスタグラムで活躍するソーシャル界のスターの中で、旅行を専門とする人の収入がもっとも多く、ビジネスを専門にする人の収入がもっとも少ない。
  • ある大手ブランドはコントロールの欠如を懸念しているが、ソーシャル界のスターの大半は、企業から言動を指示されることを望んでいない。
  • インフルエンサーマーケティングを利用するマーケターにとって最大の課題は効果測定だ。

現状を示す数字

  • 5億7000万ドル(約635億円):世界でこれだけの金額が2016年、インスタグラムでのインフルエンサーマーケティングに費やされたと、調査会社のeマーケター(eMarketer)が報告している。
  • 78%:マーケター170人の8割近くが、ROIを判定することはインフルエンサーマーケティングにおける最大の課題だとしている。インフルエンサーマーケティング企業、リンキア(Linqia)が実施したアンケート調査の回答から。
  • 5000ドル~1万ドル(約50万〜100万円):50万~100万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーが、各種ソーシャルプラットフォームに投稿した場合に得る報酬の範囲。インフルエンサーマーケティングテック企業ハイパー(Hypr)による調査から。
  • 89%:米国のマーケター208人のうち9割近くが、インフルエンサーをインスタグラムで見つけている。次に多いのはFacebookとTwitter(いずれも70%)。インフルエンサーマーケティング企業のシュート(Chute)による調査から。
  • 70%:400人のインフルエンサーの7割が、SnapchatとTwitterの利用を休止し、ほかに注力していると回答。インフルエンサーエージェンシーのコレクティブバイアス(Collective Bias)によるアンケート調査から。
  • 1405ドル(約15万円):インスタグラムで100万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーが、スポンサー付き投稿で得る対価の平均額。マーケティング企業のインフルエンス(Influence)が2017年、インフルエンサー2885人を対象に実施した調査から。

エージェンシーの見解

インフルエンサーマーケティングに関して、マーケターは測定という大きな課題に直面する。だが、コレクティブバイアスでマーケティング・コンテンツ担当シニアバイスプレジデントを務めるホリー・パブリカ氏によると、マーケターは間違った指標を見ていることが多いという。たとえば、リーチとエンゲージメントは同じではない。

「さらに、マーケターが測定しているものはバラバラだ」と、パブリカ氏は指摘する。「重要なパフォーマンス指標は、CPM(インプレッション単価)からインプレッション、総合的な媒体価値、売上増まで、至るところにある」。

シュートのセールスマーケティング担当バイスプレジデント、ジョディー・ファラー氏は、測定や追跡の方法は改善しているが、インフルエンサーマーケティングを実施した際にROIを正確に測定することは、多くのマーケターにとってまだ大きな課題になりうると考えている。「そのせいで、『協力してもらったインフルエンサーにどれくらい支払うべきか?』といった疑問に答えることが、ますます難しくなっている」と、ファラー氏は語る。

将来の展望

エージェンシーの幹部らによると、インフルエンサーマーケティングは成長を続け、ソーシャル界のスターはプラットフォームとしてインスタグラムへの注力を強めるという。ただし、インフルエンサーマーケティングに投資しているブランドは、考え方を変える必要がある。多くのマーケターがソーシャル界のスターを活用した大規模な販売促進を望むが、インフルエンサーマーケティングはそうした用途には向かない。そう指摘するのは、アーノルドワールドワイド(Arnold Worldwide)のソーシャルコンテンツシステム担当エグゼクティブバイスプレジデント、ブライアン・バビノ氏だ。

「インフルエンサーマーケティングは、想定されたほど急速に進化しているわけではない。というのも、多くのブランドが、マーケティングミックスにおける自身の役割を理解していないからだ」と、バビノ氏は語る。「インフルエンサーマーケティングは異なるプロダクションモデルなのに、メディアチャンネルとして扱われるケースが多い。将来のインフルエンサーマーケティングは、コンテンツ制作の発想に基づいて構築されるべきだ」。

Yuyu Chen(原文 / 訳:ガリレオ)