一晩で5万再生! 新人アイドルPVのイマーシブ感がスゴい:リリカルスクール「RUN and RUN」

この記事はぜひともスマートフォンで、できればiPhoneでご覧いただきたい。

2016年4月5日、キングレコードに所属する新人アイドルグループのlyrical school(リリカルスクール/通称:リリスク)がVimeoで公開したミュージックビデオが話題となっている。これは、来る4月27日に発売される、同グループのメジャーデビューシングル「RUN and RUN」のプロモーションだ。

注目すべきは、昨年末に「C Channel」でシンガーソングライター秦基博氏がチャレンジしたように、スマホ閲覧に特化したタテ型動画になっている点。さらにその体験を「究極のイマーシブ(没入)体験」といえるほどに高めているところだ。

たった一晩で5万再生

そのアイデア満載のクリエイティブのおかげで、各種ネットメディアやソーシャルメディアにおいて、広く拡散された。たった一晩で、5万再生もされているほどだ。

まずは、当該のビデオを見て欲しい。

さながら、iPhoneをめぐるUIのオンパレード。PVを見ているだけなのに、まるでウイルス感染したかのように、自分のスマートフォンがジャックされたように感じる。しかも、驚くべきことは、この撮影すべてがスマートフォンで成されたということだ。各種メディアのコメントを以下にまとめる。

まるで自分のスマートフォンがジャックされ勝手に操作されているような感覚になる、驚きのMVに仕上がっている。
ーー音楽ナタリー

スマホで見れば、そのすごさがわかる。
ーーハフィントンポスト日本版

前代未聞の縦型MVに、Twitterでは「RUN and RUN」がトレンド入りするほどの話題を集めている。
ーーKAY-YOU

先駆者は安室奈美恵か?

だが、こうしたスマホ特化型のミュージックビデオは、日本においては安室奈美恵が先駆者だろう。ちょうど、1年前となる5月26日にYouTubeで公開された「Golden Touch」のPVは、クリエイティブ的にさらに洗練されたものとなっている。

オーディエンスの指を画面に置くよう誘導し、それに対してさまざまなエンターテインメントを展開。通常、安室のビデオはYouTubeにおいて、200万再生が平均的だが、このビデオは現時点で1200万回も再生されている。

しかし、惜しむらくは、タテ型動画になっていない。スマートフォンを一度横に倒すというワンアクションが、少々もったいなさを感じさせる。1年前だと、しょうがないのかもしれないが。

脱出ゲームという事例もある

また、スマホに特化した音楽プロモーションでは、2013年にリリースされた「マヂヤミ彼女」というアプリも記憶に残っている。これは、無料ゲームで人気のカテゴリ「脱出ゲーム」の体裁をとったアプリで、スマホのUIを模したシーンもあり、「没入感」という意味では、背筋が凍るほどのものを味わえる。

あえてネタバレすると、インディーズミュージシャンのミオヤマザキ氏のプロモーションというオチだったが、当時は大きな話題となった。ただしアプリだったこともあり、その広まり方は、かなり緩やかなものだったという印象がある。

1980年のバグルス「ラジオスターの悲劇」で歌われたように、ビデオは音楽プロモーションにおいて、大きな役割を果たしてきた。だが、ネットが普及し、YouTubeをはじめ動画サービス全盛のいま、その形も大きく変わりつつある。

Written by 長田真
Image from lyrical school / RUN and RUN 特設サイト