パンケーキの垂れ流しFB「ライブ動画」が38万回再生!?:朝食チェーン「アイホップ」のソーシャル戦略

去る2016年6月9日、朝食チェーン「アイホップ(IHOP)」は、はじめてFacebookの「ライブ動画」を利用して、新作の「パラダイスパンケーキ」をプロモーションした。3本シリーズの動画に映っていたのは、ビーチに置かれたテーブルの上のパンケーキだけ。にもかかわらず、合計で38万5000回、延べ17万1000分も再生され、アイホップのソーシャルビデオとしては過去最高のパフォーマンスを記録したという(下記は3本シリーズ中の1本)。

「すぐれたコンテンツの新たな場をうまく使ったことで、巧みで没入感があり記憶に残るキャンペーンになった」と、アイホップのマーケティング部門シニアバイスプレジデント、カーク・トンプソン氏は語る。「パンケーキに注目を集めただけでなく、我々のブランドボイスを示し、オーディエンスにエンゲージして交流することもできた」。

ネタを被せる戦略

それだけではなかった。ライブストリームの最中、もっともファンの興味を引いたのは、ひげの男が突然フレームインし、パンケーキを一口食べて、すぐに姿を消した瞬間だった。アイホップが6月16日のFacebook投稿で360度写真に「ひげの男」を再登場させると、こちらも3000以上のリアクションをたたき出した。

#BeardGuy(ひげの男)が、新作のパラダイスパンケーキとともに戻ってきた。何皿あるか数えてみてね。(スマホを傾けて動かすと左右を見渡せるよ!)

トンプソン氏によると、IHOPの最近のキャンペーンは、ブランドの全体的なソーシャルメディア戦略と連動しているという。その戦略とは、つねに「適切な場所で、適切なやりとりを、適切な方法で」行う、というものだ。

最新技術をいち早く

ソーシャルメディアは従来のチャネル(印刷媒体、ラジオ、テレビなど)の補足に過ぎず、常にそれが出来ているわけではないことは、トンプソン氏も認める。しかし、過去1年半を見ると、アイホップはFacebookのライブ動画や360度写真などの最新ソーシャルツールをいち早く取り入れてきた。他社が様子見しているのとは対照的だ。

たとえば3月の「ナショナルパンケーキデー」には、ソーシャル作戦司令室を担当エージェンシーMRM//マッキャン(MRM//McCann)のニューヨーク本社内に設置し、ソーシャルメディア上のトレンドを一日中モニターして、それに応じたリアルタイムコンテンツを制作。こうして、Doge風(ネットスラングで「犬」:参考記事)のパンケーキ画像などが作られた。

今年に入ってSnapchat(スナップチャット)がスポンサードジオフィルターを開始した際も、アイホップはすぐさまこれを利用して、アイホップ店内にいる顧客をターゲットに、Snapchat画面にアイホップのオリジナルのフィルターをかけた。1月には、インスタグラムの投稿にハッシュタグ「#Panuary」「#Entry」をつけて、パンケーキ好きに早食い大会への参加をよびかけた。パンケーキアーティストのネイサン・シールズ氏に依頼して、ファンの写真をもとにTwitter上でリアルタイムで「似顔絵パンケーキ」を披露したこともある。

人々の生活へ浸透するために

オーディエンスとのエンゲージメントやソーシャルメディアにおけるフォロワー数の増加はアイホップにとって喜ばしいことだが、最終目標はパンケーキを売ることであり、その成果も上々だ。調査会社テクノミック(Technomic)によれば、アイホップの総売上は過去1年で8.1%増えたが、ライバルのデニーズ(Denny’s)は4.1%しか増えていないという。この成長を維持するため、今後もソーシャルメディアに目を向けて、人々の日常生活のなかに浸透していきたいと、トンプソン氏は語る。

「言わせてもらえば、我々はライフスタイルブランドだ。創立58年を迎え、人々の日々の朝食や特別なお祝いの場として、何十年もやってきたのだから。ライフスタイルという言葉はいまや濫用されているが、それでも、人々のライフスタイルの活力ある一部分であり続けることは、我々にとって健全かつ重要なことだ」。

Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)