成功事例が相次ぐ「インスタ広告」 〜広告レスポンス率は、Facebookの3倍との調査も

インスタグラムが2013年にスポンサード投稿を開始してから1年半。2015年の夏には、カルーセル広告および動画広告もリリースした。ハイクオリティなクリエイティブを通した訴求力に期待が高まり、ブランド企業が殺到している

2018年までに全米のインターネットユーザーの3分の1が、同サービスを利用するという予測もされているインスタグラム。さまざまなブランドの広告が雪崩を打つなか、効率的に広告効果を得る方法が検討されている。

ベンツなどがインスタ広告を開拓

インスタグラムは、掲載する広告に「今すぐ買う(Shop Now)」「もっと知る(Learn More)」などのCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンや、カスタムターゲティングを採用。さらに2015年8月、APIをすべてのブランド企業に開放し、大小にかかわらず多くのブランド企業の参入を促した。

メキシカン・ファストフード・チェーンのタコベルや、メルセデス・ベンツ、ギリシャヨーグルトブランド「CHOBANI(チョバーニ)」などが、スポンサード投稿を実施し、パイオニアとして実験を重ねている。タコベルの場合、2015年4月に新しい朝食メニューをインスタグラムで発表。「広告を見た」と店頭で申請すれば、ユーザーポイントを提供するキャンペーンを展開した。ベンツは「GLA」という新しいコンパクトSUVについて、2014年秋にFacebookと連動して広告を展開したところ、自社サイトへのアクセスが580%増となったという。

一方、CHOBANIはブランドの認知拡大の手段としてインスタグラムを頼った。「有料のスポンサード投稿は、良いコンテンツ配信にとって必須の手段と断言できる。ユーザーの悪ふざけを容認しないからだ」と、CHOBANI最高マーケティング責任者ピーター・マクギネス氏は語る。「だからこそ有料配信は、創造性を求められる」。

「多様化」する広告主

2015年6月、インスタグラムとニールセン、ニールセン・ブランド・エフェクトの3社が発表した共同リサーチによると、500近いオンライン広告キャンペーンの平均的な広告想起(アド・リコール)率と比較して、インスタグラムのスポンサード投稿は2.8倍も高かった。また、ソーシャル分析企業のシェアラブリーが最近発表したデータでは、インスタグラムの広告は、FacebookやTwitterのそれよりも、カスタマーのレスポンス率が3倍も高いと結論づける。

API公開以降は広告主に多様性が出てきた。宝石メーカーのベラッジオから、オークションで購入できるフランス系ファストファッションのRad.co、ワイン購入サービス会社のクラブ、デート・アプリ「Happn(ハップン)」など、ありとあらゆるカテゴリーの広告がインスタグラムを賑わす。

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フランス系ファスト・ファッションRad.co(左)、デートアプリHappn(右)のスポンサード投稿。
API公開以前は広告出稿が難しかったブランド企業が目立つ。

「我々と同様に、あらゆる点で素晴らしいプラットフォームだ。そのコミュニティでの接続率は大変高くて、都会的で質の高い経験や最新のトレンドを注意深く探すのにうってつけだ」と、アプリ「Happn」のメディアリレーションズ責任者のマリー・コースナルド氏は語った。

1カ月間に渡りインスタグラムで広告を配信したところ、パリやロンドンやロサンゼルス、サンフランシスコやサンパウロで300万人以上のユーザーに閲覧されたという。アプリのダウンロードやユーザー登録につながった割合は84%に達した。

他フォーマット超える広告効果か

Rad.coでも同様の取り組みを実施した。「純然たるネイティブなスタイルで、エンゲージメントを最大化できた。それが目標だったのだ。ターゲティングやオークション、登録・購入のようなコンバージョン機能をもたせ1000人当たりの広告費用を最適化するレイヤーを追加すれば、さらなる飛躍となるだろう」と、同社のデジタルマーケティング責任者である、ジェレミー・インカオーア氏。

広告代理店キャンベル・エワルド社にて、デジタルメディアディレクターを務めるデビッド・スペンサー氏は「適切な配信をすれば、インスタグラム上での広告は、さり気ない自然な形で訴求力のある写真とブランドイメージを統合してくれる」と語る。「向こう半年で、広告主がどのようにしてインスタグラムのオーディエンスとエンゲージするか、楽しみだ」

マーケティング・リサーチ企業eMarketerが7月に発表した予測(上図)によると、インスタグラムの世界全体におけるモバイル広告売上は2015年に5億9500万ドル、17年には28億ドルに達するという。同社を保有するFacebookの広告売上の10%以上を満たすことになる。

このレポートでは、同業他社との競争を強いられるものの、ブランド企業は深くインスタグラムに関心を抱いており、同社のモバイル広告の未来は明るいと、結論付けていた。

Tanya Dua(原文 / 訳:南如水)