ハイアットCMO「自動化には負の側面がある」

ホスピタリティ向上のための人工知能(AI)活用が、9月下旬のニューヨークで開催されたスキフト・グローバル・フォーラム(Skift Global Forum)にて、大きな話題になった。高級ホテルチェーン大手ハイアット(Hyatt)は自動化を模索してはいるものの、人間のホテル従業員をロボットに置き換えようとは考えていないようだ。米DIGIDAYは、同社グローバルCMO(最高マーケティング責任者)マリアム・バニキャリム氏に、自動化、民泊、Amazonに関する展望を聞いた。

――ロボットは将来、コンシェルジュに取って代わるだろうか?

新しい技術でさまざまなことが可能になるかもしれないが、人と人との繋がりが不要になることはない。消費者が絆を結ぶ相手は、ロボットではないだろう。顧客の気持ちを理解することは、サービスのカギだ。ロボットにはそれができない。もちろん、1日中くたくたになるまで働いたあと、ホテルに来て部屋に直行するだけならそれでも良いかもしれない。だが、子どもとリゾート地に出かけるなら、人間からサービスを受けたいだろう。同じように、自動化が社会にもたらす影響についても注意する必要がある。

――たとえば?

ロシアのトロールファームがFacebookに政治的広告を大量掲載していたことが最近発覚して問題になっているが、あれが最たる例だ。これは一市民としてだけではなく、ブランドとしても憂慮すべき事態だ。急速に自動化が進むなかで、我々は注意深くあらねばならない。とはいえ人間は楽をしたがる生き物だから、適材適所での活用が重要だ。

――ハイアットが目指す客室のスマートイノベーションとは?

現在、スマートフォンをルームキーとして使えるようにしたり、テキスト通知でより簡単にチェックインできるようにする実験を行っている。お客様がラップトップのコンテンツを客室のテレビで表示できるようにしたい。また、Amazon Echoなどの音声アシスタントの導入も検討している。自分の泊まる部屋にAmazon Echoがあったら、私ならエアコンの操作に使う。

――ハイアットは8月、民泊の会社にここ3年で2度目となる投資を行った。この分野に関与する理由は?

シェアリングエコノミーの時代だからだ。市場の創造的破壊に目をつぶることもできるが、それは現実に起きている。ハイアットがオアシス(Oasis)やワンファインステイ(Onefinestay)に投資したのは、旅行客にとって自分がまるで地元の人であるかのように感じられるサービスを提供しているからだ。いまは体験が価値をもつ時代だ。まさにそれを提供している旅行業界にとっては、いい時代だといえる。民泊はまた、長期的に利用する場合はより手頃だ。大家族が長期間旅行する場合、民泊の会社を通じて宿泊先を探すことが多いのもそういった理由からだ。

――Amazonはこれまでいくつかのビジネス分野で市場を破壊してきた。Amazonは、旅行業界に進出するだろうか?

Amazonは旅行業に目をつけていると確信している。何しろ、あらゆる分野に目をつける会社だ。だが高級スーパー大手ホールフーズ(Whole Foods)を買収したばかりで、同時にあちこち手を出すのは得策ではない。まずはホールフーズ関連の事業を軌道に載せる必要があり、Amazon Echoをホールフーズで店頭販売するだけで満足すべきではない。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)