FB「キャンバス広告」を有効活用したロクシタンの事例:平均エンゲージメント時間は34秒!

仏自然派美容ブランドのロクシタン(L’Occitane)が、「キャンバス広告」のベータテストを実施し、大きな成功を収めたと発表した。このモバイル広告は、Facebookが2016年2月に発表した新たな没入型広告だ。

ロクシタンがベータテストを開始したのは、「キャンバス広告」が正式に発表される前の2015年12月。同社によると、ベータテストを開始してから2週間以内に、230万人ものFacebookユーザーへリーチしたという。これはリンク広告の広告想起に比べて11%も高い。また、エンゲージメントの平均時間は34秒だったと、ロクシタンは発表している。

ストーリーテリングが強み

これらの数字はおそらく良いと思われるが、ロクシタンは躊躇なく「キャンバス広告」に踏み切ったわけではない。しかし、米ロクシタンのeコマース部門を統括するタリー・ファリノー氏は、平均エンゲージメント時間の34秒は、通常の動画広告と比べると長いとコメントした。

同氏は米DIGIDAYの取材に対し、要した費用については答えてくれなかったが、Facebookの広告はストーリーテリングがすべてであるため、「キャンバス広告」は良い投資だと教えてくれた。このメニューはブランドが、既存や新規を問わず、顧客との交流の手助けをしてくれる有効な手段となりそうだ。

「(Facebook広告における)我々の目的は、商品の情報を正確に顧客へ伝え、ロクシタン商品を深く知ってもらうことだ」と、ファリノー氏。「Facebookの『キャンバス広告』は、新規顧客を開拓する手助けになった。コンテンツは動画、画像やキャッチコピーなどの形式で配信され、コンテンツを最後までオーディエンスに閲覧してもらうことができた」と、結果に満足している。

ロクシタンの「キャンバス広告」の挙動

「購入」ボタンも設置可能

ロクシタンの場合、ビジュアルを通して商品体験をモバイルで提供できることに加え、eコマースの要素を含ませられることが「キャンバス広告」の魅力となったという。

閲覧者が画面を左右にスワイプすると、商品に使われている材料や成分の原産地などを表示。一方で、画面を上下にスクロールすると、シアバターやギフトセットなど、違うカテゴリーの商品が表示される。また、これらの異なるカテゴリーの商品も、画面を左右にスワイプすることで詳細な情報を見ることができるのだ。

ほかにも、それぞれの商品カテゴリーのページの終わりには「購入」ボタンが用意されていて、押すとロクシタンの企業サイトに遷移し、購入できるようになっている。

ロクシタンの「キャンバス広告」を見たオーディエンスの多くは、「購入」ボタンを押すまでエンゲージしているが、「キャンバス広告」以外の閉鎖的な環境では、最後まで広告を見るモバイルユーザーはいないかもしれない。

LOccitane-mobile

「キャンバス広告」のコンテンツ

ダイレクトレスポンスには弱い

「いつも問題になるのがスクロールの仕方や、コンテンツをいかに影響力の強いものにするかだ」と、米メディア企業、MEC北アメリカ支部のソーシャル部長兼シニアパートナーのノア・マリン氏は話す。

技術的には「キャンバス広告」を作ることは難しくない。Facebookの広告管理ツール「パワーエディタ」がいくつかのテンプレートを提供しているだけでなく、プログラミングのコードを書かなくても作成できるようになっているからだ。しかし、オーディエンスに広告の最初から最後まですべてを見せたいのであれば、ただ単に素晴らしいだけのコンテンツではなく、有益性も加えなくてはならない。

「『キャンバス広告』の広告主たちは、使用できるすべてのデータを利用してコンテンツを最適化させなくてはならない。たとえば、ユーザーが右にスワイプすれば、その行動に対するさまざまなインサイトを発見しなくてはならない」と、マリン氏は指摘する。

ブランドが運営するFacebookページのファンと長期的な関係性を築きたいロクシタンのようなブランドにとって、「キャンバス広告」は理想的な広告ツールになり得る。しかし、顧客の行動を即座に反映することができないため、ダイレクトレスポンスを求める広告主にとっては勧められないと、マリン氏は話した。

Yuyu Chen(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image via Facebook for Business