ソーシャルに大きく賭けた、スキンケアブランドの成功事例:いまやメインの販売チャンネルに

ドクター・ブランド・スキンケア(Dr. Brandt Skincare)は、17年の歴史を有するスキンケアブランドだ。しかし、彼らはソーシャルの分野で後れをとっていた。今年1月の段階ではSnapchatのアカウントもなく、ほかのソーシャルプラットフォームに関しても、そこから売上にどれだけつながるかを判断する手段を持っていなかった。しかし、デジタル部門のバイスプレジデント、リサ・ラッギーリ氏が就任してから、アグレッシブなソーシャル拡大計画が実施されている。

その結果、ドクター・ブランド・スキンケアは最近になって、何万人ものフォロワーが増えた。たとえば、インスタグラムのフォロワーは現在、7万9000人。これは2016年末の3万人と比べると、大幅な増加といえる。この成果は主に、ソーシャル面への投資増強が要因だ。特にメディアにおけるペイドキャンペーンがその中心となっている。ラッギーリ氏によるとペイドキャンペーンへの予算は、1カ月に3万ドル(約340万円)という。

「去年の段階でソーシャルは、我々の社内の優先順位としては8番目だったが、それが1番目になった」と、ラッギーリ氏は語る。

彼らはインフルエンサーも起用している。最近のものでは、ハナ・ブロンフマン氏のライフスタイル系ウェブサイト、HBFit.comとのコラボレーションで、5日間のソーシャルキャンペーンを展開した。これは新製品ウォーターブースターを宣伝するものだ。インスタグラムのストーリーでは、HBFit.comがこのプロダクトをスムージーといった人気の食事に添加できると説明した。

ソーシャル展開の問題

問題は、ソーシャルプラットフォームは商品を購入するためにはデザインされていないことだ。ドクター・ブランド・スキンケアだけでなく多くのブランドは、これまでもこのジレンマに取り組んできた。インスタグラムのプロフィール欄にウェブサイトへのリンクを記入する、Snapchatのストーリーにタグやリンクを使用する、などが手法として挙げられる。

「人々がソーシャル上のコンテンツを見て、いいね!を押して、そのコンテンツについての情報をもっと知りたいと思っても、ほかのサイトや場所に移らないと行けないのが大きな問題となっている。このプロダクトはどこで見つかるのか、といった質問をいつも尋ねられてしまう。これは私にとって悩みのタネだ。

なので、オーディエンスが買いたいプロダクトを買う手助けをするだけでなく、情報を与える方法についても真剣に探し求めていた」と、ラッギーリ氏は語った。

新しいソリューション

その結果、この4月に生まれたのが、ビデオ会社のミックマック(MikMak)とのパートナーシップだ。彼らの新しい機能、ミックマック・アタッチ(MikMak Attach)を使うと、インスタグラムやSnapchatを離れることなくプロダクトを購入することができる。モバイル上でドクター・ブランド・スキンケアのインスタグラムストーリー、もしくはインスタグラム広告やスナップ広告を見ているユーザーは、うえにスワイプするとブランドのeコマース用ポップアップウィンドウが現れ、そこで「カートに追加」することができるのだ。

この新機能を導入して以来、16%のユーザーがプロダクトをカートに追加しているという。さらにそのうちの52%が購入を完了しており、いまでは彼らにとってのメインの販売チャンネルとなっている。

「ブランド認知度を上げるのにSnapchatは向いているというのが一般的な認識だ。しかし我々は、スナップ広告からのダイレクト販売によって、メディア投資のお金を取り戻している状態だ」と、ラッギーリ氏は言う。

しかし、この機能を使って、もっとも高い投資利益率を達成しているのは、インスタグラムだという。Snapchatと比べると、インスタグラムでは6倍以上のユーザーがプロダクトをカートに入れている。

「延長線上としての存在」

「我々は、こういったチャンネルを通した販売をアグレッシブに推し進めたいわけではない。ただ自然な延長線上として存在して欲しいと思っている。この方法であればユーザーがもし買いたいと思えば、そこで買うことができる、ワンステップだ。もし興味がなければ、(購入を)無理に考えることもしなくて良いわけだ」と、ラッギーリ氏は説明した。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:塚本 紺)