ジャーナリズムからマーケターへ転身したライターの告白。「決意するのに抵抗は特になかった」

メディア界における大きな変動は、古い仕事を消失させ、一方で新たな仕事が生み出されるという状況を生み出しているーー。

本記事では、広告やマーケティング、そしてテクノロジー業界などを取材対象としていた、元ジャーナリストにインタビューを敢行。彼は現在、広告業界の役員から依頼を受けて、彼らの署名入りブランデッドコンテンツのゴーストライティングを行っている。

以下にて、一問一答形式でインタビューの様子を再現しよう。

広告業界の取材は好きだった?

それほどでもないね。テクノロジー業界の方が面白いと感じられたよ。パズルを完成させていくという意味では、広告戦略も面白いとは思ったかな。

アドテクに関する知識を集めるのは、容易じゃなかったね。だけど、アドテクについて執筆するのに十分な知識を得て、はじめてそれを実際に記事に活かせるようになったとき、満足できたと思う。

とはいえ、やっぱり広告業界には、それほどの情熱を感じていないよ。GoogleやFacebookで記事がシェアされたとしても、気にかけなかっただろうね。仕事の条件が良かったので、こだわってしまっただけ。

体制(広告主)側に鞍替えした際、魂を売り飛ばした気持ちになった?

特にそんな気持ちはないね。抵抗感はないよ。司法省からホワイトカラーによる犯罪の被告弁護士になったわけではないから。そもそも、広告が専門のひとつだったし。

現在のクライアントと働きはじめたときの反応はどうだった?

良かったよ。多くの人が助けの手を差し伸ばしてくれたさ。PRエージェンシーやアドテク企業などが仕事をくれたね。もしあなたが一般ブランドの担当者だとしたら、ニューヨークに住みたがるようなフードライターを探すだろう。

逆に、あなたがDMPやDSPの担当者だったとしたら、業界人が発言した内容を理解できるライターを雇わなければならない。ただし、そういうライターは少ないんだ。だから、彼らは私のために喜んで高額を支払ってくれる。

じゃあ、以前よりも高収入を得ているのか?

そういうことになるね。それも短い労働時間で。

どんな仕事をしている?

エグゼクティブの署名入りの論評記事をゴーストライティングをしている。彼らは書いてほしいことを電話や電子メールで伝えてくるんだ。その内容を、私が実際にパブリッシュできるレベルの文章に書き起こす。

仕事をはじめた際、これが大きなビジネスになるとは知らなかった。いままで、署名入り記事は、執筆者自らが書いていると思っていたんだ。

どのぐらいの分量を書いているの?

月間で、コラムを3本から4本書いている。字数にして約700語から1000語だ。また、ホワイトペーパーやケーススタディ報告書も手がけている。

著名人の業界関係者向けのブログも書いている。それが真のジャーナリズムかどうかに関わらず、ブログの内容にジャーナリズムを求める人もいるらしい。すべてはマーケティングということだ。

ブログの読者はレポート記事を読みたいようだ。そのために、私は人を探してインタビューしているというわけ。

あなたの仕事は、ジャーナリズム的? それとも広告的?

そもそも意図が違うし、自分の仕事はジャーナリズムとは言えない。ジャーナリズムの世界では、読んでくれる読者やカスタマーがいる。一方、コンテンツマーケティングでは、もっとも利益を得るべくは、いつもブランド企業だよ。

ジャーナリズム業界からブランデッドコンテンツの世界を目指す者に、アドバイスはある?

もし、ジャーナリズムの世界から飛び出そうとしているのなら、モンタナに行って地域の建築規制委員会の取材担当をするのでない限り、仕事はやりがいのあることばかりだ。

また、優れた分析と洞察をもったレポート記事をクライアントのために書き、それが他メディアのサイトに掲載されれば、その仕事もジャーナリズムといえるはず。

Shareen Pathak(原文 / 訳:南如水)
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