「ブランドが欲しいのは数字だけ」:インスタグラムインフルエンサーの告白

インフルエンサーはフラウド(虚偽)の問題に悩まされている。

10万人近いフォロワーを有するSNSのスターの一部は、エンゲージメントを人為的に上昇させるためボットを利用していることで知られている。匿名で率直に語ってもらう今回の「告白」シリーズでは、フラウドにうんざりしているインスタグラムのファッションインフルエンサーに話を聞いた。

なお、わかりやすくするため、以下の回答には編集を加えている。

――どうやってインフルエンサーになった?

モデルや映画、いろいろな仕事をしているなかでフォロワーが増えた。だから私は一般的なインフルエンサーとは違う。ブランドが使っているインフルエンサーの多くは、ある意味インスタグラムが唯一のキャリアで、彼らは憧れの的としての生活を自ら演出している。

――ボット利用が広がった理由は?

ブランドはインフルエンサーやエージェンシーにフォロワーを増やしてもらうことに躍起になり、自動的に写真に「いいね!」を付けてくれるボットの利用をインフルエンサーに強要しているのだ。数年前は誰もが有機的にフォロワーを増やしていた。ブランドが広告料を払いはじめてから、ボット企業はフォロワーが売れることに気付いたのだ。そして、ブランドもろくでもないボットを利用している。

――ボットの話題が出たのはどうして?

世の中にはあらゆる種類のソーシャルメディア・マネジメント・エージェンシーがある。自分たちの手で人を管理したいという方々と会う機会があり、そこでSNSのフォロワーを増やす手伝いをしてくれるエージェンシーがあると聞いた。有料であれば、それは偽物だ。

――ブランドとエージェンシーは実状をどの程度認識している?

ブランドとエージェンシーは独自の調査を行っている。彼らは個人面談をしたがるし、フォロワーを調査するための情報を執拗に求めてくる。Fohr Cardの認証やインスタグラムの認証などデューデリジェンス(然るべき正当な注意や努力)を行うためにすることはたくさんある。最近は、10万人そこそこの私のフォロワーをクリックすれば、フォロワーを調査できる。ブランドやパブリシスト(プロの広報担当)にとっては簡単なことだ。フォロワーのプロフィールにアクセスし、その人物のフォロワーの5人に1人が作成されて間もない10人しかフォロワーがいないアカウントであれば、それは明らかにフェイク(偽)アカウントである。

――まだ問題が残っているのは?

問題は誰でも騙せると思っているインフルエンサーとインスタグラマー。彼らのやっていることは、有機的にフォロワーを増やしている人に対して失礼で腹立たしい行為だと思う。一生懸命仕事をしている人からお金を巻き上げている。考えられないほど必死に働いているコンテンツクリエイターがいる一方で、フォロワー数5人で彼らの仕事を奪っている人がいる。

――このせいで仕事を失ったと思う?

失っていないと思いたい。私はかなり慎重に仕事をするブランドを選んでいるし、常にブランドとミーティングの場を持つため積極的に働きかけている。私はいわゆるインスタグラムモデルではない。インスタグラムは役に立っているだけ。でも、何を失っているか自分ではわからない。

――ボット問題に対する対応に限らず、インスタグラムに関する見解は?

インスタグラムはアルゴリズムを使っておすすめの投稿を選択する。誰かをフォローするのは、その人の写真が見たいからだ。私はフォロワー数がいまの半分だったとき、投稿1件につき6000~8000の「いいね!」と2000のコメントを得ていた。いまの平均「いいね!」数は3000。あなたの写真を見たいファンのフォロワーがいるのに、Facebookやインスタグラムから「あなたが支払うまでフォロワーはあなたの投稿を見られません」と言われるのは最悪だ。私には私の投稿とつながりがあるフォロワーがいる。だからこそ広告主は私のようなインフルエンサーにお金を払うのだ。

ところが、Facebookやインスタグラムはその事実を見落としている。でも、彼らがあえてこのやり方をとる理由は明確だ。広告料が欲しいのである。彼らはユーザーに税金を請求すればよかったのだ。去年私が稼いだ額は合計で30万ドル(約3300万円)。インスタグラムが私に10%を請求すれば、彼らが5つのブランドに請求している広告料を優に超えるのだ。

Lucia Moses(原文 / 訳:SI Japan)