「Twitterは人々の怒りのやり場となってしまった」:化粧品ブランド デジタル担当による告白

ブランドにとって、Twitter上の釣りや荒らし対策は、由々しき問題である。

匿名で内部事情を正直に語ってもらう「告白」シリーズ。今回は高級化粧品ブランドのデジタルマーケティングマネージャーの告白をお届けする。サイバースペースにおける怒りは、これまでにないほど大きくなっているようだ。

以下の回答は分かりやすくするため、若干の編集を加えている。

――あなたはTwitterはブランドにとって毒物のような場所になったという。いつその変化が起きたのか?

去年、状況は非常に悪くなった。Twitterはワクワクする、エンゲージメントを生むような場所では無くなりつつある。カスタマーサービスベースのチャンネルになってしまったこともその一因だ。消費者はブランドからすぐに返信があることに慣れてしまった。いまTwitterといって思い浮かぶのは、怒っている、短気なユーザーたちだ。

不満を持つユーザーの反応はいつも同じだ。中間というのが存在しない、ただ単に爆発した怒りがぶつけられる。そういった彼らにとっては我々は史上最悪の人間にしか映っていない。もしもこちらの回答に満足できなかったら、彼らは荒らしへと変身してしまう。画面の向こうに生身の人間がいることに気づかないんだ。ただ怒りをぶつけるはけ口だとしか思っていない。

――ブランドとして、それにどう対処するのか?

どんな投稿をしたとしても、どこかの誰かは、悪い意味で捉えてしまう。だから、ニュートラルなコンテンツをポストするように心がけている。ひとつのポストの意味を深く考えすぎてしまうことも多い。何かをポストするときは、最悪の反応を予測するのが常となっている。

1年に数回、限定物のプロダクトを出すときには何か問題が起きるかもしれないと予測している。たとえば、あるプロダクトがはじめてセールになったとき、すぐに売り切れになった。それに対して(Twitter上で)ものすごいバックラッシュが起きた。

――この怒りはどこから来ているのか?

人々はすぐにその場で回答がもらえると思っている。大きな予算をもっているブランドには、数分以内に回答ができるチームを抱えているのもあるが、ほかの大多数のブランドにとっては、そのような期待に応えることは難しい。

より小さい規模のブランドはソーシャルメディアをカスタマーサービスの一部として上手く取り込まないといけない。当然、ソーシャルのチームはカスタマーサービス担当として働くことにもなってしまう。一方では仕事としてクリエイティブに、戦略的に思考することが求められているのに、もう一方ではカスタマーサービスとして機能しないといけない、このふたつを毎日切り替えるのは非常に疲れる。

――それはあなたの仕事に、どう影響を与えるのか?

実は我々は、夜と週末に対応する時間を減らした。金曜の夜11時に質問を送ってきた人が、土曜日の朝には回答が来ていないと言って怒っていることがあった。信じられなくて唖然としてしまったよ。

仕事をしていると、お前たちは世界で最悪の人間だ、と言われることがある。いくら自分個人に向けられた言葉じゃないと分かっていても気にしないことなんて不可能だ。「いま、日曜日に私は自宅にいて、ソファーに座っています。この時間は私のオフの時間なんです。なので、いまは対応できません!」と、回答したくなったことは何回もある。

もしかしたら我々がロボットだと思っているのかもしれない。ブランドのなかにはロボットが対応しているのもあるのだろう。電話を壁に投げ捨てたくなることなんてザラにある。

――Twitterと比べて、ほかのソーシャル・プラットフォームはどうか。

インスタグラム上でも2年前ぐらいに深刻な荒らし問題を抱えていた。何かの景品コンペを開催したときは、獲得者の名前を発表するのを止めた。発表すると彼らが罵詈雑言を投げつけられるからだ。

以前はインスタグラムのバイオ欄には荒らしをするユーザーはブロックをすると、すべて大文字で明瞭に書いていた。ブロックしたユーザー数は100人程度だった。それから少しトーンをおとなしめにして、ほかのユーザーたちの気分を害さないようにするよう頼むような文章に変えたんだ。意地悪な発言をするユーザーは、それでもいつもいる。でも、個人を誹謗中傷するような攻撃はもう無くなった。

Facebookではすぐに回答が来ることはそもそも期待されていないので、まだ対応が楽だ。

――Twitterを止めることを検討したことはあるのか。

それはいつも検討している。現時点ではまだ対応可能な範囲に留まっているし、対応が難しいからという理由で、良いフォロワーたちを見捨てることはしたくない。今後カスタマーサービスをどう変えていくかによって、Twitterを継続するかどうかが決まるだろう。今後どうなるかは分からない。

ほかのチャンネルが成長して発展するにつれて、すべてをマネージメントするのは難しくなる。予算はどんどんと分割されている一方で、チームは大きくはなっていない。Twitterの取り分は少し、小さくなってきている。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)