コークとアドビ、東京五輪デザイン案をクラウドソーシング

2020年の東京オリンピックまでまだ2年以上あるが、コカ・コーラ(Coca-Cola)はすでにマーケティングを開始している。同社は10月18日、アドビシステムズ(Adobe Systems)と共同で新しいクラウドソーシングキャンペーン「Coke x Adobe x You」を発表。デザイナーに向けて、コカ・コーラのブランドイメージとアドビのデザインアプリスイートを使い、オリンピックをテーマとしてオリジナルのデザインを制作するように呼びかけている。

このキャンペーンは、東京オリンピックへの関心を早くから喚起しようとするものだ。同時に、オリンピックのファウンディングパートナーであるコカ・コーラが、はじめてオリンピック関連のデザイン制作をグローバルコミュニティに依頼する機会でもある。同社のグローバルデザイン担当バイスプレジデント、ジェームズ・サマービル氏はそう述べた。

デザインの祭典

同氏によると、コカ・コーラは通常、広告エージェンシーにクリエイティブブリーフ(広告の指針を示した書類)と相当額の予算を提示し、大会のデザインコンセプトを作らせる。ところが今回は、クリエイティブブリーフを全世界に公開しているのだ。

「我々は本気で、従来のプロセスを破壊しようとしている」と、サマービル氏は語った。「2020年東京大会では、単一のエージェンシーに頼る必要はないと我々は考えている。オリンピック大会の精神は、世界中の国々の功績を称賛することだ。我々としては同じ価値観に則り、世界中のデザインコミュニティをたたえたい」。

コカ・コーラはまず、イスラエル出身の写真家ガイ・アロチ氏など、世界のアーティスト15名にアート作品の制作を依頼。作品は現在、キャンペーン特設サイトに掲載されており、SNSでのキャンペーン拡散に使われる。同社はアーティストへの支払額を公表していないが、デザイン会社に依頼するよりも少ない額だった可能性が高い。

商品化や人材発掘も視野に

とはいえ、コカ・コーラが今後オリンピックでどの広告エージェンシーとも仕事をしないわけではない。おそらく来年になるが、今回提出されたアイデアの利用をエージェンシーに提案する予定だと、サマービル氏は説明した。「今回のデザイン主導のアクティベーションから制作されるデザイン要素を、ほかのエージェンシーパートナーに提供することで、デジタルコンテンツの制作やオンサイトのアクティベーションが可能になる」。同氏によると、今回提出されたもの自体がやがて商品化される可能性もあるという。

またコカ・コーラはこのアプローチにより、自社ブランドに関するユニークな視点を提供しうる新たな人材を、世界中から発掘することもできる。サマービル氏はそう語った。アドビにとっては、このパートナーシップは「Adobe Creative Cloud」のプロモーションに役立つうえに、「社会を良くするためのデザイン(Design for Good)」という同社のブランディング指針にも合致している。

コカ・コーラとアドビは、デザイナーに対し、www.cokexadobexyou.comへのアクセスと、コカ・コーラのクリエイティブブリーフやデザイン用素材(ボトルのアウトラインやリボン、ロゴ、ラベルなど)のダウンロードを呼びかけている。制作後は、#cokexadobexyouというハッシュタグを使って作品をシェアするよう推奨している。またコカ・コーラは、2017年12月31日までに受け取った作品1点につき3万ドル(約340万円)を、知的障害者にスポーツの場を提供する国際団体スペシャルオリンピックスに寄付するとしている。

Ilyse Liffreing (原文 / 訳:ガリレオ)
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