インフルエンサーとの「付き合い方」の現状:要点まとめ

インフルエンサーマーケティングが拡大している。

いまや、それは単なる広告主とソーシャルスターのあいだのビジネス取引ではなくなった。エージェント、プラットフォーム、台頭するセルフサービスのあいだで、ブランドのインフルエンサーとのつき合い方が複雑化している。

ブランドの取り組み方法のすべてを以下に細かく説明していきたい。

ビジネスモデル

  • 下手な鉄砲も数撃てば当たる:コンテンツを制作してくれることを期待して、ブランドはインフルエンサーたちに商品を送る。コレクティブリー(Collectively)の共同設立者であるアレクサ・トナー氏によると、そのアプローチは、インフルエンサーコミュニティで嘲笑されるリスクを冒すことになる。
  • プロダクション:マーケターはソーシャルスターたちに、ストーリーボードを含むクリエイティブについて具体的な依頼交渉をする。インフルエンサーはそのリクエストを満たし、動画、ストーリーテリング、写真などのコンテンツを自身のブログやソーシャルチャンネルに投稿する。
  • パブリッシャー:セルフサービスツールが増えているため、広告主は一緒に協業したいインフルエンサーのリストを作成し、インフルエンサーに自社製クリエイティブを送ることができる。インフルエンサーは、原則的にメディアリレーションに似たコンテンツを作りだし、それを自分のソーシャルプラットフォームに投稿する。本質的に、インフルエンサーは小さなメディア企業になるということだ。こうした能力を持つインフルエンサーを利用するブランドは、複数のチャネル、多数のフォロワー、強力なエンゲージメントを持つインフルエンサーを通じて、ブランドメッセージを広め、認知度をあげたいと考えている。
  • ブランドコンテンツ:ハーストマガジンデジタルメディア(Hearst Magazines Digital Media)などのメディア企業は、ブランドコンテンツにインフルエンサーを使って、その投稿をさらに盛り上げようとしている。たとえば、ハンドバッグのシリーズに関する記事では、モデルがそのバッグをもってポーズをきめるのではなく、それらのバッグをスタイリングするインフルエンサーを取り上げる。インフルエンサーにはよりクリエイティブの自由が与えられ、コンテンツの到達度もあがる。
  • ブランドアンバサダー・プログラム:こちらは収益源が保証されるので、インフルエンサーたちに人気がある。ブランドはある者とより長い期間契約し、たとえば、卒業シーズン中、秋の入学シーズン中、そして夏休みのあいだなどのインフルエンサーたちの予定をおさえてしまう。これはブランドにとって手軽な調達方法だ。1月に15万人のフォロワーがいるインフルエンサーをおさえ、1年間で5倍にフォロワー数が増えたとしても、そのインフルエンサーを契約時の低予算で利用しつづけることができる。
  • イベント:インフルエンサーたちがレセプションイベントに顔を出すことで、写真を1、2枚撮ってフォロワーたちとシェアすることができる。
  • 商品開発:おそらく、一番難しいビジネスモデルかもしれない。ブランドが共同ブランド製品を作成するためにインフルエンサーと協力しあう。その「クリエイター」としての見方を利用し、商品とパッケージングに関して一緒に取り組んでいく。

ブランドがインフルエンサーを探しだす方法

  • 自社内人材チーム:ロレアル(L’Oréal)のような有名ブランドは、新しいスターを見つけるためにソーシャルwebでリサーチする社内のタレントチームがいる。
  • ツール:ますます多くのブランドがテック企業と協力して、プログラマティックに、またはマニュアルで、継続的にキャンペーンに指名することができる、承認済みインフルエンサーの大規模なホワイトリスト作成に取り組んでいる。

インフルエンサーの報酬受取方法

  • コミッション:アフィリエイトモデルと同じように、インフルエンサーたちは自身が宣伝しているものを購入する際に利用できるプロモーションコード(クーポンコード)で、いつでも値引きを受けることができる。
  • 前払い金:一流のインフルエンサーたちの確保には、料金が前払いされ、ローリングコミッションベースで以降支払いが続けられる。
  • ギフトカード:特に規模の小さなインフルエンサーたちには、ブランドギフトカードを提供する。
  • クリック単価払い:特にYouTubeインフルエンサーによって利用され、商品の詳細や動画の商品リンクがクリックされるたびに、そのインフルエンサーに対価が支払われる。
  • エンゲージメント単価払い:ブランドはエンゲージメントメトリックを測定し、さまざまなプラットフォームに対して属性としてそれらを適用し、インフルエンサーたちには獲得したエンゲージメント(「いいね」やコメント)ごとに対価が支払われる。
  • 招待状:インフルエンサーたちは、通常入場が難しい限定イベントへの招待状を受け取る。そのかわりに、そのイベントを話題にとりあげる。

金額

  • 前払い金は、Facebookまたはインスタグラムのフォロワー10万人あたり基本1000ドル(約11万2000円)から、写真1枚の定額料金で、セレブインフルエンサーには最大20万ドル(約2243万円)までの範囲。
  • 出演料はだいたい3万ドル(約336万円)から。
  • コミッションは通常売上の25%。

一流インフルエンサーの見解

「ブランドからソーシャルでの協力依頼を受けるとき、いつも確認することが、彼らの目的と何を達成したいのかということだ」とライフスタイルブログ、ブライトバザール(Bright Bazaar)を支えるインフルエンサー、ウィル・テイラー氏はいう。「私がいつも言っていることは、最初からインフルエンサーを巻き込んでおけば、彼らと協力して最良の結果を得ることができるということ。はじめから終わりまでインフルエンサーと一緒に取り組むことだ」。

エージェンシーバイヤーの見解

「インフルエンサーが報酬を受けとる方法は、キャンペーンごと、ブランドごと、または特定の業界市場のなかでさえ異なるかもしれない。簡単な現金払いを別とすれば、ブランドの文化的な名声と固有の特性価値をよく理解しておくことが、価格設定や、最終的な価値交換がどうあるべきかを決定する際に役に立つことになる」と、360iでインフルエンサーマーケティング責任者を務める、コーレイ・マーティン氏は述べる。

パブリッシャーの見解

「トップにまで昇りつめるインフルエンサーたちは、非常に多くのフォロワー数を獲得しているだけでなく、コンバージョン率も高い。そうしたインフルエンサーはブランドのために商品を動かし、商品を動かすことができるために、ブランドは製品ラインに関してコラボすることを望んでいる。こうしたクリエイターたちの多くが、デザイナー志望だったり、自分自身の製品ラインナップをもつことを望んでいる。つまり、最高水準のインフルエンサーマーケティングにとって、これは自然な進化ということだ」とハーストマガジンデジタルメディアのブランドコンテンツスタジオのインフルエンサータレントディレクターを務める、ブリタニー・ヘネシー氏は述べる。

インフルエンサープラットフォームの見解

「インフルエンサーマーケティングは、ブランドとインフルエンサーのあいだでの真の対話によって前進し続ける必要がある。いまの状態は、それは一方向に向かった発信でしかない。ブランドはインフルエンサーと対話し、インフルエンサーはオーディエンスに語りかけているだけだ。私はこうした線引きがもう少しばかり曖昧になってもよいと思う。インフルエンサーとそのオーディエンスがブランドに対して市場とトレンドについて教えてあげたっていいはずだ。この対話の精神で、私たちはクライアントとインフルエンサーの懇談会や会話をする機会を設けることをはじめており、これまでのところ驚くほど有意義なものになっている」と、トナー氏は語った。

Shareen Pathak(原文/ 訳:Conyac)