インフルエンサー投稿、いかに運用型広告で活用するか?:エンゲージメント率が100倍という結果も

米エージェンシーのジャニュアリーデジタル(January Digital)は、インフルエンサー投稿をプログラマティック広告に活用して、ユーザー認知度を向上する試みを実施している。

先日、大手化粧品ブランドから新しいスキンディフェンスクリームのプロモーションを引き受けたジャニュアリーデジタルは、美容専門のソーシャルメディアのスター10人を集め、その一人ひとりに、製品のよいところをユーザーに知らせるためのブログ記事を書いてほしいと依頼した。そして、それらの記事投稿をプログラマティック広告として掲載。アリューア(Allure)、バザー(Bazaar)、シェイプ(Shape)、ポップシュガー(PopSugar)のようなサイトで画像とともにそれらの投稿を部分的に読めるようにした。

このやり方は上手くいった。ジャニュアリーデジタル創設者のビク・ドラビッキー氏によると、プログラマティックではないインフルエンサーキャンペーンをした場合と比べて、エンゲージメント率が最初の1週間で「100倍高くなった」という。「我々はいつでもインフルエンサーの支持が欲しいが、ひとりのインフルエンサーのブログやソーシャルチャンネル上でしかコンテンツが読まれないのなら、あまり価値がない」と、ドラビッキー氏は語る。

製作プロセス

ジャニュアリーデジタルは、自動表示される広告にインフルエンサーのコンテンツを利用し、ネイティブな感じで掲載する数少ないエージェンシーのひとつ。そのプロセスはとてもシンプルだ。広告業者はブログにせよ、インスタグラムの画像にせよ、YouTubeの動画にせよ、インフルエンサーキャンペーンで効果が上がっている投稿を再利用し、トリプルリフト(TripleLift)やタブーラ(Taboola)のようなプログラマティックネイティブベンダーを通じてコンテンツを配信する。このアプローチは、プログラマティックとクリエイティブのギャップを埋めることを狙っている。これは、何年も解決できずにいた問題だ。

コンテンツプラットフォームであるブログラビン(Bloglovin)の戦略およびビジネス開発部門責任者カミーユ・リー氏は、次のように語る。「我々の広告主は通常、コンテンツの権利を保有したい旨の契約を先行して結ぶ。それから我々がインフルエンサーとレートを交渉する。伝統的なクリエイティブをバイパス(ショートカット)するにはブランドがこういう契約をすることもある」。

契約の内容は個人で異なる。トップクラスのソーシャルメディアのスターになると、コンテンツがブランドのソーシャルチャンネル以外の場所でも再利用されるとしたら、価格は、標準レートの4倍以上になる可能性があると、リー氏は補足する。

手軽な解決策

クリエイティブとプログラマティックの融合がほとんど進んでいないとエージェンシーの幹部やテックベンダーたちが愚痴をこぼすなかで、プログラマティックとインフルエンサーコンテンツの融合は、手軽な解決策として受け入れられている。

エージェンシーの360iでインフルエンサーマーケティングおよびPR部門を率いるコーレー・マーティン氏は、プログラマティック広告について、明確なオーディエンスをターゲットとしているのに、一般的過ぎるメッセージを伝えていることが多すぎると考えている。したがって、インフルエンサーコンテンツをプログラマティックなネイティブ広告に変換することは、広告主にとってはターゲットオーディエンスにより関連性が高く、高いエンゲージメントを期待できるクリエイティブになるということだ。

さらに、「プログラマティックメディアは、計測できる要素も増えるので、ブランドがコンテンツのパフォーマンスやインフルエンサーの最終的な価値を査定するのに役立つ」とマーティン氏はいう。

このモデルの課題

だが、プログラマティッククリエイティブ企業サンダー(Thunder)のCEO、ビクター・ウォン氏は、この戦術はコンテンツの訴求力に大きく左右されるだけでなく、A/Bテストを何度も繰り返す必要があり、プログラマティック技術を最大限に活用することもできないので、成否に大きなばらつきがあると、指摘する。

「エージェンシーは少なくとも、スポンサー付きのストーリーインベントリの購入を検討すべきだ。そうすれば、ほかのフォーマットに合わせようと努力するのではなく、見てほしいと意図した媒体でブログ投稿をまるごと再利用できる。その次の課題は、広告に合う適切なインベントリー(在庫)を見つけることだ」とウォン氏はいう。

プログラマティックなインフルエンサー投稿がきちんとターゲッティングされていることを確認するために、ジャニュアリーデジタルでは通常、サイトのホワイトリストで、コンテンツがブランドにとって安全な環境に掲載されていることを確認することからはじめる、とドラビッキー氏。それからチームは、ユーザー層や関心、行動、トピックによるターゲティングを加え、適切なターゲットの構成を見出すだめに、常に最適化を行う。

「ホワイトリストの活用でパブリッシャーを厳選しつつ、ユーザーレベルのターゲッティングも行なうことで、我々はオーディエンスを高い精度で見極められ、もっとも適切な方法でブランドが人々の目に触れることを保証できる」と、ドラビッキー氏は話した。

Yuyu Chen(原文 / 訳:ガリレオ)
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