異色の経歴をもつ、バーガーキング SNS担当の1日:「鍵は本音を語り、傾聴すること」

ソーシャルメディアは抑えのきかない伝染病と捉えて、多くのブランドは冷静に振る舞っている。しかし、バーガーキング(Burger King)担当のシニアコミュニティマネージャー、カルロス・マティアス氏は、その対処法を知っているという。

「その鍵は、自身のフィード上で本音を語り、自分のオーディエンスが何を語っているのかを理解するために真剣に耳を傾けることだ」と、このハンバーガーブランドにおけるソーシャルプレゼンスの成長戦略について、彼は米DIGIDAYに語った。

これまでの2年間、マティアス氏は、クリエイティブエージェンシーのコードアンドセオリー(Code and Theory)で、Twitter、インスタグラム、Facebook、Kik(キック)、Snapchat(スナップチャット)、Tumblr、YouTubeでバーガーキングのプレゼンスを操作。その何百万ものフォロワーとやり取りを行い、拡散を期待してツイートを繰り返してきた。

そこで役立っているのが、自身のポップカルチャー界での経歴だ。かつて彼は、バッドボーイエンターテイメント[Bad Boy Entertainment]に勤務していたとき、パフ・ダディのツイートを担当していた。ネットスラングを無駄に多用して、逆にダサくなるブランドとは一線を画し、バーガーキングがオンラインへシームレスに入り込む手助けをしている。

「ファンがバーガーキングについてどのように語っているか、拡散行動に [ブランド名]をどれだけ含んでいるか、我々は注目する。やみくもにその [やり取り]に入り込まず、彼らの許可を得てから関与するようにしている」と、彼は述べる。

マティアス氏はオフィスで午前9時30分から午後7時30分まで勤務しているが、彼は年がら年中、そのフィードに目を通している。とはいっても、ひとりでそれを行っているのではなく、ソーシャルメディア上でのバーガーキングについてのおしゃべりを監督する、さまざまな役割を担う10人のチームで作業している。

マティアス氏は主にSnapchat上で「奇妙なもの」を目にする。だが、そうしたものは別にして、同アカウントは、ものすごく多くの人々から、「バーガーキング、はやく来てよ」と、ベットで恋人から投げかけられるような熱いメッセージを受け取っていると彼はいう。

分かりやすくするために少し編集して、マティアス氏の1日を時間の経過を追って紹介する。

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06:30 am 起きて最初にすることは、我々のソーシャルプラットフォーム全体の確認(もっとも重要なのは、Twitterで承認済のメンションに目を通すこと)と、自分が受け取った多数のGoogleアラートに目を通すこと。バーガーキングに関しては、常に何かが起こっている。ファンたちがミームを作ったり、セレブがツイートしたり。最近(※原文記事は、2016年4月11日に掲載したもの)では、ケンダル・ジェンナーがバーガーキングの店舗で自撮りしているのを目にして、我々はそれにレスをした。

 

 

08:30 am 自宅を出る前、今日1日を成功させるメールと投稿を確認し、それらが世界でいま起こっていることに依然として関連していて、なおかつ意味があるのかを確認する。我々のファンからのやり取りのほとんどは、チキンフライについて、またはスヌープ・ドッグが出演する「グリルドドッグス」の研修動画ついてだ。

 

 

10:00 am その日に予定されているすべて、たとえば会議の予定、締切、キャンペーンの開始などを整理する目的でスタンドアップミーティングを実施。その後、デスクに戻る。自分のデスクの側でチームメンバー全員が仕事をする。隣には、チームのカメラマン、後ろにはコピーライター、斜めにはアートディレクター。我々は最近「グリルドドッグス」のSnapchatを開始したので、そこに投稿されたクールなスナップのすべてに目を通し、レスする。

00:00 pm 自分はライフスタイルとミュージック業界での経験を強みにしてきた。だから仕事には、自分の擁するポップカルチャーの知識すべてを注ぎ込み、言い回しやトーンに活用し、ソーシャルの雑音のなかで我々のコンテンツを目立たせるようにしている。

今日は、クリエイティブチームに対して、ソーシャルについてのブリーフィングをした。これは、クリエイティブチームに指針を与え、これから実施される可能性のあるキャンペーン、これから発売する新製品を確認するものだ。また、我々のコンテンツに影響するかもしれないことを気に留めておくため、大規模なカルチャーイベント(賞の授賞式、ホリデーなど)の予定にも言及している。

また、バーガーキングの極秘情報や次月のコンテンツについて議論し、何がうまくいって、何がうまくいかなかったか、またどうしたら改善できるかなど、先月の結果から学べることすべてについても話し合った。

02:00 pm バーガーキングの担当者とは電話、Snapchat、テキストメッセージもしくはFaceTimeと、常につながっており、ブレーンストーミングやリアルタイムコンテンツのアイデアの承認となると敏感に反応してくれる。これによって、自分たちのコンテンツをすごくスムースに進めていくことが可能だ。普段はジュニアコミュニティマネージャーのハイリーとシニアソーシャルストラテジストのケリーと1日を通して数回顔をあわせて、トレンディな話題から我々がエンゲージするべきクールなファンのツイートまですべてを議論する。

最近の例では、スティーブ・ハーベイがミスユニバース世界大会の最中に大へまをやらかしたときのこと。その状況に対して軽くジャブを繰り出してやった。「BK(バーガーキング)なら誰もが王冠をかぶり続けることができる」という一文と一緒に、誰かが頭に王冠を載せてもらう写真をツイートした。

 

 

大会翌日、我々はクライアントと電話で打ち合わせをし、この投稿を実際に出すことに決めた。クリエイティブチームも巻き込み、これに関するいくつかのアイデアを出しあった。そして、やった! 10万エンゲージメントを獲得し、記録上2番目に高い成果をあげた投稿になった! 世界中のメディアとニュースブログが、同ミスユニバース大会へ国際的な嘆願のため、この投稿について書いた。

自分たちにとって意味がなければ、トレンドに飛びついたりは決してしない。しかし、人は王冠とバーガーキングを関連づけるから、それは「ブランドが利用可能」なものであり、関連性がそこにはあると認識してのことだった。

04:00 pm 受信メールや打ち合わせもまばらになり、この時間から、競合調査、月次報告そしてキャンペーンに向けたソーシャルメディアのリストアップなどの長期的なプロジェクトに取り掛かる。ファンにただ返答することのほかに、我々は彼らが伝えたいことに耳を傾ける。というのも、我々がどのように行動し、何をするかに関して重要な役割を、彼らが担っているからだ。

我々のオーディエンスが、我々のコンテンツ、アプローチの方法、そして新製品や、さらには製品アイデアについて語る際に最適化を図ることに一役買っている。彼らによってチキンフライが復活したのだ!

 

 

06:00 pm 1日も終わりに向かう頃、アナリティクスチームと数字について話すために打ち合わせをもつ。それは思ったよりも実際はもっと面白いし、スリリングだ! 何がうまくいって、何がうまくいかなかったかを熟考する。ほかのビジネスと同様に、我々にも達成するべき目標があり、我々が発信するコンテンツは一定レベルの成果を挙げることが求められている。

友人が思っていることとは反対に、自分の仕事にはスナッピングや(インスタ)グラミング以上のことが求められる。ソーシャルの動きはものすごく早いので、すべては絶え間ない試行錯誤が出来ているかどうかにかかってくる。1日の終わりには、自分たちの行っていることがうまくいっているのか、ブランドを推し出し、ビジネスを推進しているかについて確認することを怠らない。

Jordan Valinsky(原文 / 訳:Conyac