味比べ? バーガーキング『BIG割』の意味するところ:業界の活性化も目的か

競合の売り上げにも貢献するWin-Winのマーケティング手法となり得るだろうか。

バーガーキング・ジャパンは2015年11月6日、大ボリュームの新商品ハンバーガー「BIG KING(ビッグキング)」を発売。プレスリリースによると、それにともない「ビッグ○○○」と表記のあるレシート、あるいは商品名に「ビッグ○○○」とつく商品の実物を店舗に持ち込むことで、同商品のレギュラーサイズ「BIG KING4.0」の価格を120円ディスカウントするキャンペーン『BIG割』を開始した。

この「BIG KING」は2枚のミートパティを3枚のバンズで挟んだハンバーガー。明言はされていないもののマクドナルドの「ビッグマック」の競合製品であることは明白だろう。

標的はマクドナルドの「ビッグマック」?

しかも、キャンペーン適用後の価格は370円。これも「ビッグマック」単品の小売価格と見事に一致するのだ。つまり、これらを顧客に同価格で食べ比べさせる本キャンペーンは、はっきりと名指しはしていないが、「ビッグマック」に対する比較広告だと推察される。

1980年代以降、ペプシがコカコーラに仕掛けた「ペプシ・チャレンジ」に代表される比較広告においては、ブラインドテストによる味の比較といった手法が用いられることが多い。今回のキャンペーンでもそうしたメソッドを踏襲しており、キャンペーンサイトには「71%が『BIG KING』のほうが肉の旨みを感じると答えた」といったフレーズや、ユーザーが試食した感想を語る動画が掲載されている。

ここまでは従来からあるマーケティング手法をなぞったものであるが、本キャンペーンには特徴的なポイントが2つある。

「ビッグマック」の売り上げにも貢献

ひとつは「BIG KING」という商品自体が期間限定商品であり、レギュラーメニューではないということ。対する「ビッグマック」はマクドナルドの看板メニューであり、比較の対象としては条件が違いすぎる。しかし、バーガーキングでは「パティ以外、ほぼ一緒」としていることから、このキャンペーンで狙っているのが「BIG KING」そのものの販促というよりも、自社製品の多くで共通の強みである炭火焼パティの認知アップにあると推測することもできるだろう。つまり「BIG KING」を通じて、広く同社のレギュラーメニューの強みをアピールしたいという見方である。

もうひとつのポイントは、このキャンペーンがヒットすれば、競合商品である「ビッグマック」の売り上げにも貢献することになるという点だ。これについての戦略的な理由付けはわからないが、かつて米バーガーキングでもマクドナルドとのコラボ商品「マックワッパー」を提案し(て断られ)た経緯があるなど、ライバル企業を巻き込んだ顧客コミュニケーションを展開するのは同ブランドならではの社風と言えるのかもしれない。

特に欧州市場など、国や地域によってはマイナスの印象を与えることもある比較広告だけに、運用に当たってはこのようにユーモアを前面に押し出すといった配慮が欠かせないということだろうか。

written by ワタナベダイスケ
photo by Thinkstock / Getty Images