ラグビーW杯、ブランドたちのマーケ戦略まとめ:2019年日本大会の攻略はいかに?

大会史上初となるニュージーランドの連覇で幕を下ろした第8回ラグビーワールドカップ。日本代表チームが強豪南アフリカに勝利するという大金星を上げた試合が、Facebookページでのファン投票による「W杯最高の瞬間」に選出されるなど、開催地イギリスから遠く離れた日本に住む、我々の記憶にも深く刻まれる大会となった。

そして次回の2019年、第9回ラグビーワールドカップは待望の日本開催となる。決勝戦の会場に決まった横浜国際総合競技場を筆頭に、北は札幌から南は大分まで、全国12都市で熱戦が繰り広げられることになる。国内外からの注目を集めつつある4年後の一大スポーツイベントに向け、本記事では2014年のワールドカップで大会パートナーや各ブランド企業が行った、取り組みを振り返ってみよう。

動画コンテンツを運用した「ハイネケン」

ラグビーワールドカップ主要スポンサー(ワールドワイドパートナー)の1社であるハイネケンは、ソーシャルに的を絞った動画サイト「Heineken Rugby Studio」を開設し、元イングランド代表キャプテンのウィル・カーリング氏、NZ代表選手だったジョナ・ロムー氏といったスタープレイヤーや著名プレゼンターを迎えた動画コンテンツを多数配信した。

それぞれの動画がTwitterでシェアしやすい細切れサイズだったこと。そして、ハッシュタグ「#itsyourcall」を使って番組に質問を投げかけられるという工夫により、大会トーナメントの全期間に渡ってブランドとオーディエンスのエンゲージメントを維持することに成功した。

バズをうまく活用した「マスターカード」

SNSのバズを生かしたのが、同じく大会ワールドワイドパートナーのマスターカードだ。なんでも、同社アカウントがFacebookに投稿した写真が、ある男性の人生を大きく変えてしまったという。

Letter

その男性は、同社のアカウントに「内緒でラグビーW杯観戦に行っていたのがガールフレンドにバレて困っている」といったコミカルな苦情(ご丁寧にも同社CMのフレーズ「プライスレス」が使われていた!)を投稿。どうやらマスターカードがワールドカップの結果を伝える写真に、偶然写り込んでしまったのだとか(上記キャプチャー)。

それに対して、マスターカードは…

Reply

マスターカードは愛をあきらめるべきではないと考えています。 お二人のためのロマンチックなキャンドルライト、3コースディナーを手配させていただきます」と、返答。その返事が神がかっているとソーシャルでの話題をさらったのである。

あまりによくできた話だったため、一連のやりとりはマスターカードによる演出ではないかとの憶測まで飛んだ。しかし、マスターカードの広報担当者は「あくまで偶然の出来事である」とコメントしている。

速報でゲリラ戦に出た「ギネス」

同業者ハイネケンが大会の主要スポンサーだったことで、ゲリラ的なマーケティング展開を余儀なくされていたギネスは、計画的なアプローチよりも即時性の高いリアクションを重視する手法を選んだ。

その最たる例が、我々もよく知るところの日本による南アフリカ撃破の瞬間だ。この予想外の結果が「関心の波」を生み出すとして、ギネスはソーシャル向けのコンテンツ配信を急いだとされている。

この結果、ソーシャルメディア分析のFalconのデータによれば、ギネスはハイネケンと同等もしくはそれ以上の顧客エンゲージメントを獲得したとも言われているのである。

そして、2019年日本大会…

ちなみに、2019年に向けて、ラグビーワールドカップ公式サイトも動き出している。2015年10月9日よりロンドンで開催されたJapan Pavilionにて上映された、北斗の拳とのタイアップPVは必見だ。「サウザー率いる南斗軍がラオウ率いる北斗軍に立ち向かう、壮絶なラグビーバトル」をアニメで表現しているという。

日本では、2020年「東京オリンピック」の前年に開催となるラグビーワールドカップ。今大会での日本代表の活躍もあり注目度が高まっているだけに、各ブランド企業がどのようなプロモーションを展開していくのか今から注視していきたいところだ。

written by ワタナベダイスケ(参照記事
Images via Heineken.