インフルエンサーマーケティング、3つの「ありがち」な失敗

インスタグラムのアルゴリズム導入を受けて、引き続きインフルエンサーマーケティングはヒートアップしている。

しかし、問題が起きていないわけではない。コミュニケーション不足や経験不足ブランドとインフルエンサーの間での摩擦が原因で、マーケティングがうまく行かなかった例は多い。なかにはブランドから送られたマーケティングマニュアルの文章をそのままコピー&ペーストして投稿してしまうインフルエンサーもいる。

今回は、そんなインスタグラムマーケティングにおける、3つのありがちな失敗をまとめた。

1. インフルエンサーが間違って、ブランドとのやり取りを掲載

ブランドやエージェンシー側からインフルエンサーに「こんなキャプション文が案としてあります」と、文章のアイデアを渡すのは、よくある慣習だ。ソーシャル・メディア・エージェンシーであるクリエイティビックス・メディア(CreatiVix Media)のCEOビクトリア・レイタノ氏によると、インフルエンサーのフォロワー数が10万人を越えている場合は特に、キャプション文の案が送られることが多いという。そうすることで、ブランドはハッシュタグやショートリンクがちゃんとオーディエンスに最適な形で確実に届けられるようにしているのだ。

ブランド側がそれほどコントロールをしていても、失敗は起きる。先日、スーパーモデルのナオミ・キャンベルは、アディダスにスポンサーされているインスタグラムアカウントにおいて、マーケティングチームからもらった文章の全文を投稿してしまったのだ。そして彼女のアカウントの290万人のフォロワーに、それが見られることになった。ナオミ・キャンベルのもともとの投稿は次のようになっていた。

ナオミへ、

気分が良いみたいで良かったです!!!
こんな感じの文章を投稿してくれますか。

アディダスの皆と私の友達(@gary.aspden)のおかげ – アディダス・スペシアルの350SPZLは本当に大好き。? ??✊ @adidasoriginals

ミスに気がついた後、キャンベルはキャプションの前半部分を削り、後半はそのまま全く変更せずに残された。

Thanks to my friend @gary.aspden and all at adidas – loving these adidas 350 SPZL from the adidas Spezial range. ????? #thesearemine

Naomi Campbellさん(@iamnaomicampbell)が投稿した写真 –

アディダスの皆と私の友達(@gary.aspden)のおかげ – アディダス・スペシアルの350SPZLは本当に大好き。? ??✊ @adidasoriginals

リアリティ番組の出演者であるスコット・ディシック氏も、ブーティー(Bootea)プロテインについて投稿する際に、同じ失敗を犯してしまった。

こちら、東部標準時午後4時に、下記の文章を書いて下さい:

キャプション:オレの夏のルーチン・ワークアウトは、この@booteaukのプロテイン・シェイクで切り抜ける!

frank?
@frankiegreek
マーケティングチームのeメール全文をそのままインスタグラムのキャプションに貼り付けちゃったスコット・ディシック

レイタノ氏は「(こういった失敗は)インフルエンサーや彼らのエージェントがちゃんと注意を払わないために起きる。マーケターは引用マークを使ったりせずに、もっと見やすい広告コピーを送る、もしくはソーシャル・メディアをビジネスとしか考えていないような大きなインフルエンサーではなく小さなインフルエンサーとコラボレーションすることでこれを避けられる」という。

2. 「ネイティブ」のはずが型どおりのプロモーションに陥る

インフルエンサーとのコラボレーションが嘘っぽくなってしまうことが往々にしてある。

エージェンシー360iのインフルエンサー・マーケティングのシニア・バイスプレジデントであるレベッカ・マックイストン氏によると、たとえ何百万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーであっても、必ずしも高い投資対効果が望めるわけではない。ブランドとの関連性が高いコンテンツを提供しているインフルエンサーであれば、たとえば規模が小さくても、よりエンゲージメントを獲得できることがあるそうだ。

「ソーシャルにおけるインフルエンサーの人気度だけではなく、彼らのフォロワーとのやり取りやコンテンツのスタイルや、フォロワーのデモグラフィックも重要だ」と、マックイストン氏は語る。

「キャンベル氏やディシック氏の投稿、そしてキム・カーダシアン氏のつわり薬「ダイクルジス(Diclegis)」のスポンサー投稿はどれも良いインフルエンサー・マーケティングとは言えない。プロモーションであることが見え見えだからだ」と、インフルエンサー・マーケティング会社のアップフルエンス(Upfluence)の最高マーケティング責任者であるニコラス・ミアコン氏も言う。

「インフルエンサー・マーケティングはPR 2.0だ。ファンにとってはプロモーション的すぎる、こういったポストは嘘っぽく見える。ポストに関連性がないからだ。プロモーションコンテンツと比べて、ファンとのあいだでの会話形式になったコンテンツの方が、よりインタラクションが生まれる。ブランドのなかには、この点で勉強不足なところがある」。

インフルエンサーにクリエイティブな面での自由度を与えると同時に、ブランドはキー・ビジュアルやほかの必須事項に関して、彼らに的確なブリーフィングをするべきである。マックイストン氏とミアコン氏は、この点で同じ意見を口にした。

3. インフルエンサー・キャンペーンが規制違反である

連邦取引委員会の取り決めでは、ソーシャルフォロワーは「インフルエンサーとブランドの関係について知らされている必要がある」となっている。この点を厳密に守れていない失敗例は意外と多い。

最近の例では、デパートのロードアンドテイラー(Lord & Taylor)のインフルエンサーキャンペーンが、インスタグラム上でスポンサーコンテンツであることを公表しなかったとする申し立てがある。連邦取引委員会の決議が最近下されたが、このキャンペーンにおいてロードアンドテイラーはインフルエンサーたちに@lordandtaylorを画像のキャプション文に入れ、キャンペーンのハッシュタグである#DesignLabを使用するように依頼した。しかし、インフルエンサーたちは、それに対して報酬を受け取っていることを公表しなかったのだ。

契約書によるとロード・アンド・テイラーは50人のファッションインフルエンサーたちに対して、2015年3月27日と28日の週末にかけて、同社のデザインラボによるドレスを着た写真をインスタグラム上で投稿するたびに、1000ドル(約10万円)から4000ドル(約40万円)の報酬を払ったという。

360iのマックイストン氏は、「ブランドがルールを守ることは本当に大事だ。最近では連邦取引委員会の規則順守に関してメディアが取り上げることが多い。なのでインフルエンサーと、どのようにコラボレーションすれば良いか、いまは理解が深まっていると思う」と、語った。

Yuyu Chen(原文 / 訳:塚本 紺)