インスタグラムを「顧客対応」に利用するブランドが急増:「コンタクト」ボタンで効率化

「カスタマーサービスツール」として、インスタグラムを利用するブランドが増えている。

高級デパートのノードストーム(Nordstrom)や化粧品メーカーのベネフィット(Benefit)、航空大手のデルタ(Delta)、ファミリーレストランチェーンのデニーズ(Denny’s)など、すでに複数の企業がインスタグラムの新しい「コンタクト」ボタン経由でカスタマーからの問い合わせを受け入れた。「コンタクト」ボタンを使えば、消費者は電話やショートメッセージ、メールで直接、ブランドとコミュニケーションができる。

デジタルエージェンシー ヒュージ(Huge)のソーシャルメディア部門でアソシエートディレクターをつとめるケビン・デル・ロザリオ氏は次のように述べた。「(インスタグラムの)『コンタクト』ボタン導入のメリットは、商品の評価管理やカスタマーサービスにおいて、もっとも早い段階でブランドの危機に気づくことができることだ」。

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何なりとお申し付けください。デニーズ

業務効率化のメリットあり

「コンタクト」ボタンは、顧客とのコミュニケーションを合理化し、回答率の増加を期待できることから、ブランドの業務を簡素化できる。たとえば、マスマーケット向けコスメブランド、ガルニエUSA(Garnier USA)は「コンタクト」ボタンをコンシューマーケア・コールセンターとつないでいる。ソーシャルメディア・アシスタントマネージャーであるジュリア・ウエスト氏は問い合わせを選別する手間から解放されたという。一方、ユーザーはコールセンターに誘導される機械的なメッセージを聞いたり、フリーダイヤルを入力するという苦労から解放される。

化粧品メーカーのローラ・ゲラー・ビューティー(Laura Geller Beauty)は、現在、日に数件の質問に対応しているのみだが、ホリデーシーズンのインスタグラムでの商品プロモーション期間中は、問い合わせが増加すると述べる。インスタグラムの「コンタクト」ボタンは、インサイトツールや「プロモート(宣伝)」機能、コメントのフィルタリングを通して、より広告とビジネスに適したプラットフォームであることを示そうとしている。

ローラ・ゲラー・ビューティーでグローバルEコマース担当兼エグゼクティブディレクターのミラ・メンデス氏は言う。「ホリデーショッピングのシーズンが近づくと、インスタグラム投稿のキャプションを活用してプロモーションをさらに強化するつ。我々のようなブランドはインスタグラム経由でユーザーの問い合わせが増加することを期待している。このサービスは、配達予定日や限定商品、製品の色合い、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、特別セールキャンペーンについて、顧客がもっとも手軽に商品に関する問い合わせを行える新たな方法である」と語った。

カスタマー機能統一でもやはり人が必要

コンタクトボタンはすべての機能を1カ所に集中させているため、インスタグラムの外にカスタマーを追い出す必要がない。これにより、ユーザーがブランドとスムーズにコミュニケーションを取りやすいというメリットがある。しかし、広告代理店ワンダーマン(Wunderman)でコンテンツおよびソーシャルメディア戦略部門の責任者をつとめるエリザベス・ゴーポール氏は、問い合わせに対して自動応答機能を利用するのは避けるべきだと警告する。「クリックボタンの問い合わせ先には、生身の人間がいるべきだ。誰もボットと会話をしたり、自動化された回答でやり取りをしたいとは思わないだろう」。

「インスタグラムにとってTwitterの戦略は良い手本になるだろう」。デジタルマーケティングエージェンシー アイクロッシング(iCrossing)のシニアソーシャルストラテジスト ゲイリー・ニックス氏はいう。Twitterは大手ブランドのカスタマーサービスチャンネルという立ち位置を見事に確立した。ユーザーのどんな反応にも臨機応変に対応できるようにしてきたことで、顧客がブランドに直接ツイートできるだけでなく、個人情報が必要な場合には、ブランドもダイレクトメッセージを送ることができるようになった。だが、「インスタグラムストーリーズ(Instagram Stories)」が登場するまでは、インスタグラムに対するダイレクトメッセージ機能導入の声は忘れられていた。

「どのタイミングでインスタグラムがコンタクトボタンをダイレクトメッセージとして利用できるようにするのか楽しみだ。もし実現すれば、ブランドはよりプライベートで人間的なコミュニケーションをインスタグラム上で提供できるようになるだろう」とニックス氏は述べる。

Tanya Dua (原文 / 訳:ガリレオ)