Advertising Week Asia 2017、注目はAI・VR・透明性の問題:橋本環奈さんも応援

世界最大の広告の祭典、Advertising Week Asia 2017(以下:AWAsia 2017)が5月に開催される。

それに先駆け、4月18日、「Advertising Week Asia 2017事業戦略発表会」が赤坂ガーデンシティで行われ、Advertising Week CEOのマット・シェクナー氏とAdvertising Week Asia 事務局長の笠松良彦氏が、今回新たに紹介されたイベントの目玉となるキーノートスピーカー、一部講演のテーマ、そして今年のホットなトピックについて発表した。

シェクナー氏は、2004年のニューヨークでの第1回開催当時には存在していなかったLINE、Baido、そして、まだ新興企業だったGoogleとFacebookの市場での急成長と、今後は今年の11月に南米で、2018年8月にはシドニーでアドバタイジング・ウィークを開催することについて言及。DIGIDAY[日本版]の取材で、同氏は「アフリカのマーケットも視野に入っており、アジアはその国際的な影響力を無視できない状況になっている。たとえば、中国はかつてコピー問題が深刻だった。だが、これからはイノベーションがシリコンバレーではなく中国で起こるようになるだろう」と話した。

同氏は今回のイベントで注目されるのはAI、VR技術、そして透明性の問題だと語る。「消費者にとってはコンテンツを消費する方法がたくさんあり、その配信方法も多様化されている。そんななか、透明性はブランドにとってもアドテクにとっても課題のひとつだ。すべての人が、消費者の信頼を損なわないために気をつけるべき。我々の責任はこのような複雑な問題に対してもライトをあてることだ」と語った。

Advertising Week, CEOのマット・シェクナー氏とAWAsia 2017のワンデイ・アンバサダーに就任した橋本環奈さん。

Advertising Week, CEOのマット・シェクナー氏とAWAsia 2017のワンデイ・アンバサダーに就任した橋本環奈さん。

なお、本イベントにはワンデイ・アンバサダーとして、女優の橋本環奈さんが、イベントカラーの深い青のドレスを着て登場した。

新たに発表されたAWAsia 2017の目玉となるキーノートスピーカー

AWAsiaは参加の敷居が低い広告イベントでありながら、ワールドクラスの経営者たちが目玉として登壇する。以下は、今回の事業戦略発表会で発表された新しいスピーカーたちだ。

マッキャン・ワールドグループCEO ルカ・リンドナー氏

クリスピン・ポーター+ボガスキー会長 チャック・ポーター氏

Google グローバル・アドバタイジング担当 マネージングディレクター ダン・テイラー氏

TBWAワールドワイド会長 ジャン=マリー・ドリュ氏

注目セッションの講演テーマ

続いて笠松氏が、すでに公表されていたスピーカーの講演内容のテーマと概要を紹介した。

株式会社SUBARU代表取締役社長 吉永泰之氏

「個性を活かして生きる」

2000年代まで厳しい状況にあったSUBARUを4期連続過去最高の売上高および高い利益率を成し遂げ、習慣や既成事実を見直し、社内のカベを打ち破って強力なSUBARUブランドを構築するまで。量よりもクオリティーを重視していくために、社内変革には何が必要なのか。

Facebook 最高製品責任者(CPO) クリス・コックス氏

「Facebook イノベーション」

生活者とブランドはどのようにFacebookを活用しているのか。将来はどのようなFacebookのコミュニケーションが生まれるのか。またブランディングの世界について、Facebook CPOのフォーラムでの基調講演は初。

日本マクドナルド株式会社 代表取締役社長兼CEO サラ・カサノバ氏

「日本マクドナルドのビジネス転換とカスタマー・エンゲージメント」

約3年前に日本マクドナルドが厳しい社会環境にあった当時に社長に就任したカサノバ氏。就任後は日本全国の店舗をまわって、何が顧客に必要なのか、どうやって顧客に向き合うべきかを考えながら改革を進めた。昨今では黒字化しており、この先どういった発展を目指すのかについて。

この他にも、P&Gジャパン 代表取締役社長 スタニスラブ・べセラ氏も登壇し、世界最大の消費財メーカーであり、広告主として、P&Gのコミュニケーション、ブランディングについて講演する。

音声認識が世の中のコミュニケーションを変える

今回の発表会では、Advertising Week Asiaがターゲットにしているデジタルネイティブ世代に向けたコミュニケーションのあり方について、パネルディスカッションが行われた。登壇したのは、アンカースター株式会社 代表取締役の児玉太郎氏、ブルーカレント・ジャパン株式会社 代表取締役社長の本田哲也氏、LINE株式会社 上級執行役員の田端信太郎氏。「デジタルネイティブのその先へ」というテーマで議論された。

児玉氏は「今後もっとも大きく変化するテクノロジー分野のひとつとして、言語処理能力を活用した音声認識がある。どんどん世界の距離が縮まっていって、コミュニケーションのビッグバーンが起こる」と指摘。

言語の壁がなくなることに対して、本田氏も「動画によって世界の壁も超えやすくなっているので、マイクロインフルエンサーの影響力もさらに高まるだろう。PRにおいては、属性を細かに理解して生っぽくなっていく」と語った。

パネルディスカッションの様子。

パネルディスカッションの様子。

音声認識が普及すると画面がなくなる

田端氏は「音声認識自体は前からあったが、自然な会話が出来るようになればすごいブレークスルーになる」と言及。LINEは今年の夏に「Clova(クローバ)」というAIプラットフォームをローンチする予定だ。また、LINEの5年後について聞かれた田端氏は「我々はせいぜい2〜3年が水平線の先なので、どうなっていくかはまったくわからない。しかし、FAXや電話並にLINEが普及したとき、小売の場面で決済方法にも大きな変化が起こるだろう」と語った。

LINEが若者の主要なコミュニケーションツールになっていることについて、本田氏は「クローズドの環境のなか、どういう状態でどのようなコミュニケーションが生まれるのかを理解しなければいけない。人の行動が変わる変化を見るのが面白い」と語った。

児玉氏は「5〜10年後に音声認識が普及すればスマホの画面がなくなると思う。目を支配されていると行動が制限される。それがなくなれば、マルチタスキングが出来る世の中になるはず」と未来のデジタルネイティブのコミュニケーションについて語った。

Advertising Week Asia 2017は、5月29日から6月1日の4日間、六本木・東京ミッドタウンにて開催され、テクノロジーがどのようにビジネス、コミュニケーションを変革させるかについての議論が交わされる。シェクナー氏は、「参加者は貴重なキーノートの講演から学び、イベントを通してインスパイアされるはずだ」と、期待を込めた。

Written by 中島 未知代
Photo from Vector