「衝動買い」ユーザーを制するものが eコマースを制する?:購入動機に関するAOL調査

スマートフォンの登場は、消費者のショッピング行動さえも大きく変えた。

AOLとマーケティングコンサルタント企業のインサイトナウ(InsightsNow)は2016年4月、「消費者のオンラインショッピング行動を形成する7つのモーメント」というホワイトペーパーを発表した。それによると、消費者によるオンラインショッピング行為のうち66%は、なんらかの感情的なニーズに動かされた「衝動的」な動機によって引き起こされているという。その一方、「計画的」な動機は、30%しかないようだ。

この背景には、モバイルインターネットの普及以降に整った、いつでもどこでもショッピングが行える環境が挙げられる。いまや自宅のリビングルームはもとより、ベッドのなかやトイレからでさえ、商品の注文ができるようになった。つまり我々は、モバイルを通じてインターネットを徘徊するなかで、「衝動買い」をすることが多くなったというわけである。

同ホワイトペーパーのなかでAOLらは、前置きとして次の過去の調査結果を示していた。いまやオンラインショッピングが行われる場所は、デスクトップの前だけではない。

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そのうえで同社らは、16の商品カテゴリーにわたって、アンケートを実施。対象となったのは、米国在住の18〜64歳の消費者だ。そうして得られたほぼ2万件の回答から、オンラインショッピング行為における動機を7つに分類したという。さらにそれらを大きく「計画的」なものと「衝動的」なものの2つに分けた。その一覧が次のものだ。

■「計画的」なオンラインショッピングの動機
・お買い得品ブラウジング : 特価品や最低価格を求めるという動機
・問題&解決ブラウジング : 日々の問題を解決するという動機

■「衝動的」なオンラインショッピングの動機
・暇つぶしブラウジング : 文字通り暇つぶしという動機
・ドーパミンブラウジング : ショッピングで快楽を得るという動機
・ミータイムブラウジング : ウィンドウショッピング的な動機
・エキスパータイズブラウジング : 最新情報を得るという動機

■「計画的」「衝動的」のどちらでもない動機
・ラビットホールブラウジング : 無意識のオンラインショッピング行為

それぞれの動機の内訳が、次のとおりになる。

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インターネット以前、ショッピングするという行為は、ある程度の覚悟を決めてから、実際に店舗へ訪れなくては実行できなかった。しかし現代では、何の気なしにモバイルでインターネットをブラウジングしているうちに、いつの間にかショッピングモードに入っている自分に気づくことがある。もちろん意識的にコマースサイトを覗くこともあるが、そのどちらでもないという瞬間もないわけではない。

そんな境界線のあいまいなオンラインショッピング体験が、このグラフにはよく表れている。「計画的」な動機よりも「衝動的」な動機の方が2倍も多いというのも、うなづけるだろう。

多くの場合、オンラインショップにおけるマーケティングは計画的・意図的なショッピングを行うユーザーに対して注力される。それに対し、どちらかといえばショッピング行動の予測・誘導がしにくい衝動買いのような感情的ニーズについての働きかけは困難だと思われてきた。

しかし、このホワイトペーパーを見る限り、eコマースにおけるチャンスは、「衝動買い」にこそ秘められていることが感じられる。

Text by ワタナベダイスケ
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