Snapchatから購入ページへ消費者を誘導する「賢い方法」:新機能「メモリー」でSKUを表示

女性用衣料品の小売業者ロフト(Loft)は、Snapchat(スナップチャット)を利用しはじめるのが遅かったが、アプリを使用中のフォロワーが「ストーリー」から購入画面へ遷移できるような施策をすでに実施している。

同社は、8月最後の週末にSnapchatアカウントの使用を開始。最初の投稿で、イベント参加のためにシカゴへ行ったことを報告した。ロフトのソーシャルチームは、この旅と商品をうまく組み合わせ、ロフト製品を主題にしながら、まずは荷造りの手ほどきをして、続いてシカゴの街を案内してくれた。

それからロフトは、Snapchatのコンテンツを保存できる新機能「メモリー(Memories)」を活用して、旅行中に取り上げたアイテムのシンプルな商品写真をアップロード。

なかには、ベルトの写真のように、製品のサイズがわかるように撮影されたものもある。たとえば、クルクルと丸まった極細のベルトが口紅と並んでいるスナップは、スーツケースのなかでいかに場所を取らないかがよくわかる。

ベルトとリップスティックのサイズを比べた投稿

極細ベルトと口紅のサイズを比べた投稿

スタイルナンバーを賢く利用

アップロードされたほかの写真も、アイテムの名前を記した商品ページを単に示しているだけだ。Snapchatでフォロワーを集めても、これだけでは情報が足りない。そこでロフトは、スタイルナンバー、すなわちGoogleで検索してオンラインショップの製品ページへ行くための固有の在庫管理単位(SKU)を付けている。

「ロフトでは、Snapchatが培ってきたコミュニティーに合わせた、親密な発言を生み出すことに神経を使ってきた」と語るのは、ロフトのマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるミッシェル・ホロウィッツ氏だ。「このプラットフォームは、制作にそれほど気を使わずに済むので、我々は軽快に動ける」。

ロフトのSnapchat戦略は、たとえアプリ経由で直接購入できなくても、Snapchatの「ストーリー」と製品を関連づけたいと考える小売業者たちのトレンドにも当てはまる。そこで、ロフトは、Snapchat内でプロダクトプレイスメントを実践することをためらわなかった。

「メモリー」機能がポイント

オンラインファッション販売のリボルブ(Revolve)も、Snapchatやインスタグラムで同様の戦略を取り、見たものを買いたくなった人々を正しい方向へと誘導してきた。だがリボルブの場合、Snapchatにおいては、スナップが表示されているときにリアルタイムで行動を起こす必要がある(一定の時間で消えてしまうから)。

これに対しロフトは、一歩下がって、製品のスタイルナンバーを知らせるときは、常にSnapchatの「メモリー」機能を使って製品を探せるようになっている。コードのストリーミングをはじめるまで、ロフトは、「この『ストーリー』を購入する(shop this story)」というフレームを活用して、実際の「ストーリー」が終了し、買い物の時間がはじまったことを伝えていた。

この戦略は、相対的には少なくても、ブランドにとって重要な意味をもつ数の消費者に適用できる。つまりより顧客となる可能性が高い消費者だ。

ユーザー体験を尊重した方法

ソーシャル・データ解析企業ダッシュ・ハドソン(Dash Hudson)の最高経営責任者(CEO)を務めるトーマス・ランキン氏は、次のように語る。「スタイルナンバーを覚えている人はまずいないだろう。だが、保存しておいてゆっくり考えられるものであれば、後で探すのも楽になる。探し出す方法がまったくないよりはましだ。インスタグラム上では買い物をする方法がいくつかあるが、Snapchatではほかに手段がないので、これは特に重要だ」。

スタイルナンバーが示された画面

スタイルナンバーが示された画面

ロフトは、Snapchatを利用しはじめてから日は浅いが、すでに「ストーリー」とパフォーマンス計測を結びつけている。これは、GAP(ギャップ)のような、ほかの小売業者にはできそうにないことだ。

GAPはSnapchatを使った取り組みとして、ブルックリン・ユナイテッド・マーチング・バンド(Brooklyn United Marching Band)のパフォーマンスを取材したり、『コンプレックス(Complex)』誌と共同で、ワークアウトセッションをストリーミング配信したりしている。一方ロフトは、それぞれの「ストーリー」から得られるデータを追跡して、スクリーンショット数や閲覧回数、チャットが送信された回数、フォロワーの増加数、ソーシャルからストアへのトラフィックなど、製品に対する関心度を測ってきた。

ランキン氏によると、この戦略は、ユーザー体験を邪魔しないので、賢いやり方だという。ユーザーは、(「いますぐ購入」と促されるのではなく)プラットフォームにふさわしいコンテンツをちゃんと入手し、あとから製品のひとつを見返したくなったら、それもできる。

後追いするブランドは少ない

だが、この方法を採用するブランドは増えない。その理由はたぶん、小売業者の「ストーリー」のなかにSKUがたくさん入るのは、あまり見栄えがよいものではないからだろう。

「あるブランドは、キャプションを極めて神聖視している」とランキン氏は言う。「そういったブランドがロフトにならおうとしないのは、もっと賢いやり方、あるいは行動喚起を代わりに利用したいからだ。だが、フィードをブラウジングしているほとんどの人にとって、そんなのはどうでもいいことだろう」。

Hilary Milnes(原文 / 訳:ガリレオ)