インスタ上での差別化に腐心する、ファッションブランド:いまやショーよりもSNS攻略が大事?

靴とアクセサリーのブランド企業であるアルド(ALDO)は、単なるファッションの枠を超えたインスタグラムマーケティングを実施している。

協力を呼びかけたのは、業界外の各界の著名人。そこには、フラワーアレンジメント職人からギフトラッピング職人、果てはパンやお菓子の職人たちまでが揃っていた。彼らにインスタグラムにおいて、自らの専門性やキャリアが自身のファッションに、どんな影響を及ぼしたのかを語ってもらっている。

#INSPIREDxALDO」と名付けられた本キャンペーン。その名前が、そのままハッシュタグとして利用され、高いエンゲージメントを生み出した。企画したのは、ケトル(Kettle)というエージェンシーだ。

いまや、デジタルデバイスを用いて、いつでもどこでも好きなだけファッションの情報を得られる時代。そんななか、いかに自社の情報を目立たせるかを突き詰めた結果だという。

あくまで個人のスタイルに着目

「#INSPIREDxALDO」キャンペーンが開始されたのは、2015年12月の第1週。シェフ兼フードスタイリストであるカレン・モルデカイ氏が、得意とする塩チョコレートケーキをインスタグラムで披露。そして、アルドの最新コレクションのなかからモルデカイ氏が気に入ったアクセサリーを、ささやかに写り込ませてある。

@SundaySuppers dolls up her dish with a dash of purple pistachios and a splash of creme fraiche. #INSPIREDxALDO

ALDO shoesさん(@aldo_shoes)が投稿した写真 –

また、フローラルデザイナーであるブリタニー・アッシュ氏もキャンペーンに参加。アッシュ氏はクリスマスの装飾として「エギゾチックなヤドリギ」を制作している。ほかにもギフトラッピングからアイデアを得たホリデー用の装飾を製作するマルチデザイナー、リータ・ソビエラジュスキー氏や、ニューイヤーカードの撮影を行う写真家のポール・オクタヴィウス氏も参加予定だという。

「ソーシャルメディアは、ファッションに対する概念を単なる『最新のトレンド』ではなく、『トレンドによって形作られる個人のスタイル』というふうに変化させてきた」と、ケトルのソーシャルメディアマネージャーであるクリス・ギルバート氏は話す。「彼らのように影響力をもった著名人たちと仕事をすることによって、ブランド企業は信頼を得ることができる。さらに、その信頼によってより本物に近づくことができ、著名人のファッションを手の届かないスタイルから、手の届くものに変化させることができる」。

インスタでの差別化が重要

ファッションや美容ブランドの企業たちは、ほかのどのソーシャルプラットフォームよりも、インスタグラムを選択することが多くなってきている。これはインスタグラムからとてつもない数のオーガニックリーチ数とエンゲージメントを得られるからだ。データ分析企業であるL2の報告書によると、美容ブランド企業の95%はインスタグラムを使用しているというが、驚きはない。この数字は、2013年10月と比べると、78%もの上昇率である。

アルドのインスタグラムには58万8000人のフォロワーがいて、ギルバート氏はこのフォロワーたちのことを「ソーシャルメディアでのファッション文化が集まる場所」としている。アルドは、ファッションショーで同ブランドのプロダクトを身につけるモデルたちに注力するよりも、「プラットフォーム内でどう自社ブランドをほかと差別化していくか」のほうが重要だとする。「同業内のブランドがどれも似通ってしまっているなか、はっきりとブランドを識別させることが困難である」からだ。

アルドは2015年8月にもインスタグラムで実験を行ったが、このキャンペーンのペイドメディアであるFacebookにも注目している。また、Pinterest(ピンタレスト)でも、著名人たちが選んだ商品にピンをして、ボードを作っている。ほかにも、「Inspiration is Everyone(誰もがインスピレーション)」というコンペを開催し、アルドを魅了したアイデアを提供した者に250ドル(約3万円)のアルドギフトカードを贈呈している。

Tanya Dua(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image from #INSPIREDxALDO