コラム:ブランドたちよ、偽ニュース撲滅に立ち上がろう!

本記事は、メディアエージェンシーMEC社マネージングパートナーであるアダム・ブロイトマン氏による寄稿となります。

◆ ◆ ◆

広告主は、偽ニュース問題解決の責任を負う必要がある。多くの広告主が、リーチとフリークエンシー数が達成されているかぎり、自らの広告の行き先について、データを開示することをいまだに求めていない。広告主が偽ニュースを見て見ぬふりをしている限り、悪人を助長する仕組みになってしまうだろう。そして、偽ニュースの蔓延に対して立ち向かわなければ、パブリッシャーやテクノロジー企業への非難が、広告主にも向けられることになる。

ブランドがメディアやエンターテインメント資産に関連づけられることを望まないのであれば、ハリウッドでのプロダクトプレースメントは、さほど重要ではないかもしれない。しかし、ジェームス・ボンド映画に車両が使用されている自動車メーカーの場合、そのブランドストーリーはアドべンチャーと同意義になる。

では、ローマ法王のドナルド・トランプ支持についての記事の横に広告が表示されたら、そのブランドストーリーはどうなるだろう? その記事の意図が風刺的である場合も問題だが、記事が事実として位置づけられている場合は別の問題が出てくる。ブランドとして広告が掲載される場所で、そのブランドが判断され、信頼性に欠けるメディアの横に広告が掲載されれば、そのブランドの信頼性も失われる。

ついてまわる個人的責任

ダブルベリファイ(DoubleVerify)というベンダーは、広告主の広告を、不適切な場、もしくは詐欺まがいの記事の周辺に掲載しないようにするツールをローンチしたばかりだ。同社CEOのウェイン・ガッティネラ氏は、「信頼と透明性は、デジタルメディアの成長に不可欠」という。もうすこし踏み込んで表現するなら、信頼と透明性がすべてのメディアにとって重要であり、その結果、社会にとっても重要な意味をもつということだ。

広告主として、自分自身で自分の広告を守らなければならない。そうしなければ、メディアのエコシステム全体の汚染に加担することになる。別に、ダブルベリファイでなくてもかまわない。競合他社のサービスでもいいだろう。いずれにしても、もう言い訳も、先延ばしすることもできないところまで、事態は進展しているのだ!

広告やメディアの仕事をしていれば、偽ニュースに対抗するという個人的責任は必ずついてまわる。それは、社会の情報の流れに影響を及ぼす意思決定を下すという責任を負う、限られた人間のひとりだからだ。ファクトチェックをしてくれる「スノープス(Snopes)」のようなサイトを利用することに加えて、Googleが実施している事実確認作業についても一読するべきだろう。

ニュースメディアの最大後援者

Webサイトを運営しているのであれば、「クレームレビュー(ClaimReviews)」に対するSchema.orgのマークアップについて、もっと知識を深めることを検討するべきだ。さらに、ソーシャルサークル、同僚、そして(エージェントであるなら)クライアントに、免責事項とともに、偽ニュースを広めないようにさせる責任もある。これは、メディアバイイング担当者が自分の広告が偽ニュースの制作資金源にならないことを確実にする助けとなるだろう。

文化はメディアによって形つくられる。しかし、社会として、メディアを駆りたてる文化を我々が形つくっており、広告主として出資することでメディアのエコシステムにエネルギーを注ぎこんでいる。広告スペースを利用する人間として、メディア所有者に、我々が要求することに対して、責任を持って行動を促すことが不可欠だ。偽ニュースの隣に広告掲載されることに妥協していれば、偽ニュースは引き続き生み出され、そのサイクルが継続される。ニュースメディアの最大後援者として広告主は、偽ニュースの撲滅に影響を与えることができる。あなたの影響は何だろう?

Adam Broitman (原文/ 訳:Conyac
Image via Thinkstock / Getty Images