アバクロ、半裸接客を止めても「不満足度」全米1位となる

日本でも「アバクロ」の略称で知られる、米カジュアルウェアブランド「アバクロンビー&フィッチ」。人種差別的言動が目立ち、お騒がせCEOとして知られたマイク・ジェフリーズ氏が退任後、企業改革を進めている最中だ。しかし、そんななか、2015年の米国でもっとも嫌われている小売店という不名誉なランク付けをされてしまった。

米国における顧客満足度指数(ACSI=American Customer Satisfaction Index)の最新調査結果(2015年版)によれば、アバクロの顧客満足度は65点という低スコア。これは小売店の分野では最下位ということなる。今回初めて調査の対象となった同ブランドにとって、この結果は幸先の悪いスタートになったと言わざるを得ないだろう。

この悲惨なスコアは、ACSIのリサーチ・ディレクターを務めるフォレスト・モーガソン氏でさえ驚くほどの結果だった。彼は「CNNMoney」の取材に対し、「通常はウォルマートのような独占力のあるメガ・チェーンのランキングが低くなる傾向にあるのだが、そこまでの規模ではないアバクロがここまで低スコアになるとは思わなかった。この結果は同社に深刻な問題をもたらす可能性がある」と語っている。

半裸接客を止めたアバクロ

たしかに、アバクロにつきまとうネガティブなブランドイメージの原因の一端は、前CEOマイク・ジェフリーズ氏にあるのかもしれない。

しかし、彼を2014年に退任させてからのアバクロは、上半身裸のイケメン店員による接客をやめ、挑発的なロゴ入りの服を廃止して、価格も従来より下げるといった企業改造の真っ只中にある。

また、モバイルに注力し、商品デザインもカーゴパンツとフーデッドパーカーのムキムキマッチョなイメージから、より落ち着いた路線へと舵を切りつつあるだけに、現経営陣にとってこの評価はつらいものがあるはずだ。

満足度不信は業界全体の傾向

そんななか、アバクロにとって明るい兆しがあるとすれば、この調査における小売業全体の満足度が下降しているということだろうか。

この要因としては、現在の小売業者たちが顧客サービスの向上にあまり力を入れていないということが挙げられる。米国の景気回復傾向を受け、彼らは買い物客を獲得するためのハードな争奪戦を繰り広げる必要がないのである。ちなみに、この調査で「もっとも好まれている小売業者」であるとされるコストコの顧客満足度でさえ、2014年の調査から4ポイントダウンの81点に留まっているのだ。

なお、アバクロの現CMO(最高マーケティング責任者)であるフラン・ホロヴィッツ氏は「昨年以降、我々はすべての企業活動を顧客中心主義にシフトしている。その結果として得られたマーケティングデータは、顧客からのポジティブな反応がうかがえるものだ」として、今後についても「我々の取り組みと新製品はショッピング体験を改善し、来年の顧客満足度を必ず向上させるはずだ」とコメントしている。

失われたブランド価値は企業改革によってどこまで回復できるものなのか、注目されるところである。

Jordan Valinsky(原文 / 訳:ワタナベダイスケ)