最新「360度ビデオ」動向、5つのブランディング活用事例:先端ガジェットからエクストリーム、日常風景まで

VR元年として期待される2016年。いま、ブランディング関係者の目をもっとも惹きつけてやまない最新テクノロジーは、オキュラス・リフトなどのVRゴーグルが実現する、360度の映像体験だろう。

これがいかに話題性があるかは、先週ラスベガスで開催された家電見本市「CES2016」のニュースを調べてみれば、誰もがすぐに理解できるはずだ。そしてなにより2016年の我々は、FacebookやYouTubeといった有力プラットフォーマーによって、全天球ビデオが本領を発揮しはじめる姿を目の当たりにすることになるに違いない。

こうした状況について、クリエイティブエージェンシー、AKQAのメディアマネージング・ディレクターであるスコット・シモンズ氏は、「これからの展開にはいくつかの弾力的な方向性が考えられる」と語る。映像マーケティングの今後を読み解いていくためのヒントとして、本記事では著名ブランドが取り組んだ、最新の全天球ビデオ活用事例を紹介していく。

先進的な技術力をアピール

新興の電気自動車(EV)メーカーであるファラデー・フューチャー(Faraday Future)社は、CES2016で最新EV「FFZERO1」を発表すると同時に、乗り心地を疑似体験できる360度ビデオを公開。テスラのライバルと目される同車のローンチを派手に演出した。

マーケティングエージェンシー、DXエージェンシー(DXagency)の共同設立者であるベン・ホーデル氏によれば、こうした手法は自動車や、長い間待望されていた注目製品に最適だという。また、同氏は「市場に最新技術を誇示するという目的にも(全天球ビデオは)マッチするだろう」と述べた。

試合前の臨場感を収録

米国ではNFLと並ぶ、フットボール人気の牽引役であるカレッジフットボール。そのトップチームであるクレムゾン大学とスタンフォード大学は、チームや学校のアピールにFacebookの全天球ビデオを活用した。

特にスタンフォードは、元日に開催された試合「ローズボウル」のウォームアップ風景をグラウンド・レベルで360度撮影。全米のフットボールファンに臨場感のある映像を提供している。こうした試みは、やがてより多くの観客がスタジアムへ足を向けるきっかけとなるかもしれない。

360-degree view of Stanford's warm-ups at the Rose Bowl

You've never seen the Rose Bowl Stadium like this before! Here's your 360-degree look at Stanford Football's warm-up before today's Tournament of Roses – Rose Bowl Game.The 102nd Rose Bowl is coming up on ESPN!

Posted by Pac-12 Conference on 2016年1月1日

 

メディア・エージェンシー、ランドリー・サービス(Laundry Service)のジェイソン・スタインCEOは「ブランドやエンターテインメント企業は、これまでに味わえなかった場所やシチュエーションでの体験にフォーカスすべきだ。ユーザーはそれを求めている」と語った。また、今後3カ月でさらに10本の全天球ビデオを撮影することになっているという。

極限環境での撮影性能を強調

ご存知の通り、エクストリーム・スポーツなどで決定的瞬間をとらえるためのアクションカメラ市場において、代表的なメーカーといえばGoProだ。その認知度の高さたるや、このカメラで撮影されたサーフィンの様子をおさめた360度ビデオを、マーク・ザッカーバーグCEOが自身のFacebookに投稿しているほどだ。

Check out this 360 video of surfing in Tahiti shot by our friends at GoPro. I love these new 360 videos on Facebook — they feel so much more immersive.

Posted by Mark Zuckerberg on 2015年11月13日

 

先のベン・ホーデル氏は、こうしたGoProスタイルのビデオについて「これらは極端で刺激的なだけでなく、これまでのカメラでは一部しか見えなかった映像の世界に、より全体的な視点を与えている」と述べた。

何気ない風景も全天球で

これは先述のエージェンシー、ランドリー・サービスが手がけたロックフェラー・センターのスケートリンクを撮影した全天球ビデオ映像だ。クリスマス・シーズンにマンハッタンの中心部が人々で賑わう様子を見ることができる。

Here’s ANOTHER ONE. Enter the Rock.

Posted by Cycle on 2015年12月22日

 

この映像は、エベレスト登頂のような非日常の世界だけでなく、こうした日常の光景にも全天球ビデオが用いられるようになってきたことを示す。

インタビュー映像でも全天球ビデオ

そして最後に、非常に興味深い360度ビデオを紹介しよう。ウェブメディア・パブリッシャーのBuzzfeedは、マイクロソフトのCEOサトヤ・ナデラ氏に対するインタビューにおいて、全天球ビデオを使うという試みを実施している。

こうして事例を見ていると、テクノロジーのアピールやスポーツ以外にも、臨場感のある全天球ビデオの可能性は、まだ広がりそうだ。

Written by ワタナベダイスケ(参考記事