本物の「ソートリーダー」をあぶり出す 8つのチェック項目:失業中コピーライター(54歳)の告白

このコラムの著者、マーク・ダフィ(54)は、広告業界辛口ブログ「コピーランター(コピーをわめき散らす人)」の運営人。米大手Webメディア「BuzzFeed」で広告批評コラムを担当していたが、2013年に解雇を通達された、業界通コピーライター。

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昨今のデジタル時代には、スマートな思想をもった、スマートな人が大勢いる。あんたも、そんなひとりかもしれないな。だが、そんなあんたでも、「ソートリーダー(thought leader:思想的リーダー)」と言えるだろうか?

「オックスフォード英語辞典」によると、この言葉は、1887年にはじめた使われたもの。奴隷廃止を訴えていた聖職者ヘンリー・ウォード・ビーチャーを「米国でもっとも偉大なソートリーダーのひとり」と、呼び称していたのだという。

1990年代のある時点から、マーケティングに関わる輩が当然のように、この言葉を我が物顔で使いはじめた。彼らは、その意味を修正したり、少し拡大解釈したりして、クライアントが自分たちの思想により多くのお金をつぎ込むように仕向けてきたわけだ。

現在では、コンテンツマーケターたちが、ソートリーダーという種族に多くの新しい亜種を作り出すまでに至った。エバンジェリストのソートリーダー、社内起業家や情報起業家のソートリーダー、eソートリーダー、「思想の」ソートリーダーまで存在する。

だが、疑問は残る。あんたは本物のソートリーダーだろうか? 実は、本物のソートリーダーの証となるサインがいくつかある。

あなたはスキンヘッドか?

髪の毛の量が多すぎると、思想の出入りの邪魔になるらしい。1980年代の「ヘア・メタル」の歌詞や、シンギー(Shingy)の愛称で呼ばれるソートリーダー、デヴィッド・シングを見ればわかるだろう。

それに対して、スキンヘッドの天才セス・ゴーディンは、マーケターたちにとっては単なるソートリーダーではない。彼は「神」だ。物事の神髄をとらえた数々の引用を見てほしい。ゴーディンの独自理論「プロジェクト成功のための7要素(Acute Heptagram of Impact)」を理解した私は、いまではマーケティングソリューションの夢ばかり見ている。おまけにマーケターに魅力を感じるようになった。

(左から)マーク・アンドリーセン氏、セス・ゴーディン氏、リチャード・リディック氏

みんなが片方に向かうとき、あなたは別のほうへ行くか?

ほかの人たちが片方へ舵を切ろうとするときに、あなたは別のほうへ進もうとするだろうか? ほかの人たちが休むとき、あなたは闘うだろうか? ほかの人たちがバントするとき、あなたは長打狙いのフルスイングをするだろうか? 

ほかの人たちが岩棚からゆっくり降りるとき、あなたは飛び降りるだろうか? ほかの人が弾を1発込めてロシアンルーレットをやるとき、あなたは5発込めるだろうか? ソートリーダーの辞書には「リスク」という言葉は載っていない。

たくさんのソートリーダーたちが集う場所「BBH China」のロビー。ポスターには「世界が片方へ行くときは、別のほうへ行け」と書かれている。

幼稚園に生きた蛇などを持っていったことがあるか?

ソートリーダーは、作られるものではなく天性の素質だ。彼らは、この世に生まれた瞬間から、発想の仕方が人とは違っていて独創的だ。もし、あなたがいまソートリーダーなら、これまでの人生を通じて、ずっとソートリーダーだったはずだ。

あんたは、アレックス・ボガスキーか?

「広告界のスティーブ・ジョブズ」と呼ばれるアレックス・ボガスキーでないなら、あんたはソートリーダーではない。彼の立派な力こぶ。それにも勝る壮大なコンセプト。夢多きアイデアマンよ、どうか私を導いてほしい。ソートピア(Thoughtopia:思考の理想郷)まで、あんたについていくだろう。

「広告界のスティーブ・ジョブズ」アレックス・ボガスキー

1年に少なくとも12回は演壇に上がる?

現実を直視しよう。アマチュア講演家と、プロの講演家はまったく別のものだ。自分はソートリーダーたちに知られた存在だ、というフリをしているなら、恥を知るべきだ。演壇からすぐに降りよう。

「ニューヨーク広告週間2015」より

「TEDx Talks」のプレゼンは1分以下?

よく知らない人のために解説すると、「TEDx Talks」とは、「TED Talks」のうちで長さが18分以下のものを指す。いまではネコも杓子も「TED Talks」に参加していて、その中身は以下の動画のような感じだ。

だが、あなたがソートリーダーなら、その話は、聞き手がメモをとる暇もないくらい、簡潔かつ核心を突いたものでなければならない。聴衆は口をポカンと開け、よだれを垂らし、最後には涙するだろう。

完全にオリジナルなコンセプトを生み出し続けているか?

他人のアイデアを不正に借用したり、組み合わせたり、崩したり、再構築したり、作り変えたりしてはいけない。純粋にアイデアを生み出す人をソートリーダーという

最後に、Twitterのプロフィールに「ソートリーダー」と書いている?

自分で自分を「ソートリーダー」と呼んでいるような人間は、ソートリーダーではないし、将来そうなることも絶対にない。Twitterのプロフィールに「ソートリーダー」と書いている起業家や専門家、カリスマ指導者、ベンチャー企業家、噂好きは五万といるが、そんなものはマヤカシだ。すぐに削除したほうがいいだろう。

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Mark Duffy(原文 / 訳:ガリレオ)
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