「デジタル広告戦略」の現状を知るための4つのグラフ

オンラインメディアにおける信頼、安全性、透明性の追求は、マーケターが今年もっとも関心を抱いてきたトピックだった。

プロクター・アンド・ギャンブル(以下、P&G)によるメディアバイイングでの浪費の削減から、メディアエージェンシーの効果への疑念まで、ここ1年の出来事は、マーケターがいかに自社のオンライン広告をコントロールできていないかを浮き彫りにした。

ブランドマーケターがデジタル広告戦略をいかに進化させているか、以下の4つのチャートから見てみよう。

マーケターは、いまもリーチを優先している

今年は多くのマーケターから、デジタル広告におけるスケール重視の戦略を見直すという声が聞かれた。P&Gは4月、デジタル広告費を1億ドル(約110億円)削減したが、売上に大きな影響はなかった。だが、4月に広告掲載サイト数を70%削減して以降、P&Gは徐々に再び掲載サイトを増やし、8月には前年同月比21%増となった。ほかのブランドも広告掲載サイト数を増やしており、ロレアル(L’Oreal)の第3四半期の掲載サイト数は前年同期比で80%増、フォルクスワーゲン(Volkswagen)は59%増、ユニリーバ(Unilever)は17%増となっている。

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Source: MediaRadar

これらのブランドは同時に、プログラマティック広告費も漸増させていることから、キャンペーンにおける透明性を高めてきたと、メディアレーダー(MediaRadar)の共同創業者でCEOのトッド・クリゼルマン氏は評する。使用するアドエクスチェンジや保有しているアドテク契約に関して、ブランドが求める透明性の水準は高まっており、これによって広告費の総額は必ずしも変わらないものの、メディアバイイングの傾向に変化が見られると、クリゼルマン氏は説明する。

マーケターは、いまもアドテクスタックを理解していない

最大級の広告主を除いて、アドテクスタックを構築するのに十分な知識を備えているマーケターはごくわずかだ。メディア戦略コンサルティング企業のIDコムス(ID Comms)のレポートによると、調査した229人のマーケティング・メディア・調達担当幹部のうち、41%が依然として自社のアドテク利用が「非効率的」または「きわめて非効率的」だと認めた。アドテクスタックを「効率的」に運用していると答えた広告主幹部はわずか15%で、「きわめて効率的」に運用しているという回答は皆無だった。

この知識のギャップが原因で、多くのマーケターはエージェンシーに頼りきりになっている。前述のレポートによると、大多数の広告主が以下の文章に同意したという。「広告主はアドテク環境の急速な進歩についていけず、エージェンシーが提供するソリューションに過度に依存している」。

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Source: ID Comms

透明性の高いアドバイイングの台頭

広告主の83%は以前よりもブランドの安全性を心配しており、また4社に3社は以前よりも広告詐欺について懸念していることが、動画広告マーケットプレイスのティーズ(Teads)がセンサスワイド(Censuswide)に委託して実施した調査で判明した。この調査では、英国に本社をおく売上2000万ポンド(約30億円)以上の企業のCMOまたはマーケティング担当VP100人に聞き取りを行なった。

こうした懸念を払しょくするため、広告主の44%がサプライヤーとの関係を、43%がエージェンシーとの関係を見直している。マーケターの大部分(93%)が、将来的には透明性とブランドセーフティを保証できるエージェンシーおよびサプライヤーだけを選ぶと回答した。また、多くの広告主がアドバイイングのプロセスの効率化に努めている。先のレポートによると、すでに広告主の4割がサプライヤーと直接契約を結び、サプライチェーンの中間層をカットしているほか、CMOの37%が自らデジタル戦略の実行に直接関与しているという。

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Source: Teads

注目を浴びる広告詐欺

マーケターの半数がモバイルのプログラマティックにおける広告詐欺を深刻な問題と考えていることが、イオテック・グローバル(Iotec Global)が英国に拠点をおくマーケター500人を対象に実施した調査で判明した。広告詐欺について尋ねる質問に対し、50%が「深く憂慮している」、41%が「ある程度憂慮している」と回答し、ふたつをあわせると91%にのぼった。

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Source: Iotec Global

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)