限りなく「純広」に近いプログラマティック

本記事はパブリッシャーマネタイゼーションプラットフォームPubMatic(パブマティック)アドソリューションマネジャー 丹羽大介氏の寄稿です。

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デジタルにおけるプレミアム媒体のディスプレイ広告は依然として人の手で売られる純広告に依存しています。これまで純広告で取引されてきた領域にプログラマティックが入り込むことにより、広告主・代理店にはデータ可視化、優良在庫の選択など大きなベネフィットを提供できることになり、ひいては媒体社の収益を拡大することになります。

PubMaticはプログラマティックで純広告を扱えるBIDDABLE IO(ビッダブル・アイオー)」をローンチしました。PubMaticは「媒体社の純広告向けに予約されたインプレッションを『民主化』することで、広告主はオーディエンスデータが可視化された買い付けが可能になる」と説明します。

BIDDABLE IOの導入にはふたつ前提があります。ひとつはヘッダー入札であり、もうひとつはプログラマティックにおいてダイレクトレスポンス広告に対してブランディング広告が優勢になるというグローバルトレンドです。

PubMatic社におけるグローバルのパブリッシャーのヘッダーダグ経由でのインプレッションは、80%を超えています。(出典:PubMatic、2017年5月)現行のウォーターフォール型では、プログラマティック経由のデマンドが、最も高い価格を提示できる場合でも、純広告を優先します。ヘッダータグを入れていれば、アドサーバーの設定次第で、プログラマティック経由の需要が純広告に優先して落札することができます。これをPubMaticではインプレッションの「民主化」と呼んでいます。

グローバルではプログラマティック広告の50%がダイレクトレスポンスであり、50%はブランド広告です。2019年には8:2の割合でブランド広告が優勢になると予測されています(下図)。

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プログラマティックと運用型の違い

議論を進める前に、PubMaticが定義する「プログラマティック」についてご説明します。当社では、プログラマティック(Programmatic)とは純粋にこれまで手作業で行っていたものを自動化されたシステム経由に置き換えるということを意味します。つまり、毎回発生していたメールでの買い注文や入稿作業、スプレッドシート形式のレポートが不要になる状況です。

オートメイティッドギャランティード(AG)は、この好例です。これは純広をシステム経由で取引しますが「運用」にあたることはまったくしていません。検索やソーシャル広告、アドネットワークは売り手と買い手がオープンな形で取引していないため、運用型ではあるが、PubMaticの定義ではプログラマティックに含まれません。

そのためBIDDABLE IOは純広告が運用型広告(保証型)に置き換わるというわけではなく、純広告の取引がシステム上に移行していくという意味です。

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日本で「パフォーマンス」という言葉は、クリックやリード獲得などのアクイジション(獲得)の意味になりがちです。しかし、ブランディング広告はそれを見てもらったことに価値があるという考えに拠ります。テレビCMを見て即座にトイレタリー商品を買いにスーパーマーケットに行く人は0.1%程度に過ぎないかもしれません。残りの99.9%を意味がないと切り捨てるのが現状の「パフォーマンス」です。しかし、実際はそうとは限りません。

日本のプレイヤーはディスプレイ広告をクリック率で評価するなど独特な考え方をとっています。

純広告にオーディエンスデータをもたらす

さて、このふたつの前提を踏まえた上で、BIDDABLE IOとは何かを説明しましょう。BIDDABLE IOは予約型、保証型の広告取引をDSPとSSPの間でやろうというものであり、ヘッダー入札のタグが入っている媒体社と、DSPをもつメディアバイヤーが条件になります。

AGとBIDDABLE IOの違いはこうです。オートメイティッドギャランティードはユニークなプロトコルにより取引します。毎回発注の手続きをしなくていい。レポーティングも一元化できます。ただし、AGの市場はまだ発展途上なのです。BIDDABLE IOはすでに信頼性の高さを証明したRTBのプロトコルを活用します。RTBのプロトコルを経由しますが、オークションは走りません。

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手売りの純広告からプログラマティックの純広告への移行は決定的

DSPは入札のリクエストをもとにしたオーディエンスデータを利用して媒体で発生するであろうインプレッションを予測します。媒体社によるBIDDABLE IOの導入により、媒体社のオーディエンスデータが可視化できるのなら、広告主は欲しいインプを簡単に見つけ出し、リターンが約束された在庫に対し重点的な投資が可能になるでしょう。

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プラグラマティック純広の流れは米国、欧州、アジア太平洋でもトレンド化している

しかし、このときアドサーバーのウォーターフォール設定が課題になります。たとえば媒体のディスプレイ広告枠に月間1000万インプがあったとしても、純広告のタグがウォーターフォール上で上位に配置されているために、SSP経由でDSPに送られるリクエストが月間100万インプになる場合、バイサイドはSSPから送られてくる100万インプをもとにしてしか予測を立てられません。

デマンドサイドへの100%の透明性

だからこそ、BIDDABLE IOの導入により、バイサイドの視界が開けます。バイサイドはいいインプレッションを評価し、買い付けられます。広告主は「どの媒体にいけばどういうオーディエンスがいるのか」をあらかじめ予測することができるようになります。

米国の広告主はプログラマティックバイイング以外を受け付けないというシビアな対応を取る企業も見られます。媒体社は仮にとてもいいインプレッションをもっていたとしても、純広告に固執することで在庫を売る機会を失うリスクがあります。

最近は大手広告代理店がアドベリフィケーション企業と提携を進めていますし、動画プラットフォームをめぐるブランドセーフティの問題もあります。適切な広告枠に対して適切な価格をもたらすという傾向もあるでしょう。

米国ではパブリッシャー側がDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)をもっていて「あなたが欲しいオーディエンスがこの程度います。この価格で買いませんか?」という交渉をしています。デマンド側の利益も大きいです。いままで余剰在庫にしかタッチできなかったのが、DSPで効率的に買い付けられることになり、良い在庫に対して重点的な投資が可能になるからです。

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PubMaticが提供する自動化の効率性と、直接購入の透明性および保証性のトレードオフを解決する「BIDDABLE IO」のホワイトペーパーはこちらからダウンロード可能です。広告主、代理店への100%の透明性を保証します。

また、パブマティックでは、この「BIDDABLE IO」のほか、プログラマティックの基礎から最新の欧米市場の状況などをご説明するバイサイドの方向けのセミナーを開催します。

ぜひ、ご参加ください。

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パブマティック株式会社

アドソリューション シニアマネージャー

丹羽 大介

慶應義塾大学大学院卒。外資系ネットワーク・システム企業にて営業やマーケティングを歴任後、2013年にAOLに入社し、プログラマティック動画広告の営業に従事。その後、ディスプレイ広告事業も担当した。2015年にパブマティックに入社し、新規パブリッシャーの開拓を担当後、2017年より現職。