コンテンツマーケティングを「測定」する5つの方法

本記事は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ブレアに拠点を置くデジタルエージェンシー、クエスタス(Questus)の創立パートナーであるジョーダン・バーグ氏の寄稿です。

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広告業界では、さまざまな理由から、コンテンツマーケティングの勢いが増してきた。コンテンツマーケティングでは、顧客やプロスペクト(見込み顧客)に対し、30秒のコマーシャルよりも正しくブランドの真価を伝達できるからだ。また、「勝手に視界に侵入してくるもの」ではなく、ユーザーにとって有意義な価値あるコンテンツで、ブランドをユーザーの「パートナー」として位置付けられる。eマーケター(eMarketer)の調査では、2014年にブランド企業の74%がコンテンツマーケティングへの投資を増やしたという。

コンテンツマーケティングの加速を促す、ふたつのトレンドがある。まず、急伸中のブランドを見ると、動画、写真、アプリ、Vineその他を駆使したユニークな体験ができるコンテンツで、顧客を引きつけているというもの。それと、進化を続けるソーシャル管理プラットフォームが、パワフルなコンテンツを展開できる機能を実装してきており、これが一番重要な点だが、指標計測が可能なツールが提供されているというものだ。

これらのトレンドが、コンテンツマーケティングのパワーを享受しようと対応を急ぐ、業界の起爆剤となっている。以下に、コンテンツマーケティング活用に役立つヒントを提示しよう。

1. マーケティング目標とコンテンツ指標を関連づける

多くの場合、マーケターは、ブランド指標を上げるという目標、あるいは、ダイレクトレスポンス(コンテンツに対するユーザーからの直接的な反応)を増やすという目標を別々に追っている。だが、ブランド指標は、コンテンツの取り組みに関連付けて考えるべきだ。ブランド調査を行うと、コンテンツの観点から行っている取り組みが、知名度や購買意図、その他に影響しているとわかるだろう。

しかし、多額の費用がかかるブランド調査ができない場合、ブランド調査の代わりとして、エンゲージメント指標やソーシャルリスニング(ソーシャルメディアでの反応を把握すること)を使用することができる。

一方、ダイレクトレスポンスは、ソーシャルプラットフォームの「閉じた性質」により、計測が難しい(つまり、ソーシャルメディアにコンテンツを展開しても、メディアが企業のバックエンドにつながっていないので、実際に購買につながる行動が喚起されるのかわからない)。

しかし、ここでもエンゲージメント指標を代わりに使用できる。エンゲージメント指標は非常に種類が多く、コンテンツの進化により、さらに数が増えていくだろう。しかし、もっとも重要な指標は、サイト指標(サイトトラフィックの上昇、新規トラフィック、サイト滞在時間など)、ソーシャルプラットフォームからの流入トラフィック、ソーシャルエンゲージメント、フォロワーやファンの増加などであり、売上に対するコンテンツの貢献度を示すデータとして使用できる。

2. コンテンツ作成に加え、コンテンツキャンペーンをトラッキングする

多くのマーケターは、コンテンツをキャンペーンとしてトラッキングしていない。コンテンツをキャンペーンとして実施していても、個々の投稿またはすべての投稿に対するトラフィックなど、基本的な指標のレポートしか生成していないのだ。

コンテンツマーケティングで大切なのは、トラッキング用のタグ付けだ。これは手間のかかる作業だが、コンテンツを正しくタグ付けすると、キャンペーンを総合的に理解・分析でき、コンテンツのタイプ、テーマ、コピーライティング、チャネルなどの最適化を図ることが可能になる。タグ付けは、これまでマーケターのワークフローにはなかった仕事だが、非常に大きな利益をもたらす作業だ。

タグ付けの成果が出てくるには時間がかかるが、コンテンツを使用したブランド認知度の向上と売上のアップには、長期戦の覚悟も必要となる。それは有償のメディア広告と何ら変わらない(ダイレクトレスポンスのみを対象に活動しているマーケターには当てはまらないが)。

3. エンゲージメント指標がブランド指標の上昇をもたらす

jordan-berg-art各種指標は、アナリティクス ピラミッド(右の図)を使用し、下から上へ向かうアプローチで分析すると良い。スタート地点として、エンゲージメント指標をどう最適化していくべきか考えると、必然的にその上にあるものにもすべてに影響が及ぶ。

たとえば、動画をもとにしたキャンペーンでのエンゲージメント指標として、「再生数」「動画が最後まで再生された割合」「シェア数」をトラッキングしたとする。エンゲージメントが増すにつれ、通常、サイトトラフィックやフォロワー数の伸びといった基盤指標にも上昇が見られる。

そして、マーケターが真っ当な仕事をしていれば、最終的にブランド指標も上昇する(ただし、ブランド指標へのインパクト表出には時間がかかり、計測頻度も通常少ない点に留意)。

4. マニュアルダッシュボードの使用をやめる

Facebook、Google アナリティクス、キュラレート(Curalate)、Twitterなどなど、さまざまなデータソースを手にしたはいいが、それで、そのデータをどうすればいいのか? こうしたデータの蓄積を、筋の通った、計測可能な全体像としてまとめることができないために、コンテンツマーケティングへの投資を増額できないケースが多い。

現在、ほとんどのマーケターはカスタム(つまり、マニュアルの)ダッシュボードを作成している。カスタムダッシュボード(には、集めたデータをひと目でわかるように視覚化できるという利点があるが)は、通常、キャンペーンごとにセグメント化されておらず、従来的なマーケティング指標の上昇を表示することができないのだ。しかし、心配ご無用。この課題に対するヘルプは市場に存在している。

5. コンテンツマーケティングのバックボーンとなるSRP

ソーシャルリレーションシッププラットフォーム(SRP)が、急速な進歩を見せている。スプリンクラー(Sprinklr)、パーコレイト(Percolate)、スプレッドファスト(Spreadfast)、アドビ(Adobe)、セールスフォース(Salesforce)は、各社ともコンテンツの展開・企画・指標計測・最適化の機能を競っている。多くの企業では、こうしたツールをソーシャルメディアへの投稿にしか使用していないが、どのプラットフォームも、フルサービスに対応するコンテンツマーケティング用ツールセットとして成熟しつつある。

これらのツールは、企業が「獲得」し、「所有」しているという二重の意味で重要なプロパティを管理するものだ。SRPを使いこなし、エージェンシーやマーケターにできることはいろいろある。

つまり、キャンペーンごとのコンテンツのセグメント化、ソーシャルリスニングの活用(大部分のツールにはこの機能がある)、コンテンツへの知見提供、ソーシャルメディア投稿と大型キャンペーンを含むマーケティング/記事スケジュール作成、有償ソーシャルメディア枠購入などだ。しかし、なかでも一番重要なのは、コンテンツマーケティングの価値の実証に役立つ、強力な計測アナリティクスを、SRPが提供できるという点だ。

コンテンツマーケティングが飛躍的に伸びているのは、効果があるからだ。強力なコンテンツマーケティングキャンペーンを展開し、優れたブランドを築くためのツールやプロセスはすでに存在している。マーケターは、有償の広告と同じ基準でコンテンツマーケティングを扱い、そのパワーを十分に活用していくべきだろう。

Jordan Berg(原文 / 訳 片岡直子)
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