「DMPは単なるデータ倉庫」から脱却するための5つのコツ

この記事は、デジタルエージェンシーのコンバーサント(Conversant)のシニア・バイスプレジデントであるラジュ・マルホトラ氏による寄稿です。コンバーサントは大手データマーケティング・エージェンシー、エプシロン(Epsilon)の子会社です。

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リサーチ企業フォレスター(Forrester)のリポートによると、多くのマーケターたちはDMP(データマネジメントプラットフォーム)に注目し、評価している。データを重要視するマーケターにとって、DMPはすべてを提供してくれる夢のようなプラットフォームだ。それぞれの消費者の行動を記録するため、DMPのコンセプトは表面上だけでも期待ができる。

しかし、唯一の問題点は、DMPがその約束通りの働きをしてくれないことだ。

多くの場合、現在のDMPソリューションは単なる神格化されたデータ倉庫だ。Webサイトやアプリのログ、消費者情報などでいっぱいになっている。そして、データも多くの場合は完全なものではない。機器同士やオンライン、オフラインのデータのつながりを見つけたとしても、その情報を消費者に結びつけることは難しい。

こうした事実がもたらすのは、消費者にとって好ましくないユーザー体験だけだ。消費者は、繰り返し同じ広告を見せられたり、家族内の別の人間に向けられた広告をみせられたり、すでに購入している商品の広告(もしくは、競合相手から購入した同様の商品)を見せられたりしている。マーケターにとってはROI(投資利益率)を低下させる結果になっている。

マーケターたちが必要とする質問は、「どのDMPを使用したら良いか?」ではなく、「高い精度で継続的にオーディエンス規模を拡大させるには、どのソリューションがもっともいいのか?」だ。

以下が、データからできるだけ多くのものを得るために心に留めておく5つの事項だ。

1.すべてのチャンネルの消費者行動をひとつの管理画面で

これには、消費者データを管理するうえで、新たな手法が必要になる。古いCRM(顧客関係管理)データと現代のデジタルチャンネルが提供する規模をうまく釣り合わせないとならない。

つまり、単独で匿名の消費者IDを作らなくてはならないということだ。クッキーが消えようが、アドレスが変更されようが、機器が変えられようが、消滅することのないIDが必要なのだ。データは消えてしまうかもしれないが(これは不可避である)、消費者IDはすべてのマーケティングチャンネルで継承されるべきである。

2.利用できるすべての情報源からデータを得る

ブランド企業が消費者と交流するとき、消費者の素性が分かる場合は10%以下である。90%以上が匿名だ。

その際、既存および新規顧客とエンゲージするには、さまざまな個人識別情報(PII)と個人を識別できない情報を繋ぎ合わせなくてはならない。当然、これはプライバシーポリシーの枠組みのなかで行う。これらにはCRMデータ(Eメールやダイレクトメール配送先など)、匿名データ(クッキーや機器IDなど)や取引データ(オンラインとオフライン)などが含まれる。

3.消費者をクッキーや機器と捉えてはいけない

顧客中心型になるためには、企業は消費者を個人として捉えたうえで、頻繁につながることが必要だ。消費者をクッキーや機器と捉えてはいけない。マーケターは古臭い倉庫に眠っているデータに頼ってはならないのだ。

4.正しい運用を継続する

豊富なデータを保有し、正しく運用できたならば、匿名の消費者IDを通じて、消費者との関係性はいずれ築ける。そして、交流のたびに関係性は強固になる。

5.統合ソリューションでデータの保護を行う

断片的なソリューションを使用するよりも、統合ソリューションを使用して、保有するすべてのデータの保護を行う。そうすれば、DMPによる管理とDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)によるアクティベートは個別だが、データ損失が減り、オーディエンス規模の減少も最小限に食い止められる。

DMPを神話から切り離すのには、少しばかり不快感が生じるかもしれない。しかし、これらがより正確に顧客や潜在顧客たちとつながるためのソリューションとして使われるのならば、実施するだけの価値はあるはずだ。

Raju Malhotra(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image by r2hox(CreativeCommons,Ryoji Ikeda)