プログラマティック広告をめぐる 4つの新事実

プログラマティック広告にも、配置位置の悪さやデータの質、Webページの読み込みの遅さなど、それなりにいくつか問題点がある。

4月24~26日にアイルランドのダブリンで開催された、DIGIDAYプログラマティックサミット(DIGIDAY Programmatic Summit)で、我々は、マーケティング業界やパブリッシング業界からプログラマティックの専門家を100人以上集めて、プログラマティック広告にまつわるいくつかの議論を行い、新しい事実を知った。

1日目に我々が学んだことは以下の通りだ。

事実1:YouTube問題は予期せぬ事態だった

YouTubeのようなユーザー生成コンテンツ(UGC)プラットフォーム上に広告を出す危険性は、以前から語られていた。だが、今回の抗議の声の大きさを考えると、目新しい問題のように感じられる。

実際の話、最初に影響を受けた広告費より、事後処理に費やされた金額の方がはるかに大きかった。この件は、ニュースというより、大いに必要な警鐘だった。あるメディア企業のオーナーで、エージェンシーの幹部だった経歴をもつ人物は次のように語る。

「人々は、こうしたことが起こると知っていたかもしれない。また、知らない人もいただろうし、知ろうという関心もそれほど高くなかった。あるいはお金を払ってまでコンテンツ認証をしなくてもいいと思っていたかのいずれかだろう。何人かの広告主と話をしたが、ホワイトリストのような高レベルのブランドセーフティ認証など、インプレッション単価(CPM)が高くなるようなものを売り込むには、かなり頑張らなければならない。これまで、そういったものはなかなか受け入れられなかった」。

事実2:ヘッダー入札はパブリッシャーの問題をすべて解決する

バズワードはもうたくさんだ。CNNインターナショナル・コマーシャル( CNN International Commercial)でプログラマティックトレーディング部門のグローバルヘッドを務めるベン・ハンコック氏は、「ヘッダー入札はすべてを包括する用語になっている。我々が問題解決に近づくのに役立つが、それでもまだ先は長い」。

サーバーサイドであれクライアントサイドであれ、ヘッダー入札の実行には時間がかかる。パブリッシャーは、ヘッダー入札という技術やそれに関連するバズワードに注力するのではなく、プログラマティックを巡る状況に合った多様な方法でインベントリー(在庫)を販売することに力を注ぐべきだ。

事実3:プログラマティック広告はダイレクトマーケティングだけのものではない

プログラマティック広告は、ブランディングでもダイレクトマーケティングと同じくらいうまく機能したというケースは確認されていない。ブランドはまだ、プログラマティック広告が大規模なブランディングキャンペーンに変化をもたらす確信をもてずにいる。テレビ広告や屋外広告のような昔ながらのチャネルと比べると、オンラインではブランドセーフティを保証することも難しい。

ビームリー(Beamly)の最高執行責任者であるアンソニー・リンド氏によると、業界で信じられている神話のなかでも、「プログラマティック広告は ダイレクトレスポンス広告のためだけのものだ」という神話は、とりわけ有名なもののひとつだという(ビームリーは、大手美容ブランドのコーティ[Coty]が100%出資するデジタルマーケティングエージェンシー)。そして、業界人にしかわからない専門用語や略語は、どれも役に立たない。「コスト効率を気にするブランドでさえ、コスト効率が良いというだけでは関心を示さない。彼らはブランドにとって最適なものを求める」と、リンド氏は述べた。

事実4:マーケターによるプログラマティックの内製化は、エージェンシーにとって脅威ではない

プログラマティック広告につぎ込まれる費用が増えるにつれ、各ブランドはトレーディングの要素を内製化しはじめている。そうすればトランザクションを自分たちの目ですべて確かめられるからだ。だが、これによってエージェンシーの役割が問われることにもなる。

Spotify(スポティファイ)の販売部門を率いるマルコ・ベルトッツィ氏は次のように語った。「広告業者が理解しておかなければならないのは、ファーストパーティデータは自身で所有しておいて、エージェンシーをパートナーにすることだ。それならば、大手エージェンシーグループが技術に投資することも理にかなう」。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)