インスタでいま注目すべきは「マイクロインフルエンサー」:影響力が最大となる最適解

人気がありすぎるのも、いいことばかりではない。

ソーシャルメディア上で、インフルエンサーのフォロワー数がある閾値に達すると、オーディエンスのエンゲージメントは意外にも減少しはじめることがわかった。インフルエンサー・マーケティング・プラットフォームのマーカリー(Markerly)が、200万人のソーシャルメディア上のインフルエンサーを対象として、実施した調査によると、スポンサーつきでないインスタグラムの投稿に対する「いいね!」の割合は、フォロワー数1000未満のアカウントでは8%だが、フォロワー数1000~1万のアカウントでは4%になるという。

フォロワー数がさらに増加するにつれ、「いいね!」率は下がっていく。インスタグラムのフォロワー数が1万~10万となっているインフルエンサーの「いいね!」率は2.4%、100万~1000万および1000万以上となっているインフルエンサーでは1.7%だ。コメント率でも同様のパターンが見られる。

この傾向はインスタグラムのスポンサーつき投稿でも同様だ。したがって、影響力が最大となる最適解は、フォロワー数が1万~10万のインフルエンサーだといえる。彼らを「マイクロインフルエンサー」と呼ぶことにしよう。

Markerly-stats

フォロワー数に対する いいね!率(青)とコメント率(赤)

なぜマイクロインフルエンサーか?

前述のマーカリー共同設立者で最高経営責任者(CEO)を務めるサラ・ウェア氏によると、同社がダイエット紅茶企業の依頼でジェンナー/カーダシアン姉妹とインスタグラム上の契約を結んだ際、彼女たちは数百件のコンバージョンをもたらしてくれた。悪くない数字だ。けれども、30~40人の「マイクロインフルエンサー」と契約した方が、もっと多くのコンバージョンを達成できたと考えられる。

これは単純な計算問題だ。たとえば、スポーツウェア会社がフォロワー数200万の著名なソーシャルメディアユーザーと契約した場合、多数のオーディエンスにリーチすることはできるものの、その9割はスポーツファンではない可能性がある。それなら、本当のスポーツ好きにフォローされている100人の自称アスリートと契約した方が理にかなっているというわけだ。

最終的な見返りは大きいとしても、ブランドにとって手間が増えることは、ウェア氏も認めている。同氏によれば、有名人はひときわ目立つワンストップショップだが、「それに比べ、マイクロインフルエンサーをいち早く見つけるには、それに適した検索エンジンが必要だ」という。

すでに一部のエージェンシーは、マイクロインフルエンサーに注目しはじめている。ソーシャルマーケティング・エージェンシーであるアーバン・グループ(Irban Group)の共同設立者、ファーガス・トーマス氏は、10万~20万程度のフォロワーを抱えるソーシャルメディアユーザーを「パワーミドルインフルエンサー」と呼ぶ。「パワーミドルインフルエンサー」には本業があり、ブランドのためのコンテンツ制作は二の次なので、スポンサードコンテンツを投稿する頻度は著名なソーシャルメディアユーザーよりも低い。だからこそ信頼されるのだ。「予算の額が同じなら、20人から40人の『パワーミドルインフルエンサー』と契約した方が、1人か2人の有名人と組むよりも、多様な集団にリーチでき、エンゲージメントの成績もいい」と、トーマス氏は語る。

2~5倍のオーガニックエンゲージ

一方、ソーシャル広告プラットフォームのナック(Gnack)の定義では、フォロワー数が1万未満で日常的にソーシャルメディアを利用しているユーザーが「マイクロインフルエンサー」だ。彼らのフォロワーはたいていが友人や家族なので、投稿に対する信頼は高く、エンゲージメントも盛んだ。

ナックの最高売上責任者であるチコ・ティラード氏は、次のように述べている。「当社と提携しているエージェンシーの55%以上が、『マイクロインフルエンサー』を(現在の)戦略の一部に組み込んでいる。数人の『マイクロインフルエンサー』が、あるキャンペーンで最大25%のエンゲージメントという数値をたたき出したこともある」。

先ごろインスタグラムがコンテンツの質を重視するアルゴリズムをフィードに導入したことを受け、ナックのCEOを務めるクリス・ゴンザレス氏は、「マイクロインフルエンサー」の投稿がより存在感を増すと予測。友人や家族の投稿は、どんなソーシャルネットワーク上でもたいてい優先順位が高いからだ。

「マイクロインフルエンサーは、フォロワー10万人以上のアカウントに比べ、インスタグラムの1投稿あたり2~5倍のオーガニックエンゲージメントを生み出す。彼らのコンテンツはもともとエンゲージメントが高いので、インスタグラム上では特に何らかの策を講じなくてもすぐれた成果が期待できる」。

Yuyu Chen(原文 / 訳:ガリレオ)