コムスコア、プレミアム媒体の広告効果に「お墨付き」:今週のデジタルマーケティングサマリー

今週の最大のトピックはLINEの日米上場。2016年世界最大のIPOになる。メッセージングアプリはユーザー数でソーシャルを上回っていると言われ、世界的な群雄割拠にある。WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Wechat(微信)に対し、LINEはグローバル競争をどう戦うのか。こちらの記事で詳報している。

プレミアム媒体広告に「後光」差す

リサーチ企業コムスコア(comScore)の調査「ハローエフェクト(The Halo Effect)」はプレミアム媒体でのディスプレイ広告のパフォーマンスが非プレミアム媒体のそれを大きく上回るとしている。

その理由は広告が見られやすく、プレミアム媒体だからというコンテクスト(あるいはバイアス)のおかげで広告効果が高まる「ハロー効果(後光効果)」のためだとコムスコアは指摘する。

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ブランドリフトではプレミアムが非プレミアムに対し平均67%高く、プレミアムのパフォーマンスが確認された。

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プレミアムは、ブランド好意度、ブランド考慮率などのミッドファネルのブランドリフトにおいて、3倍以上効果的。

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プレミアムの広告効果の一部は、不適切なトラフィック(ボットなど)の排除を含む、高いビューアビリティ(視認可能性)に担保されている。

やっぱり媒体は「量より質」

老舗出版社アトランティック傘下の経済メディア「クォーツ(Quartz)」は通年の収益が3000万ドル(約31億円)に達する予測。2014年の380万ドル、2015年の1860万ドルから伸びが続いているという(Adage)。クォーツの発行人のジェイ・ラーフ氏は、6月30日〜7月1日のDIGIDAY PUBLISHING SUMMIT(DPS)で、DIGIDAY[日本版]とのインタビューで「ページビューのような量ではなく、オーディエンスの質に投資している。ランディングページにアドを貼り付けたり、ページ中にエンベッド(埋め込み)をたくさん置くようなことはしない」と語った。同社の動画広告は自動再生ではなく、クリック再生であり「広告主はオーディエンスが意図をもって動画を見たことを確認できる」と語っている。DPSの「量より質」の議論はこちら。

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「クォーツ(Quartz)」発行人のジェイ・ラーフ氏

YouTubeの自動広告取引が急拡大

YouTube広告のプログラマティック取引が急伸を続けている(adexchanger)。GoogleのDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)であるDoubleClick Bid Managerを通じた買い付けが、2015年9月から前月比・平均55%増で伸び続けている。YouTubeはDoubleClick Bid Managerによるプログラマティック取引を昨年9月から開始。同時にほかのアドテクベンダーの関与を禁じたプロプライエタリ―(独占的)な構造に変えた。YouTube広告の販売方法も手売りからプログラマティックにシフトしているという。

※プログラマティック=本稿ではデータを活用した自動取引の意。

ポケモンGOのリッチな位置情報の行方は?

「ポケモンGO」が米国で社会現象になった(DIGIDAY)。ゲームの重要な地点にショッピングモール・百貨店の店舗が設定されており、客足を復活させるチャンスになっている。位置情報に基づいたゲームのため、運営者はプレイヤーがモール内でどう移動するのかをリアルタイムで関知できるはずだ。仮にすべての客がポケモンGOのプレイヤーであるならば、迷路のようなモールの構造を顧客の行動の変化に合わせて変えていったり、顧客の流れを変えるためにイベントを行ったり、商品の陳列を都度最適化するなどの方策もとれるかもしれない。

Written by 吉田拓史
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